技術本部Mobile Application Group Eight Androidチームの山本です。今回は雑談が苦手な自分がどう1on1を行ったかという話をします。
自分は雑談が苦手です。目的があって話すことは問題ないのですが、雑談自体が目的化している場が苦手です。
自分がチームリーダーになった後も、メンバーとの1on1はマネジャーにお願いしていました。しかしマネジャーが育休を取得することになり、その期間中は自分が1on1を担当することになりました。この時、自分が採ったやり方について紹介します。
1on1はいろいろなやり方があり、自分の採った方法は推奨されないやり方とされている場合もあります。あくまでこういうやり方もあるという認識でお願いします。
1on1の目的
1on1の目的ですが、今回は「メンバーが1on1という形でしか話せない問題を拾い上げて解決方法を考える」ことにしました。
メンバー個人が達成したい目標に対する、マネジャーとしての成長支援は、別途チーム内で行っている公開のミーティングが既にあるので、1on1には含めないこととしました。
アイスブレイク
雑談が苦手な場合に問題になるのがアイスブレイクです。自身がマネジャーと1on1をする場合も話題を振られた際に、「特に思いつかないですね...」となることは少なからずありました。
アイスブレイクを行わないことも検討しましたが、1on1の目的であるヒアリングを円滑に行うための手段として自分も行うべきと判断しました。
話題に困らないためにアイスブレイクで話す話題を全員同じ話題とし、それを事前に公開するようにしました。その場で振られても話せないですが、事前に話題がわかっていれば準備できます。
話題の例としては次のようなものです。全員が答えやすい具体的な質問を意識しています。
- GWに何をしていたか
- 仕事道具でこだわっているもの
- 好きな魚
サクセスログ
これはマネジャーの質問項目を引き継いだものです。前回の1on1から今回の1on1までの間で、自身が頑張った、達成したと思うことについて話してもらいます。
目的はまず成果の確認という意味があります。弊社では四半期ごとに評価があるのですが、その際にここで挙げたことから思い出せます。
また成功というのは何らかの困難があり、それを乗り越えたから成功した感覚があるものです。ここから逆に、本人が問題と考えていることを拾い出すことができます。
ネガティブログ
これは今回新たに導入しました。前回の1on1から今回の1on1までの間で、つらかった、納得いかない、イラッとしたなど、ネガティブな感情になったことを話してもらいます。
目的はネガティブな感情を抱いたということは何らかの問題があったということなので、それを拾い上げて共感し、一緒に解決策を考えることです。
「問題を相談してください」という形になると、問題の明確化が必要なので、単にネガティブな感情を抱いたことをそのまま挙げてもらいます。
全員が参加する振り返りにも同じ面がありますが、全員にネガティブな感情をそのまま伝えることは難しい部分があると思います。その意味で1on1でも聞くことは意味があると思いました。
業務の質問
上記のサクセスログ、ネガティブログだけだと、前回の振り返りから今回の振り返りまでの期間の話しかできないので、もう少し長期的な課題についてヒアリングするための質問です。
こちらも基本的には全員共通の質問で、事前に公開します。メンバーによっては別途個人に合わせた話をするので、この話をしない場合もあります。
話題の例としては次のようなものです。
- 1年後にやりたい仕事はあるか
- OKRの運用についてどう思うか
- 技術系の情報収集手段
最近やったタスクを思い出す
上記のうちサクセスログ、ネガティブログは前回の1on1から今回の1on1までの期間にやったことを対象とします。1on1は基本的に2週間ごとに行っていますが、何をやって何が問題だったかは思い出せないこともあります。
我々のチームではNotionでタスク管理をしています。タスクの状態としては「未着手」「Todo」「着手中」「レビュー中」「完了」の5つの状態があります。このうち「着手中」「レビュー中」「完了」になった時刻をオートメーションで記録し、そこから実装時間、レビュー時間、総作業時間を計算するようにしています。
このタスクを担当者で絞り込んだビューを各自の1on1のNotionページに用意し、直近でどのようなタスクがあって、何に時間がかかったかをわかるようにしています。
似たことはプルリクでもできるのですが、プルリクの場合はプルリクを作成しない調査タスクのようなものは含まれません。そのためNotionのタスクの方が実態に沿った振り返りができると考えています。
結果
半年間この形で運用してきましたが、「1on1」という形でしか話せない問題を拾い上げて解決方法を考える”という目的は達成しているのではないかと考えています。
ネガティブログは自分が1on1を開始した当初はありませんでした。1カ月1on1を運用してみて、「何か話したいことはありますか?」と聞く形式だと、問題点を積極的に話してくれる人と、そうでない人に差があることがわかりました。
ネガティブログという形式によって、自分からも問題点を聞きやすくなったと思いますし、メンバーに聞いてもこの形式のほうが話しやすいという意見があったので、一定効果はあったのではないかと考えています。
またアイスブレイクや業務の質問の話題を基本全員同じにして事前に公開しておくことで、話もしやすくなりました。
1on1をやる前に懸念していたのは10分くらいで話がなくなって、「どうしよう」みたいな雰囲気になることだったのですが、そのような状態になることはありませんでした。
まだ改善する余地もありそうですが、この形で一旦続けていこうと考えています。
共にSansan / Eightのモバイルアプリ開発していく仲間を募集中です!
選考評価なしで現場のエンジニアのリアルな声が聞けるカジュアル面談もあるので、ご興味ありましたらぜひ面談だけでもお越しいただけたら幸いです!