みなさんこんにちは。プロダクト戦略開発室の佐藤です。今回は私が取り組んでいるプロジェクトの一つであるBizFaceについてお話したいと思います。
要約すると、ビジネスシーンにおいて顔写真は想像以上に価値があるということをお話します。Business + Face = BizFace です。
なぜやるのか
顔は浮かんでるけど名前が出てこない経験ってありませんか?取引先相手や、社内で新しく入ってきたメンバーなど、誰もが経験していることだと思います。
人の名前を覚えるには、言葉を記憶する左脳の一部を利用しており、名前以外にもたくさんの言葉を記憶する必要があるため覚えることができる数に限界があります。しかし、顔を覚える右脳の部位の記憶量は膨大であり、ほぼ無限に顔のイメージは記憶できるようです。
コロナウイルスによる影響で、オンライン商談やチャットツールでのコミュニケーションが増えてきた中、他者の顔がわからない状況がますます増えてきています。
マスク姿の商談相手、カメラをオフにする参加者、イラストや風景をSlackのアイコンに設定する社内メンバー...これらを否定するわけではないのですが、コミュニケーションを取る相手の重要な情報が欠落しているという状況は理解して頂けると思います。
BizFaceはビジネスパーソンに向けて顔写真の重要性を認識させ、その価値を具現化するためのプロジェクトです。本ブログもこの啓発活動の一環になればと思います。
どのように実現するのか
まず、Sansanにはオンライン名刺という機能があります。オンライン名刺機能を使えば、オンラインで名刺交換を行う際に名刺情報に加えて、自身で設定した顔写真アイコンも送受信することができます。
しかし、オンライン名刺のアイコン設定率は決して高いとは言えません。顔写真の重要性を認識してない故、このような現状になっているのだと思います。
しかしながら顔写真の設定有無に関する面白いデータがあります。顔写真を設定している人はそうでない人に比べ、2.5倍ほど名刺を送り返してもらえる確率が高いという結果が出ています。名刺の送り返し率に悩んでいるユーザさんがいましたら、是非顔写真を設定してみてください。
プロダクト目線でも顔写真を設定してもらうための取り組みを行なっています。直近では大きく分けて以下の2つの施策に取り組んでいます。
1. アイコン未設定のユーザに対し、顔写真を設定してもらう
2. アイコン設定済みのユーザに対し、適切な顔写真を設定してもらう
まずはアイコン未設定のユーザに対しての施策についてです。彼らには顔写真を設定すると相手に記憶してもらえることを訴求するようなポップアップを表示し、設定を促しました。今までも「顔写真を設定しましょう」というようなポップアップは出していたのですが、価値を訴求するものに差し替えることで、設定率が2.6倍増加しました。
次に、アイコン設定済みのユーザに対しての施策についてです。アイコン写真自体は設定しているものの、風景やペットなど、自身の顔写真ではないものを設定している人や、顔が小さすぎて認識できなかったり、見切れていたりする写真を設定する人も多いです。彼らに対しては、顔写真を分析するAPIを作成して、適切ではない写真に対してワーニングするといった施策を実施する予定です(現在開発中)。
APIを使って何を分析するのかというと、これも大きく以下の2パターンあります。
1. そもそも顔がちゃんと写っているのか
2. 相手にとって印象の良い写真になっているか
1.については先述したように、風景やペットであったり、顔が一部しか写っていないような写真を判定します。これに対しては強めに写真の変更を促します。
2.についてはアンケート調査を実施して、印象が良い写真の特徴は何かを洗い出しました。例えば同一人物で笑顔の写真と真剣な表情の写真を見比べて、どちらが好印象かを伺ったところ、笑顔の写真の方が圧倒的に印象が良いことがわかりました。他にも様々な要素について調査し、印象の良い写真を分析できるようにしました。これに対しては1.とは違い、写真の変更を促すというよりは、ワンポイントアドバイスのようなインタフェースで実装する予定です。
これからの展望
Sansanと同じように、アイコンの設定率を上げたい・適切な顔写真を設定してほしいと考える企業はたくさんあると思います。また、ユーザ目線から見ても相手の顔をはっきりと認識できるツールの方が利便性が高まります。
社内で得たナレッジを外部にも提供し、顔写真のプレゼンスが上がっていくような取り組みをこれからも続けていきたいと思います。