Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

モバイルエンジニアとして技術を広報するためにやったこと

こんにちは! 技術本部 Sansan Engineering Unit Mobile Applicationグループの堀(@horitamon)です。

Sansanでモバイルアプリ(iOS/Android)の開発を主務としている私ですが、2025年は「Sansanのエンジニア組織を世に広める仕事」もしっかりとやっていました。

最初に前提の話をしておくと、Sansanには「技術広報」という役割の人や専任部署があるわけではありません。 そのため基本はエンジニアが軸になって動きつつ、企業ブランディングや人事などの他部署と目標やリソースを共有して、必要に応じていろんな人を巻き込みながらイベントやカンファレンスをつくっています。

この記事では、私個人がモバイルエンジニアの技術広報のためにやったこと、そしてその役割を通して気付いたことや学びを、私目線でまとめていきます。


2025年の取り組み

2025年はざっくり言うと、

  • 勉強会・LT会を継続的に開催する
  • テックカンファレンスにスポンサーとして参加する

の2本立てでした。

他社と勉強会・LT会の共催

2025年は、渋谷サクラステージにある弊社オフィスで実施したものだけで10件開催しました。

実際には、共催した他社さんのオフィスで開催したものもたくさんあります。 それらを含めると、なんと20件超。 たくさんの企業の方とイベントを開催できました。本当にありがとうございます。

これらの運営は常時4人ほどの運営メンバーがいて、私もその1人です。 運営メンバーでは主に下記の役割を担っていました。

  • 開催日程や会場の調整
  • 勉強会やLTのテーマ、集まってほしい人のターゲット設定
  • 当日LTや懇親会に参加してくれる社内エンジニアの募集
  • 当日のスクリーン投影、オンライン配信の準備・操作
  • イベント開催後の振り返り

一方それ以外の部分については、社内の関連部署のみなさんにお願いしてサポートを得ていました。

  • connpassへのイベント公開
  • イベント会場となるオフィス内のエリア確保・予約
  • 来場者のオフィス入場手続き
  • イベント会場の設営
  • 懇親会の飲食物の手配
  • 来場者アンケート設計・集計

こういった部分のサポートが得られていたおかげで、開発業務を圧迫することなく数多くのイベントを開催することができたと思っています。

イベント運営をサポートしてもらうためのワークフローも用意されています

DroidKaigiスポンサーブース出展

例年Sansanは様々なカンファレンスにスポンサーとして参加させていただいてます。今年はiOSDCやKotlin Festといったカンファレンスに並んでDroidKaigiでもブース出展することとなり、私はそのオーナーを担いました。

ブース出展でもオフィスでのイベント開催同様、他部署の方と一緒に運営を進めています。

  • ブース、ノベルティのデザイン設計
  • SNSでの告知
  • Sansanの採用に興味を持ってくれた人の受け入れ設計

こういった要素は関係部署の方にお願いしました。 特にブース展示の設計は毎年「Sansanらしさ」を維持しながら、エンジニアが伝えたい要素が伝わるすばらしいものに仕上げていただいてます。ブランディング部署のデザイナーさんには頭が上がりません…!

一方で、当日ブースで来場者と話すコンテンツの設計・運営はエンジニアが中心となって取り組みました。

今回は来場者とAndroidの技術要素の情報交換をしながら、Sansanがどんな開発をしているのかを現場のエンジニアが伝えられることを目指して、クイズ企画を実施しました。

実際企画を進めてみると、意外とやらないといけないこと・決めないといけないことが多いことに気付き、カンファレンス直前はその用意に追われました…

  • オペレーション設計
    • 来場者にどうやってクイズに回答してもらうか?模範解答は何か?を手伝ってくれるエンジニアに展開するために用意
  • 当日ブースを手伝ってもらうエンジニアのシフト作成
    • 手伝ってくれるエンジニアが見たいセッションを見れるように、希望を聞いたうえで被らないように時間を割り振り

たくさん準備して当日を迎えてもなお、実際来場者の方と話していると改善が必要なことが見つかり、その場で修正したことも多々ありました。

自分でやってみて気付いたこと

「誰に、何を届けたいのか」にフォーカスして企画することが大切

今年多くの企業とイベントを開催し、カンファレンスで他社のブース出展も見ていて、「誰に、何を届けたいのか」をしっかり設計していることに気付きました。

たとえば届けたいものには…

  • どんな企業なのか
    • ノベルティやブースの展示、スポンサーをしている事実そのものから「会社を知ってもらう」
  • どんな事業をしているのか
    • 具体的な事業内容を説明し、プロダクトを触ってもらうことで「事業に興味を持ってもらう」
  • どんな開発をしているのか
    • 技術スタックや開発体制を紹介し、コードレビューを体験してもらうことで「開発業務に興味を持ってもらう」

こういった視点が、それぞれ層に分かれて用意されていました。さらには、

  • 企業イメージの動画放映やノベルティ配布にとどめているところ
  • ソースコードを見れるようにして、技術スタックや開発体制を話せるような体験にしているところ

というように、あらかじめ設定しているターゲットに効果を絞っている企業も多くありました。

全部やりたい気持ちもありますが、全部やるにはリソースの限界がある上、なにより中途半端になる可能性が高くなります。

逆に、最初に「今年のこの場ではこれを届ける」と決めておくと、

  • ブースの見せ方
  • ブースで話す内容
  • カンファレンス以外の企画やイベントへの導線
  • ノベルティの設計

などの細部がちゃんと繋がりますし、このイベントでは誰のリソースや知恵を一番込めるべきか?が見えてきます。

開発業務を知ってもらうフェーズの企画であれば、エンジニアが主体となって企画・設計すべきです。しかし企業を知ってもらうフェーズであれば、人事やコーポレートブランディング等の部署のメンバーの力を得て、イベントやブースに直接来ずとも企業を知ってもらう接点を増やしたほうがいい、ということもあるかもしれません。

今年のSansanのブース設計は、Sansanの事業やプロダクトではなく、開発業務や技術スタックを知ってもらうためのものにしました。 しかしイベントやブースに来てくれた人と話してみると、率直に「Sansanはまだまだ知られてないな」と感じた点も多くありました。

  • 社名を知っている人は多いが、名刺のイメージが先行していて、どんなアプリなのかはほぼ知られてない
  • 技術的な要素はさらに知られてない
  • Eightを作ってるのがSansanということを知らない人もいる

こういった“そもそもSansanを知らない”層にSansanを知ってもらい、興味を持ってもらうためには、それぞれのターゲットに合わせた企画を分けて展開することが大事なのだと思います。

単発で終わらない体験・目標の設計は、マーケティングっぽい

たくさんのイベントを開催したり、ブースを出展したりしたものの、それぞれ1回の企画や目標設定になっていたことも多くありました。

  • 封入物・ブース・イベントそれぞれでどういった人に、何を知ってもらいたいのか
  • その人が次にどこへ進めばいいか

ここまで含めて設計しないと、せっかく来てくれた人が「楽しかった!」で終わってしまう可能性もあります。

また、人を集めたことによって「それがエンジニア採用につながったか」を追うことの難しさも感じました。

毎回イベントやスポンサーを機会に直接採用フローに乗ることを目標にし、そのケースは集計しています。しかしそれ以外で採用フローに乗った人と話してみると、過去にいずれかのイベントで接点があったケースがたくさんあります。

  • 当日ブースに来ていた
  • 以前の共催に参加していた
  • 発表資料を見ていた

などというように、直接採用フローには乗らずとも、接点は点在しています。

こういった点は、マーケティングの観点に近いのかもしれないなと思っています。

スポンサー出展やイベントの単発で企画や目標設定を閉じたり、採用人数という最終目標の数値を追うだけでなく、

  • 一連の広報活動を通してどんな接点が増えたのか?
  • その接点をどこにつなげていきたいのか?

こうした「一連の候補者の流れ」を追うことが大切なのだと気付きました。

おわりに

2025年はイベントもたくさん開催し、スポンサーのオーナーもやって…と、開発業務をしながらここまで運営するのは、正直なところなかなか大変でした。

やってみて分かったのは、技術広報は派手な一発を当てる仕事というより、地道に仕組みを作っていく仕事だということでした。

来年は、今年やったことをベースに、

  • “何を届けたいのか”の設計精度を上げる
  • 効果測定の手がかりを増やす

あたりをもう一段進めたいと思います。

読んでくれた方、今年イベントで話した方、共催してくれた方、ブースを手伝ってくれた方、本当にありがとうございました。

来年もどこかでお会いできることを楽しみにしています!

© Sansan, Inc.