自己紹介
こんにちは。名刺メーカーDevグループの伊藤惇です。
私は2022年4月にSansanに新卒として入社して、現在に至るまで名刺データの作成および印刷発注をするサービスの開発に携わっています。
名刺メーカーDevグループでは、偶然タイミングが重なったこともあり、私が入社してからこれまでの間に5人が育児休暇を取得しました。
そうした中で感じた育休に対する考え方の変化を振り返りたいと思います。
なお、本記事はSansan Advent Calendar 2023の14日目の記事です。
名刺メーカーDevグループの規模感
チームの人数やプロダクトのフェーズによっても育休のインパクトが変わってくるので、私が所属する名刺メーカーDevグループの規模感について補足しておきます。
チーム人数
後述するAさん、Bさん、Cさんの育休取得時は約15人ほどのチームでした。その後体制変更があり、DさんとEさんの育休取得時は約6人ほどのチームでした。
プロダクトフェーズ
名刺メーカーDevグループはStrategic Products Engineering Unitという新規事業を扱う組織に属していて、まだまだエンジニアの数が必要なプロダクトです。
入社時
入社当時、私は同棲を始めて4年ほどだったこともあり、結婚や育児という話題は遠いものではありませんでした。
育休を取得する方が増えていることは知っていましたが、家庭にとっては育休を取得した方が良いのだろうと思いつつ、チームには迷惑をかけてしまうのではないかという印象でした。
初めての育休
最初に育休を取得したのは、インフラをメインで担当されているAさんでした。
インフラで困ったことがあればAさんに相談していたので、祝福の気持ちと同時に不安を覚えました。
Aさんの育休が始まってみると、私の不安はAさんの工夫と周りのチームメンバーによってすぐに解消されました。まず、Aさんは普段からインフラに関するドキュメントを整備してくださっていました。残されたメンバーは、このドキュメントを読むと多くのことを知ることができました。また、Wチェックを通してAさんの業務を理解しているメンバーも多くいて、Aさんの役割を分担していました。
メンバーの初めての育休を乗り越えて、育休に対する不安は薄れました。
同時に、整備されたドキュメントの大切さを学びました。
入社時にチームで一番優しい人だと紹介されましたが、帰ってきたAさんはなんとなく、威厳のある頼れる人になっていました。
重要プロジェクト進行中の育休
新しい認証機能の設計から携わったBさんが、プロジェクトの途中で育休に入られました。私は、Bさんが抜けた後に入れ替わりで開発を引き継ぐことになりました。
当時の状況ですが、Bさんを含めて2人で認証機能プロジェクトの設計が進んでいました。育休に入るためBさんと交代する形で私が参加し、途中からもう1人加わり3人で開発を完了しました。
2回目の育休で役立ったのもドキュメントでした。
Bさんが育休に備えて、新しい認証の設計内容、開発環境の構築方法や議論の議事録をしっかりと残してくださっていました。
私は、そのドキュメントに頼ることができたので認証という難しい分野でありながら、1週間ほどで開発に着手することができました。
また、育休が成長機会であることを強く感じました。
Bさんが育休によって抜けたことで、プロダクト全体に関わる認証機能プロジェクトに、新卒入社して約1年ほどの私がアサインされました。私にとって認証機能の開発メンバー3人の一端を担った経験は非連続な挑戦となり、大きな成長機会となりました。
育休から帰ってきたBさんは、育休前に購入された自宅で子犬も飼い始め、とても幸せそうでした。名刺メーカーは犬派が多いので、朝会・夕会ではワンちゃんと赤ちゃんの話をすることが多くなりました。Bさんは途中で育休を延長されたのですが、伸ばして良かったと言っていました。Bさんの育休を経て、育休に対する体制作りも進み完全に不安はなくなりました。
アーキテクト兼チームリーダーの育休
前言を撤回します。正直に書くと「やばい。。。終わった」と思いました。
次に育休を取得されたのは、名刺メーカーDevグループの最初のエンジニアでアーキテクトのCさんだったからです。Cさんは、コードレビューやプロジェクトの進め方に関して手綱を引いてくださっていました。また、名刺メーカー特有の印刷業務に関する情報もCさんが握っていました。私には、Cさんが抜けることでプログラムの質をどのように担保するのかが課題に見えていました。
当初は、大規模な非同期処理の設計が遅れたり、技術調査に抜け漏れが発覚したりしました。しかし、育休が始まってしばらくすると、育休はチームの能力が向上するチャンスであると分かってきました。Cさんがいない中で、コードの質を担保していくための工夫が自然と生まれてきました。日々のプロジェクト進行について踏み込んで議論する時間も増えました。私自身も、目の前のタスクに閉じていた視野が広がってチームのことを考えるようになったタイミングだったと記憶しています。
育休から帰ってきたCさんは、やる気に満ち溢れていました。PdMとの1on1を積極的に入れ、不要な機能やコードの整理、名刺メーカー内の他チームの設計相談など精力的に活躍されていました。本人にとってもチャージ期間となるのが育休の良さだと思いました。
そんなCさんも子犬を飼っているので、育児と散歩の両立が大変だったと言っていました。コードレビューの内容は鋭いままに、伝え方が優しいパパになったのが良かったです。
2人同時の育休
DさんとEさんが同時期に育休に入られました。
この頃になると、朝会のBGMは子供番組になっていました。
必ずどこかの家庭から楽しげな音楽と、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきます。
4回目、5回目の育休になると、育休が楽しみでした。
育休に備えてドキュメントが整備され、タスクの属人性が解消されていきます。
私は育休という事情によって強制的にチームが健全な方向へ向かっていくのがとても嬉しいです。
繰り返しになってしまいますが、この育休も成長機会となりました。体制変更に伴ってこの頃の開発メンバーは6人でした。マネージャー、チームリーダー、育休の2人を抜くと、残りは2人です。
そうです。気がついたら入社2年目にして私は開発の半分を担っていたのです。特に、運用作業の多くを担当されていたDさんが抜けたので、やったことがなかった多くの運用タスクにも挑戦しました。また、開発活動において必然的に任される量も期待される質も大きくなりました。入社以来、最も成長できた期間でした。
育休によって一番未熟な私がレベルアップできたことで、育休の2人が戻られた現在のチームは以前と比較して大きな進化を遂げています。
まとめ
5人の育休を経て私は育休の良さを沢山知りました。
- 育休に向けてドキュメントが整備される
- 育休に向けてタスクの属人性が解消される
- 育休によって、チャレンジする機会が生まれる
- 育休を取得した本人の家庭円満に繋がる
- 育休から帰ってきたメンバーから新鮮で自然な会話が生まれる
- 育休を取ると人は家を買って犬を飼う
入社時に感じていた育休に対する後ろめたさと不安は綺麗に消え去りました。
名刺メーカーDevグループでは、来年1月から6人目の育休を予定しています。
今度はどんなチャレンジが待ち受けているのか、今から楽しみにしています。