2024年に名刺アプリ「Eight」のサーバーサイドエンジニアとしてSansan株式会社へ入社した、技術本部 Eight Engineering Unit Product Devグループの菅間です。入社して半年が経ったところで、なぜEightを選んだのか、実際に働いてみてどうだったのかについて記事を書きたいと思います。
なぜEightを選んだのか
私がEightを選んだ理由は、「ビジネスインフラ」となるプロダクトの開発に携わりたいと考えたからです。
名刺はビジネスにおける最初の接点であり、多くのビジネス機会の起点となります。Eightはこの名刺管理の領域で主にサービスを展開していますが、それだけではなく、名刺管理を越えた、「名刺の新しい価値」を創造するプロダクトの開発にも取り組んでいます。
Eightは紙の名刺をデータ化して管理するだけではなく、名刺そのものをデジタル化することで新しい価値体験を追求しています。将来的には、ビジネスシーンで本人確認に使える「ビジネスID」としての活用や、グローバル展開も視野に入れています。
スマートフォンをかざすだけで名刺交換できるカード型デジタル名刺「My Eight Card」は、名刺そのものをデジタル化した取り組みの一つです。カード一枚でデジタル名刺交換ができるので、展示会などの大量に名刺を消費するような場合に便利なサービスです。
Eightは2012年に提供が開始されました。まもなく13周年を迎える、長年支持されているプロダクトです。ユーザー数は現在380万人を超え、年間数十万人増のペースで成長中です。BtoCのサービスだけではなく、中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」や、プロフェッショナルリクルーティング「Eight Career Design」など、幅広いビジネスを展開しています。
このようなビジネスの成長に伴い、増加するトラフィックやレコード数への対応、価値を提供し続けるための設計など、さまざまな技術的課題があります。多くの方に使われているサービスだからこそ、高い信頼性を保ちながら新しい価値を提供するという、難しくやりがいのある開発に挑戦できる環境に魅力を感じました。
現在の担当業務
現在はRuby on Railsを使用して、Eight、Eight Team、Eight Career Designの開発に携わっています。
個人的にはEightはモバイルアプリケーションのイメージが強かったのですが、Webアプリケーションも提供しています。普段の開発ではモバイル向けのAPIの開発からWebアプリケーションの機能開発まで行っています。
最近では、他社サービスからEightを利用できる外部連携機能の開発などを担当しており、Eightのエコシステムをより広げていく取り組みに関わっています。
技術と開発体制
Eightの技術と開発体制について、簡単にご紹介します。
アーキテクチャ
Eightはモノリシックな一つのRailsアプリケーションで構築されており、複数のサービスは名前空間で区切られています。
開発環境
開発環境については、多くのメンバーがVS Codeを使用しています。Dev Containerの導入やlefthookによる自動フォーマットなど、開発体験の向上に継続的に取り組んでいます。
また開発効率を向上させるため、生成AIやAI Agentを積極的に検証しており、AIを活用したコードレビューやDevinによる開発支援の実証実験にも取り組んでいます。
技術的な取り組み
長年続くプロダクトではライブラリのバージョンアップやテストがおろそかになりがちですが、Eightでは定期的なバージョンアップを実施し、ユニットテストも書いています。
また、Eightの技術的な挑戦で紹介されているように、持続的な開発生産性の向上を目指し、リアーキテクチャの検討やRubyのSorbetによる型システムの導入検証を試行錯誤しながら進めています。
機能開発では、デジタル名刺の開発や外部連携機能を通じてEightのエコシステムを拡大する取り組みなどを行っています。また、EightのWeb版の大幅リニューアルを実施し、既存のアプリケーションの使いやすさの向上にも注力しています。
開発体制と進め方
プロダクト開発は二つのチームが担当し、それぞれのチームが複数のサービスを横断的に開発しています。開発は1週間のスプリント単位で進めています。またQAチームによるQAを開発プロセスに組み込むことで、開発スピードを保ちながら高品質なリリースを実現しています。
開発体制は状況に応じて柔軟に変更しています。以前はサービスごとに専属チームを配置していた時期もありましたが、常にプロダクトや全社の状況に合わせて最適な体制を整えています。
また、生産性向上のため、非効率な会議の見直しや工数のかかるプロセスの改善にも定期的に取り組んでいます。
入社後のサポート
入社後は手厚くサポートしていただきました。
まず5日間の中途入社者向けの研修があり、使用するツールの基礎的な知識から会社のカルチャーまで幅広い内容を学ぶことができました。チーム配属後はメンターによるサポートがあり、朝会・夕会を通じて技術面や会社面でのサポートをしていただきました。
チームでは、チームビルディングの一環で個人のスキルや得意領域を洗い出してチームの持つ力を把握するためのワークショップ「ドラッカーエクササイズ」を行い、お互いの得意なことや価値観を擦り合わせることができました。
また、チームメンバーや上長、他事業部の方々との定期的な1on1により、自分の状況に関して定期的に話す機会があるため、困っていることや考えていることを都度共有する機会があります。
さらに、さまざまな情報のインプットがしやすい環境が整備されている点にも助けられました。Sansanは2025年のテーマとして「AIファースト」を掲げており、その取り組みの一環としてNotionとNotion AIを全社導入しています。
これにより、ドメイン知識のキャッチアップが効率的になりました。Notion AIに質問すると、SlackやNotion上の情報をソースとともに提示してくれるため、必要な知識を効率的に習得できたと感じています。
雰囲気
Sansan株式会社はミッションに「出会いからイノベーションを生み出す」を掲げているため、全社的にコミュニケーションを活性化するための施策が多く行われています。
事業部内でも部署を横断して交流ができる企画やシャッフルランチなど、日常的なコミュニケーションの機会があります。基本的に任意参加ではあるのですが、参加すると普段オンラインでのコミュニケーションが多い同僚とオフラインのコミュニケーションを取ることができます。
チーム内ではオンラインでのコミュニケーションが大半ですが、困った場合はSlackやZoomで相談ができるため特に問題を感じることがなく仕事を進めることができています。
また全社的にLT会や勉強会が活発に開催されているので、多くの学びの機会があります。勉強会の開催や書籍の購入などに補助が出る社内制度もあり、私もその制度を活用してRubyKaigi 2025へ参加します。RubyKaigiは初参加なのでとても楽しみです。
おわりに
Eightは、歴史あるプロダクトでありながら、常に新しい価値の提供に挑戦しています。
ビジネスインフラとなるサービスを通じて市場に新しい価値を創造することに興味がある方や、歴史あるプロダクトの技術的課題に向き合い成長させていくことにやりがいを感じる方は是非、Eightでの挑戦を検討いただけたらうれしいです。
Sansan技術本部では中途・新卒の方向けにカジュアル面談を実施していているので、気になった方は是非ご検討ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。