Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

Sansan の技術ブログを始めます

2018 年 6 月から Sansan の CTO に就任した藤倉です。

CTO としてやるべきことはたくさんありますが、その中でもブログの開設というのは優先的にやりたいと思っていたことの一つでした。このブログでは Sansan 社内で日々取り組んでいる開発技術や UI/UX デザイン、プロダクトマネジメント、研究開発などにまつわる内容を発信していきます。

記念すべき最初の記事ということで、このブログを始めた経緯について紹介したいと思います。

発信の場を作りたい

プロダクト開発に携わる身として、社内のエンジニアやクリエイターが行なっていることを発信する場を作りたいと思いました。開発中にハマった問題を解決できたこととか、研究開発で悶々と悩んでいたことが頭の中で整理された瞬間とか、社内で行われている読書会や勉強会の内容なども記事にできるとよいと考えています。プロダクトマネージャや UX デザイナ、エンジニアが一丸となっているプロダクト開発チームの様子を伝えることができるのも良さそうです。

社内でも特にエンジニアのメンバーからは以前より要望の声が上がっていました。なぜ Sansan には技術ブログがないのか、と。プロダクト開発に向き合う会社として、このようなブログを持つことは当然のこととも思えます。また、Sansan の選考を受けてくださる新卒や中途入社の方々から聞かれることもあります。やはり、エンジニアやクリエイターは、入社するかもしれない会社のメンバーがどんなことをしているのか、どんなレベルが求められるのかを知ることが、会社を選ぶためには非常に重要な情報です。

つまり、Sansan としてブログを持つことは必然なのです。しかしながら、これまではブログを立ち上げることに慎重になっていました。

ブログの継続は難しい

実は、Sansan もかつて技術ブログに取り組んだことがありました。ただし、当時は残念ながら継続することができなかったのです。世の中にはブログを当たり前のように書き続けられる人や会社があって(そういう人たちは本当に才能があると思います)、そのような方々から見ると継続が難しい理由が理解できなかったりするのだろうと想像しますが、難しいものは難しいのです。たとえ自分たちが書きたいと思っていたとしても、です。開設しても記事の公開が長期間滞ってしまったり、すぐに閉鎖したりはしたくなかったので、ブログを再開するときにはきちんと考えてから走り出すべきだと思っていました。

ブログの継続が難しいのは、ネタの問題と仕組みの問題にあるのではないかという仮説を個人的には持っています。世の中にはたくさんの優れたブログ記事があります。そのような質の高いものに触れていると、自分がブログを書くときにも同じくらい優れたものにしなければならないというプレッシャーを感じます。また、自分の担当する業務がプロダクト開発である場合には、いわゆる技術開発のような明らかな先進性や独自性を持たないことがあり、果たして世の中の人にとって意味のある内容がかけるのだろうかという不安をもつことがあります。

これらのプレッシャーや不安のようなものがブログの継続を難しくするのではないかと思うのです。

かつての Sansan においては、事業の立ち上げ直後であったということもあり、これらの課題を解決するよりもプロダクト開発の本業に向き合うことが重要だったということもあったと思います。ブログを作りたい、自分たちの成果を発信したいという気持ちがあっても、その前にまずは事業を成長させなければならないというエンジニアの強い使命感が、当時のブログの継続を難しくしていたと振り返っています。

知の共有

プレッシャーや不安はあるものの、やはりブログを開設するべきだと思った理由は知の共有です。我々は毎日の仕事のために学習をしたり、調べ物をしたりして、多くの情報から恩恵を受けています。その恩恵によって我々の事業も少なからず成長してきました。これからは、情報を一方的に消費するだけではなく、自らも共有していきたい、するべきだと思うのです。Sansan としてブログを開設する意義があるのであれば、会社としてそれをサポートする方法を考えて、実現していくべきです。そういう文化を作っていくのも CTO としての私の役割の一つだと思っています。

ネタの問題については、社内で協力できる体制を作ることで解消していきます。幸いにして我々には相互レビューの文化があります。エンジニアの設計やコーディングは当然のことながら、デザイナやプロダクトマネージャも日々お互いの成果物に対してレビューをし、チームとしてプロダクトの質を高める努力をしています。この文化があれば、書こうと思う内容を同僚にレビューしてもらいながら質を上げることができます。また、社内では毎日のように読書会や LT 大会のようなものが行われていますし、社内外の勉強会に参加する機会も多くあります。その度に得た気づきや学び、体系立てた知識を拾い上げていけば、継続するための仕組みもできるはずです。さらには、エンジニアやクリエイター自身が書き手となる記事に加えて、社内でのインタビュー記事も織り交ぜ、皆の負担を減らしながらブログを継続していきます。

Sansan は技術を使って世の中を変えていこうとしています。そのために行なっている取り組みや培ってきたものを発信し続けられる場にしていきたいと思います。社内の皆で Sansan らしいブログを作れれば最高です。

ブログへの取り組みは始まったばかりです。続けていく中で新たな発見があれば、また記事にしていきたいと思います。何事も挑戦しなければ前には進めません。振り返りをしながら、よりよいものにつなげていきたいと思います。

© Sansan, Inc.