Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

AI駆動開発でContract Oneをビジネスインフラへ。「やり切った」の先にある新たな挑戦


キャリアは、選択の積み重ねでできています。
どんな経験を経て、なぜSansanを選び、いまどんな挑戦に向き合っているのか。
「Sansan 3 Stories」では、これまでの歩みと、実際にSansanで働いて感じたこと、そしてこれからの挑戦を「過去・現在・未来」の3つのストーリーでお届けします。

今回のインタビューでは、外資系企業やスタートアップで数々の開発組織をけん引し、現在は「Contract One」でAIを活用した開発の最前線に立つのペトラスに話を聞きました。


ペトロ ペトラス / Petras Petroškevičius
Contract One Engineering Unit
日本でデータベースマーケティング企業を共同創業し、CTO兼取締役として電通へ売却後、日本最大の携帯電話保険代理店のエンジニアリングチームとシステムをゼロから構築。外資系大手生命保険会社のアーキテクチャの近代化や、手書きAI-OCRクラウドサービスのR&D、地図広告配信プラットフォーム構築とエンジニアリング組織立ち上げをリードした。
2026年にSansan株式会社に入社。AIを活用した契約管理プロダクトの設計・開発に携わりながら、エンジニアリング組織のマネジメントも担っている。

Story 1 過去|「やり切った」の先へ。次の挑戦を求め続けたキャリア

──これまでのキャリアについて教えてください。

ペトラス:元々はリトアニア出身で、大学では物理学を専攻していました。
当時、日本の半導体技術は世界的にも有名で「日本語を覚えれば、日本の技術論文や特許を直接読めるようになるかもしれない」と思ったのが日本語を学び始めたきっかけです。

大学を卒業する頃に日本で仕事が決まり、そこから20年以上日本で働いています。

来日した時はちょうどインターネットブームで、自分で会社を立ち上げてデータベースマーケティングの事業を行い、最終的には事業売却も経験しました。

その後は、外資系生命保険会社でアーキテクチャチームを立ち上げたり、100億円規模のシステム刷新プロジェクトに携わりました。

また、大手通信キャリア向けの携帯電話の保証サービスの事業にも携わり、日本市場向けにエンジニアリング組織もシステムもゼロから作り、最終的には数千万人規模のお客さまに利用いただくサービスへと成長しました。その中で100名規模の組織づくりやCTOも経験しています。

その後も、AI-OCRクラウドサービスのR&Dヘッドを務めたり、直近では地図広告プラットフォームの構築やエンジニアリング組織立ち上げにも関わったりと、常に新しい技術と事業に向き合ってきました。

──さまざまな経験を積まれてきた中で、転職を考えるタイミングには共通点があるのでしょうか。

ペトラス:「やり切った」と感じたタイミングですね。

事業が大きく成長して、自分の中でもある程度やるべきことをやり切ったと感じると、「次はどんな挑戦をしようか」と自然に考えるようになります。

たとえば、携帯電話の保証サービスの事業では、最終的に全国規模まで成長しました。そこまでいくと、新しい挑戦が必要になる。常に、「次にどんな課題へ向き合うか」を考えてきた気がします。

──数ある選択肢の中で、なぜSansanを選んだのでしょうか?

ペトラス:会社を選ぶときに、私が大事にしていることは3つありました。

1つ目は、自社プロダクトを作っていること。業務課題に対して、自らプロダクトを開発して解決しようとしている会社に魅力を感じていました。

2つ目は、最新技術を積極的に取り入れていること。エンジニアにとって、新しい技術を使える環境はとても重要です。

そして3つ目が、エンジニアリングに本気で投資している会社であること。Sansanは、採用も含めて技術への投資が非常に強く、成長に対する強い意思を感じました。

AIの波が本格的に来たタイミングで、これまで自分が経験してきた「スタートアップでのスピード感」「大規模システムの厳格さ」「AIを活用した開発」、これらを生かせる場所を探していたんです。

そんな中でContract Oneに出会い、すぐに興味を持ちました。
単に契約書を管理するためのツールではなく、AIを活用しながら契約データを横断的につなぎ、企業活動における「Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)」になろうとしている。その思想に強く惹かれました。

さらに、経営陣やContract Oneのメンバーと話した時に、昔スタートアップを立ち上げていた頃と同じ熱量を感じたんです。「テクノロジーでビジネスを変えたい」という強い意思がある。そこも、Sansanを選んだ大きな理由でした。

Story 2 現在|AIで開発サイクルを最速化。変わり始めたエンジニアの役割

──現在、どのようなプロダクトや課題に向き合っていますか?

ペトラス:現在、全社の契約書をデータ化し、一元管理できる「Contract One」というプロダクトのエンジニアリングチームを率いています。Contract Oneは、すでにARR(Annual Recurring Revenue/年間経常収益)10億円を突破した急成長中のサービスです。

プロダクト紹介資料より

私たちは今、AI時代を見据えた検索機能やAIチャット、さらには、AIエージェントが自律的に契約データへアクセスし、活用できるようにするための「MCP」の開発も進めています。

また、「何を作るか」だけでなく、「どうやって作るか」というテーマにも向き合っています。AIの最新手法を活用しながら、いかに開発サイクルを最速で回していくか。ここが今、大きなテーマです。


──最速で開発サイクルを回すために、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

ペトラス:Contract Oneではすでに、ビジネスサイドとエンジニアの境界線がなくなってきています。

プロダクトマネジャーがAIツールを使って、「UI変更」や「簡単な機能変更」などの機能開発ができるようになっています。 一方で、エンジニアもAIを活用してプロダクトの利用状況などを分析し、自ら新しい機能の起案を行うことが当たり前になってきています。

こうした動きを可能にしているのが、自社開発した独自のAI駆動開発のプロセスとツール群です。AIを用いて膨大なコンテキストを収集し、コード生成まで含めて開発サイクルを高速化する取り組みを進めています。

しかし、ただ早く開発するだけでは品質やセキュリティーのリスクが高まります。
そこで、これらを「安全に」実現するために、開発プロセス全体を8つのフェーズに分解し、それぞれのフェーズについてプロセス、ツール、基準、リスクレベル、成熟度モデルを定義しています。

開発プロセスについては、こちらのTech Blogでも紹介しています。
buildersbox.corp-sansan.com

これにより、プロダクトの課題発見やアイデアの起案から、実装、運用検知までの一連の流れを「誰でも進められる仕組み」にしています。重要なのは、開発プロセスの中からいかに人間の介在を減らし、AIを活用して高速に回せるかです。

そうすることで、アイデアからリリースまでの時間を大幅に短縮できるようになっています。

──AIがあることで、ペトラスさん自身の働き方やモチベーションに変化はありましたか?

ペトラス: 以前は、身につけた技術を使って勝負していました。
でも今は、それがかなり簡単になり、自分で作れる生産量が圧倒的に増えました。

エンジニアって、やっぱり作ったものが動いていることを見るのが一番楽しいんです。
今は作ろうと思えばほとんどのものが作れちゃうので、自分のキャリアの中でも今が一番楽しい、一番ハッピーな時期ですね。


Story 3 未来|AI時代のビジネスインフラをつくる、新たな挑戦

──今後、Sansanでどんなことにチャレンジしていきたいですか?

ペトラス: Contract Oneを、企業の利益を守る「AI契約データベース」としてさらに進化させていきたいと考えています。

これまで人が契約書を読んで、確認して、管理していたものを、今後はAIエージェントが人に代わってやっていくことになるでしょう。

ほとんどの企業の既存のシステムが「人間が使うこと」を前提に作られていて、AIエージェントがそのまま使える状態になっていません。そこに大きなビジネスの可能性があると考えています。
契約のライフサイクル全体をAIエージェントが理解し、人間の代わりに仕事をこなす世界を目指したいと考えています。

今はどの会社も同じようなツールやAIモデルを使える時代です。市場調査をしてビジネスアイデアを出して、同じようなスピードで開発することができますが、だからこそ最終的に重要になるのは「データ」だと思っています。

Sansanの強みは、企業・組織・個人のデータに加え、Bill Oneの請求・発注データ、そしてContract Oneの契約データまでを扱っていることです。企業の一連のビジネスの流れを掴めることは、他社に真似できないSansanの強みだと考えています。

Sansan全体のデータ基盤を生かした横断的なプラットフォームとして価値を出していきたいですね。


──最後に、今後どんな人と一緒に働きたいですか?

ペトラス:最新技術をキャッチアップしていることはもちろんですが、AIをはじめ、フロントエンド、バックエンド、インフラまで幅広く興味を持ち、ユーザーの課題を自ら考えながらプロダクトを作れる人と一緒に働きたいですね。

今のContract Oneでは、エンジニアも単に実装するだけではなく、プロダクトの企画や課題整理にも深く入り込んでいます。実際に、まだ詳細化されていないアイデアを、週単位でエピックとして形にしていくような動き方も増えています。

このように、エンジニアもただ作るだけでなくプロダクトマネジャーの領域に踏み込んでおり、両者の境界線はどんどんなくなってきています。
おそらく半年も経つと、もう完全に同じチームになっていると思いますね。

新しい技術を使いこなし、AI駆動開発のプロセスを確立しながら、ユーザーの課題の本質に向き合っていく。そして、次世代のビジネスインフラを共につくり、業務とエンジニアリングの未来を変えていきたいと思っています。
今のSansanは、本当に可能性の最前線にいます。


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