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▲The Prism of Creativity ▽ vol.3[心理学編] 孤独とクリエイティビティ

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こんにちは、DSOC研究員の西田です!

この間、Cから始まる僕がこよなく愛しているブランドの本店に訪れたとき、そこに居合わせたお客さんが私のことを店員と思ったようで、「この財布をください!」と声をかけられてしまいました。店員になりきろうかとも思いましたが、「店員じゃないです。」と正直に答えました。GANのDiscriminator*1を騙す感覚を味わうことができました。


恒例のファッション小噺はここまでとして、本題に入ります。前回と同様、今回も心理学におけるクリエイティビティの研究をご紹介します。前回は、経験への開放性、簡単にいうと好奇心がクリエイティビティを高める要因であるという研究をご紹介しました。新しい経験や知識を追い求める人はクリエイティブに活躍できるという話でしたが、クリエイターの人などは外に出かけてばかりではなく、よく作業部屋に篭っているイメージもあります。そんな直感から、今回は孤独とクリエイティビティについての研究のご紹介です。

1人の時間がクリエイティブなアイデアを生む?

実際にクリエイティブな人というのは1人の時間を大切にしているのでしょうか?

アップル社の共同創業者であるスティーヴ・ウォズニアックは1人で働くことがクリエイティブな思考に必要であると主張しています。*2

先日、We Malgielaという映画を見てきました。(実は、もう2回見ました(笑))

この映画は、マルタン・マルジェラという有名なファッション・デザイナーに関するドキュメンタリー映画です。その中でも、「クリエイティブな人は社交的にはなれない。孤独が必要。」と言っているシーンや、マルタンと一緒に働いていたメンバーは「マルタンは1人でアトリエにいる」と述べていたりするシーンもありました。大抵、アトリエは1人でいるものだと思いますが、やはり1人の時間を大切にしているのです。

また、自分の同僚の画像認識チームのメンバーが革新的なアイデアを思いついたのはシャワーしている時だったそうです。私も「これだ!」というアイデアはシャワーしている時だったり、1人で部屋でゴロゴロしているときだったりします。


1人のとき、脳の中はどうなっているのか?

一体、1人でいる時に何が起きているんでしょうか?

脳科学の研究から、アイデアが思いつくときに活発になる脳のネットワーク、Default Mode Network(以下、DMN)の存在が明らかになってきています。*3

そして、DMNは周囲に注意が向いている時では活発にならず、1人でいるときに活発になるという性質があります。したがって、オフィスで会議をしていたり、デスクで同僚の声に注意がとられるような状況ではDMNは活発にならないということです。

このDMNが働くときに行われる「建設的な内省」こそがクリエイティブな考えを生み出すことに不可欠であると神経科学者のMary Helen Immordino-Yang氏は主張しています。*4

「建設的な内省」というのは複数のアイデアを結びつけたり、何かしらの新しい情報に意味を見出したりするプロセスのことです。アーティストや哲学者の多くがこのプロセスがクリエイティブなアイデアを生み出すために必要だったと語っているそうです。

以上の話をまとめると、1人でいるときには、DMNが活発になり、その際にアイデア同士を結びつけるなどの思考・内省が行われ、結果としてクリエイティブなアイデアが生まれる、というメカニズムが働くということです。

したがって、シャワーしていたり、ゴロゴロとしていたりするときに良いアイデアが生まれやすいということになります!

チームで考えるのはダメ?

1人の時間が重要と分かったところですが、仕事でアイデアが求められるときには、「良いアイデアを考えるために、ブレインストーミングしよう!」と考えて付箋などを用い、ミーティングしているケースはたくさんあると思います。

このブレインストーミングだったり、チームで新しいアイデアを考えるというのは非生産的なのでしょうか? 1人の時間が重要といっても、実際にチームで良いアイデアが思いついたというケースも少なくないはずです。

クリエイティブなアイデアを考えるには、1人で考えるのが良いのか、チームで考えるのが良いのか、一体どちらなんでしょうか?

その答えは・・・

Sansan Innovation Project 2019 の「Think Different とは何か?」というセッション(3/14(木)13:15~14:00)で予防医学者の石川善樹氏と経営学者の永山晋氏とともに発表したいと思います!
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ありがたいことにこちらのセッションは満席となりました!申し込んでくださり、ありがとうございます><
すでにセッションに申し込まれた方は、忘れずにご参加ください! 会場でお会いしましょう!
都合が合わない方や申し込みそびれた方もいらっしゃると思いますので、後日、こちらのイベントでの発表内容についてもレポートを書きます!

ということで、次回は「チームで考える」ことに関する研究をご紹介いたします!

では!

*1:https://arxiv.org/abs/1406.2661

*2:https://toyokeizai.net/articles/-/221633?page=3](https://toyokeizai.net/articles/-/221633?page=3

*3:Andrews‐Hanna, J. R., Smallwood, J., & Spreng, R. N. (2014). The default network and self‐generated thought: component processes, dynamic control, and clinical relevance. Annals of the New York Academy of Sciences, 1316(1), 29-52.

*4:Kaufman, S. B., & Gregoire, C. (2016).Wired to create: Unraveling the mysteries of the creative mind. Penguin.

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