Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

【Sansan Tech Meetup】インフラエンジニアが考えるプロダクトと組織を開催しました。

こんにちは、Sansan Tech Blog 編集部です。

7/20 (木) にイベント「【Sansan Tech Meetup】インフラエンジニアが考えるプロダクトと組織」を開催しました。今回は、その登壇内容を簡単にご紹介します。
sansan.connpass.com

本レポートではイベント全体を簡単にまとめていますが、アーカイブ動画も公開していますので、実際の様子やAsk the speakersの模様は映像でもお楽しみいただけます。


www.youtube.com

発表1:『名刺データ化システムの前処理サービスをリプレイスしてモダナイズした』

技術本部 Digitization部 Infrastructureグループ 福田 隆誠

speakerdeck.com


福田が約1年半前に携わったプロジェクトで、名刺をデータ化する際に画像の補正処理を行うシステムのリプレイスについて発表。補正工程における失敗時の問題特定やリカバリの複雑さ、ライフタイムの長いEC2インスタンスのメンテナンスにかかるコスト、コード化されていないインフラなど多くの課題を抱えていた。これらを解決すべく、マネージドサービスを最大限活用する方針を立てた。SQSやSNSを用いたワークフローの構築により処理失敗検知を容易にし、Fargate上で稼働するコンテナ化によってアプリケーション基盤のライフサイクルを短くし、TerraformによるIaCにより管理効率を向上させた。

発表2:『Eight における SLO の策定と浸透』

技術本部 Eight Engineering Unit Infraグループ 中鉢 雅樹

speakerdeck.com


キャリアプロフィール「Eight」におけるインフラチーム体制の変化や、SLO策定の流れについて発表。人員の増加に伴い、属人化を減らすためにインフラの指標をできる限り定量化しようと考え、SLOの策定が始まった。まずはSRE本の輪読会によるインプットから進め、チーム内での議論を通してやるべきことを明確にした。その後運用を開始し、週次のチーム定例にて振り返りを実施していく中で、SLO自体の未熟さや、インフラ以外のチームにSLOの指標が重要視されないという課題にぶつかった。この状況を改善するため、SLOを用いた"信頼性"の評価という文化の浸透をすすめており、CUJ (Critical User Journey) などのユーザ観点が足りないなど、まだまだ課題は多いが、開発チームや事業部全体への周知を強化し、SLOを意識するという文化が根付いてきている。

発表3:『Windows高速起動というAWS EC2の謎機能が意外と役に立った』

技術本部 Sansan Engineering Unit Infrastructureグループ 落合 秀俊

speakerdeck.com


Windowsの起動速度の最適化によるメリットについて発表。営業DXサービス「Sansan」はデータ量が多く、AWSの便利なマネージドサービスを積極的に活用するには高コストになってしまったり、特殊なパフォーマンス要件に合わないケースがあるため取捨選択をしながら日々活用している。APサーバとしてWindows Server(EC2)を使用しており、Auto Scaling環境でCodeDeployのBlue/Green Deployを利用しているため、アプリケーションデプロイの度に新規でEC2が起動される。デプロイの度にOSの初期化から実行されるため、Windowsの高速起動によりデプロイ時間やインスタンス障害発生時の復旧時間の短縮につながる。起動高速化のために、Windows OSに対して初期化処理(固有情報をもたせた状態)のEBSを予め作成し、スナップショットを作成した上でTerminateするという泥臭いことが行われている。結果として、起動時間は2分弱短縮できた。

さいごに

各自の発表の後には、Ask the speakersを行いました。時間内で回答しきれないほど、たくさんの質問をいただきました。
また、現地参加の方限定で実施した懇親会では、登壇したメンバー以外の社員も含めて知見を共有し合うことができ、有意義な時間となりました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
また次回のイベントもお楽しみに!

© Sansan, Inc.