Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

Engineering Team Presentation 第三弾「各社の事業を支えるインフラストラクチャ―」を開催しました

こんにちは、技術本部 Engineering Management部 技術ブランディンググループの相場です。7月に組織改編があり、所属名称が変わりましたが、これまでと変わらず(これまで以上に)、Sansanの技術関連について発信していきます!

今回は先日開催した「Engineering Team Presentation 〜各社の事業を支えるインフラストラクチャ―〜」のイベントレポートをお届けしたいと思います。
sansan.connpass.com

ご好評いただいた第一弾「各社の事業を支えるアーキテクチャ」、第二弾「各社のサービス品質を支えるベストプラクティス」に続き、今回はZOZOテクノロジーズ、DeNA、マネーフォワード とSansanの4社からエンジニアが集まり、各社の事業特性に応じて発生するインフラにおける課題と、その解決方法を発表しました。

発表1:『ZOZOTOWNにおけるインフラの最適化』

株式会社ZOZOテクノロジーズ EC基盤本部 SRE部 ZOZOSREチーム
リーダー 渡邉 宣彦氏

2004年のサービス開始以降、アーキテクチャを変えずに規模を拡大してきたZOZOTOWNのインフラ最適化の取り組みを紹介。2017年まではオンプレミスで運用を行なってきたが、大規模セールのたびにアクセスが集中するなど、スケールアウトしづらいといった課題があった。まずは第1フェーズとして、参照系ワークロードからクラウドへと移行を開始していったが、抜本的なアーキテクチャの改善に向けて、2020年からクラウド移行第2フェーズに着手。移行方針や組織が整備され、リプレイスおよびマイクロサービス化に取り組んでいる。最適化を進める上では、目的を共有し、チームとして成熟して初めて組織がスケールしていく。

発表2:『大規模ゲームタイトルのIaaSコストマネジメントへの技術アプローチについて』

株式会社ディー・エヌ・エー システム本部 IT統括部 IT基盤部 第四グループ
グループリーダー 天野 知樹氏

AWS Summit Online 2021の基調講演にて南場会長より発表されたDeNAのクラウド移行に関する技術アプローチを紹介。移行前の試算では、AWS定価の50%でこれまでのオンプレミスのコストと同等であるとの算出であった。このため、全移行前に既にクラウドで動いているサービスを用いて、以下の観点からコスト50%にできるかの検証を行なった。
①スポットプールを多数使用し、落ちるタイミングを分散させるなどステートレスサーバーにスポットインスタンスを活用
②1秒単位でCPU使用率を取得し、急激な負荷増加に対して即座に対応するなどの独自のAutoScaling技術
③MySQLでオンラインのままShard統合を実施するなどでSharding調整

発表3:『事業の根幹を担うデータ化システムのインフラのこれまでとこれから』

Sansan株式会社  技術本部 サービス開発部 Infrastructure グループ
藤田 斉

Sansan/Eight/Bill One といったサービスの裏側を支える、データ統括組織「DSOC」のインフラグループが取り組んできた施策を紹介。元々データのアーカイブ先として利用していた Amazon CloudSearch は、クリティカルなユースケースが増えたため Amazon Elasticsearch Service へ移行した(コストは1/3に)。名刺データ化システムでは、運用負荷を減らすため、ワーカーをコンテナ化し、オートスケーリングを実現した。コンテナ管理は EKSではなくECSを、データプレーンはFargateではなくEC2を選定した。
※詳細はこちらのブログもあわせてご覧ください。
名刺データ化システムをECSに移行した - Sansan Builders Blog


発表4:『組織と事業の急拡大に立ち向かうためのマルチテナント Amazon EKS クラスタ/マルチアカウントアーキテクチャ』

株式会社マネーフォワード ホームカンパニー
カンパニーCTO 小笠原 純也氏

2012年の創業当初からオンプレミスで運用していたが、提供サービスの増加と開発組織の拡大にともない行ったインフラ整備について紹介。数十のサービスを1つのインフラチームで運用していたため、チームの負荷が増え、開発のボトルネックになることが多くなった。そこで、Docker+Kubernetes+AWS を活用し、サービスチームにインフラレイヤの権限を委譲していった。一方、密結合なアーキテクチャでのサービスチームの分離には、マルチテナント Amazon EKS 、マルチアカウントを選択し、サービスチームはより自由に動ける環境を作り、開発プロセスにインフラチームが関与しなくても良い仕組みができつつある。

さいごに

各社の発表の後には、登壇いただいた皆さんと参加者からのQ&A Sessionを行いました。オンプレミスからクラウドへの移行に関連したコスト、セキュリティ、教育や必要なスキルという部分に関心が多く集まりました。


本レポートではイベント全体を簡単にまとめましたが、詳しいレポートは Builders Box の会員専用サイトで8月末ごろに公開予定です。また8/25には『達人プログラマー』の著者、Dave Thomas氏が登壇するイベントをBuilders Box会員向けに開催します。ぜひ下記からご登録の上、ご覧いただければと思います。
bit.ly

ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた企業の皆さま、ありがとうございました。
また次回のイベントもお楽しみに!


第一弾のイベントレポートはこちら
buildersbox.corp-sansan.com

第二弾のイベントレポートはこちら
buildersbox.corp-sansan.com

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