Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

一人目QAの始め方

はじめまして。
技術本部 Quality Assuaranceグループの岡山です。QAグループとして新たにBill Oneに参画しました。そこで今回は「一人目QAの始め方」についてお話をしたいと思います。

一人目QAとして入ることになったきっかけ

今まではQAグループとしては、プロパーの数の問題もあり、Sansan(PC)、Sansan(mobile)、Data Hub、Eightの4つのプロダクトに参画し、プロダクトの品質を高める活動をしてきましたが、Bill Oneの開発側の体制が大幅に拡大することに伴い、メンバーの増員に耐えうる品質保証体制の確保が急務となり、QAも参画する運びとなりました。

一人目QAとして考えたこと

はじめに開発側にプロダクトが抱えている課題感やAsIsとToBeのチーム体制についてヒアリングしました。
ヒアリング結果として上がってきた解決すべき課題は以下のとおりです。
※全量は記載しきれないため、一部抜粋しています。

  • 開発側の体制が30名から50名に拡大する
  • 仕様書に細かいところまで記載できるようにしたい
  • E2Eテストの自動化を行いたい
  • 今後、開発者が特定の仕様のみに詳しくなる傾向が予想される(担当以外の機能への影響範囲を考慮した連携が必要)
  • テスト手法の統一
  • 障害の蓄積と重み付けの実施
  • 開発者への品質意識を高めていきたい

上記の着手に当たり、重み付けをして対応していくとしても、まず人がいないと始まらないと考え、協力者を募ることにしました。

協力者の募集

今回の体制構築に当たっては、外部のパートナーさんに協力いただくことにしました。
以下の流れでコンペを行い、パートナー選定を進めました。

  1. Bill Oneの現状と課題の共有
  2. 共有内容に対する質問会の実施
  3. 各ベンダーからの提案MTGの開催
  4. 提案内容に対して評価軸を設け、提案内容を分類
  5. 提案結果を元にしたチーム内相談

それぞれ進めていく上で、ベンダーによって雰囲気が違い、勉強になりました。
私が実際の業務でも同様に生かしていきたいなと思った動きとしては以下です。

  • 質問会の前にヒアリングシートを用意し送付する
  • 提案MTGを複数回行い、現場との温度感を合わせようとする

他にも提案内容には以下のような対応の違いが見受けられました。

  • プロセス作りとテスト設計実行をほぼ並行して行う / 最初数カ月かけてプロセスを固めた後にテスト設計・実行に入る
  • プロダクト内のチームに最初から数名張り付いてQA対応をする / スモールスタートから、だんだん拡大していく
  • ロール分けがカッチリ行われ、決められた作業をバリバリ進める / 少し難しそうな部分もロールには捕らわれすぎず一緒に考える

そこで、我々としてはベンダーの評価軸を「立ち上がり速度」「コスト」「柔軟性」「提案内容の現実性」「社内バックアップ体制」の5軸で考え、選定を行いました。
それぞれの詳細については以下の通りです。

  • 立ち上がり速度:どれくらいのスピードでキャッチアップを行うか。「スモールスタートから始める」or「最初から各チームに入る」といった部分や「まずはプロセスの明確化&体制構築を行い、次にテスト設計&テスト実行をする」or「プロセス明確化&体制構築とテスト設計&テスト実行を並行してする」といった部分も考慮。
  • コスト:各ロールの単価がいくらか。体制全体のコストも加味。
  • 柔軟性:過剰にロールが細分化されておらず、状況に応じて臨機応変にメンバーが対応できるか。
  • 提案内容の現実性:(経験則から考えて)提案内容が現実的か。
  • 社内バックアップ体制:入場メンバーが壁にぶち当たったときに社内からのフォローを取りやすい体制か。

まとめ

コンペにおいては各社の特色が伺え、興味深い経験をさせていただきました。
今回はBill Oneに合いそうかという部分を中心に、先に記載した5つの軸で比較し、開発も含め、社内でも何回も検討を行って確定させました。
プロダクトに合ったパートナー選定を行うことで作業の進めやすさなどが変わってくるので、認識のすり合わせを十分に行い、慎重に進めることが大事だと思います。
次回は「QA参画後に取り組んだこと」についてお伝えさせていただく予定です。

© Sansan, Inc.