こんにちは、Strategic Products Engineering Unit SRE Groupの辻田です。長きにわたる?Google Cloud Next 25シリーズのブログはこれで最後です。
最終回はExpo編です。Expoでは、Google Cloudの最新技術やパートナー企業のプロダクトを実際に体験したり、直接話を聞くことができます。ぜひリアルで体験をしてもらいたいExpoですが、このブログでは少しでも雰囲気をお伝えできればと思います。
Google Cloud Next 25関連の記事はこちらです。(Geminiのおかげで短期間にこれだけの記事を書くことができました。)
【Google Cloud Next 25】ラスベガス出張のパッキングと参加予定セッション - Sansan Tech Blog
【Google Cloud Next 25】GKE編 - Sansan Tech Blog
【Google Cloud Next 25】Firebase Genkitで始めるAIを活用したアプリケーション開発とRAG実装 - Sansan Tech Blog
【Google Cloud Next 25】Gemini Cloud Assistで実現するクラウド運用の効率化 - Sansan Tech Blog
Google Cloud NextのExpoの魅力
技術カンファレンスというと、セッションでの学びに注目しがちですが、Expoにはリアルなプロダクト体験や最新技術のデモ、さらには開発者同士がつながる場が凝縮されています。まさに「未来の現場」を先取りできる空間です。
各ブースには実際に手を動かして試せるデモや、ゲーム形式で楽しめるコンテンツなども用意されており、見て終わりではなく触れて理解する体験をできるのが魅力です。Googleのエンジニアやパートナー企業のエンジニアともその場で話せるため、興味を持った技術について深く掘り下げることができるのも大きなポイントです。
また、圧倒的にAI Agentのソリューションが多く、これからはマルチエージェントの時代なのだとひしひしと感じました。
印象に残った体験
特に印象に残った体験をいくつか紹介します。
Women in tech meetup
これはブースではなく、Expoの一角で行われていたMeetupなのですが、とても良い刺激を受けたので紹介します。
クラウドのエキスパートや学生、テックイノベーターたちが集まり、キャリアや技術についての意見交換を行う場でした。日本でも同じ業界の女性たちと話す機会は少ないので、特に貴重な機会でした。多様なバックグラウンドを持つ参加者たちと直接話し、異なる視点や経験を共有できました。わたしが話した方々は、エンジニアリングやデータサイエンス、プロダクトマネジメントなど、さまざまな分野で活躍しており、自国ではなくアメリカで働いている方も多かったです。
彼女たちのキャリアパスや挑戦を聞くことで、自分自身のキャリアについても考えさせられる良い機会となりました。
Meetupのあとは仲良くなったグループでランチに行き、LinkedInを交換したり、仕事以外の話をしたりと、楽しい時間を過ごしました。Nextでは他にもさまざまなMeetupが開催されているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。
Veo2
Googleの動画生成AI Veo2 のブースで、自分が描いた絵をもとに動画を生成する、という体験ができました。
このモデルは、テキストや画像のプロンプトから高品質な動画を生成できるものです。1つのプロンプトから、画像→構成→動画まで一貫してAIが支援する制作体験ができるのが特徴です。
アーキテクチャは次の通りで、複数のGoogleのAIモデル(Gemini、Imagen3、Veo2など)が協調して働いています。
User Input(ユーザー入力)
- テキストや画像などの「クリエイティブな入力」がCloud Storageにアップロードされる。
Creative Understanding(創造的理解)
- Geminiがマルチモーダル推論をして、Imagenに渡すためのプロンプトや全体設計の理解を担う。
Image Creation(画像生成)
- Imagen3:画像生成を担当。
- Gemini image generation:高度な画像編集。
- Gemini:編集の提案。
- このプロセスの結果として「最終的な画像(Final imagery)」が生成される。
Scene Analysis and Direction(シーン解析と演出)
- Geminiが構図分析を実施し、ユーザーは「Veoに対する演出指示(motion direction)」を入力。
Video Generation(動画生成)
- Veo2が「Final imagery」と「Veo prompt(動画プロンプト)」をもとに、イメージから動画を生成する(Image-to-Video)。
User Interface(ユーザーインターフェース)
- 最終的な動画がAppEngineなどを介してユーザーに提供される。
この構成は、マルチモーダルAIによる共同作業の流れを分かりやすく表現しており、クリエイティブな制作プロセスにおけるAI活用の未来を感じさせるものでした。
わたしの絵心がなさすぎる絵からも、こんなに素敵な動画が生成されました。
Gemini実況のブロックゲーム
お題に沿ったものをブロックで作るゲームがありました。ゲームの進捗をGeminiがリアルタイムに実況してくれます。Geminiの実況はまるで人間のような自然な会話で、進捗や状況を伝えてくれて感動しました。
わたしは最初のブロックの選定に時間をかけすぎて、「本当に時間をかけてますね。」と言われてしまいました。
TPUの展示
Expoでもう1つ圧倒されたのがTPUの実物展示です。輸送などの関係で日本では見られないとのことで、ぜひ現地に行った際は見てほしいです。
TPUはGoogleのAIワークロードに特化したプロセッサで、Geminiの低コストはこのTPUによって実現されています。青い光に照らされた内部と、カラフルな配線がとてもかっこよかったです。
犬とのふれあい
Dialpadのブースでは、なんと子犬たちとふれあうことができました。犬好きなわたしにはまるで天国のような空間で、1日の疲れを癒やしてもらいました。
Dialpadは、AIを活用したクラウド型のビジネスコミュニケーションプラットフォームです。通話、ビデオ会議、メッセージ、コンタクトセンターの機能を統合し、リアルタイムの音声認識と会話分析によって、コミュニケーションの質と生産性を高めてくれます。
まとめ
Expo内はわくわくする体験がたくさんありました。特に、AIやマルチエージェントの未来を肌で感じることができたのは大きな収穫でした。インタラクティブなデモや交流の場は現地参加ならではの貴重な体験でした。
Nextの3日間は学びと感動の連続で、本当に濃い時間を過ごすことができました。この経験をしっかり業務に生かして成果につなげていきたいと思います。そして来年も行けるように頑張ります!