Sansan Builders Box

Sansanのものづくりを支える技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

行ってきました Google Cloud Next '19 San Francisco [旅行記その1]

DSOC R&Dの島です。こちらで記事を書くのは2回目です。

Google Cloudの一大イベント Google Cloud Next '19 のためサンフランシスコに行って参りました。参加者はCTOの藤倉と大澤・島の3人です。セッションなど技術的な内容は大澤の記事にゆずり、私はこちらでは旅の記録を書きます。長いので2部に分けます。

さらに万一気が向けば、ML系その他、気になった情報について別で書くかもしれません。

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Sansanとしてのイベントへの姿勢

その前に参加の経緯を、私が観測する範囲からになりますが書いておきます。

参加の理由

Sansanでは、国内外問わず技術系イベントや国際学会等に多数参加しています。開発者向けイベントとしては、一例として国内では執筆時現在ちょうど開催されているRubyKaigi、海外ではAWSの re:Invent 等に参加してきました。

re:Inventに関する記事はこちら:re:invent, 2018 の検索結果 - Sansan Builders Box

Google Cloud Next '19 San Franciscoは、海外イベント参加としては2例目です。 今後も当社エンジニアの成長や見識を広めるため、様々なイベントに様々なエンジニアを連れていってくれるようです。ありがたいことです。

GCPとSansan

Sansanは全体としてAWSを主軸に利用しており、2019年現在では大多数のシステムはAWSで稼働しています。

そのような中、昨年よりGCP (Google Cloud Platform)の利用も始まっています。Sansanの開発部門には大きく Sansan, Eight, そして DSOC があり、そのうちDSOCにて利用が始まっています。

GCPには様々な強みがあり、例として、BigQuery、Kubernetes(GKE)、先進的なML系のサポート、Cloud Vision APIといったマネージドの認識系サービスといったところが挙げられます。しかしながらもちろんAWSにも強みはあるわけですし、Sansanとしては既に開発してきた膨大な資産もあります。複数の技術的な選択肢を持つことでさらに技術的な強み、ひいてはビジネス上の強みを増していきたい考えがあります。

DSOC R&Dでは、多くのシステムをマイクロサービスとして開発してきています。そのため、GCPを新規で試したり既存システムをGCPへと移行することは、モノリシックなシステムに比べれば容易です。そこでGCPを試す第一弾としてDSOC R&Dに白羽の矢が立ちました。

以下、それに関する記事です。

buildersbox.corp-sansan.com

buildersbox.corp-sansan.com

個人的な思い

そうした中で、さらにGCPへの知見を深め、よい経験とする機会として、Google Cloud Next への参加の話が舞い込んできました。

さて、海外のイベントに行けるよ! と言われたら、みなさんはどう思いますか? 私が思うこととしてはこんなところでしょうか。

ポジティブな意見

  • 貴重な機会
  • 新技術発表の現場に居合わせることができる
  • モチベーション向上
  • タダで海外旅行

ネガティブな意見

  • 英語が・・・
  • 技術情報なら家にいても得ようと思えば得られる
  • 人混みがつらい・人と接したくない
  • 疲れる
  • 会社の出張なので、何か得てこないといけないプレッシャー

私は結構悩みました。 これは性格にもよると思います。ブログ等で観測しやすい"できるエンジニア"な方は、喜んで! とばかりに進んで積極的に行く印象があります。 私は正直そうでもないのです。「セッションを英語で聞いてもわからないだろうな」「アメリカはなんか怖いな」「行かないと聞けない話ってそんなにないよな」・・・等と、ネガティブにも大きく振れていました。こんな感じですから日本のイベントも滅多に行く気がありません。

巷のイベント関連の記事で、あまりこのようなネガティブ意見を見たことがありません。だいたい「行ってきました!イエーイ!」というノリですよね。だれか私のような同志はいないものかと書いてみています。自分もそう! という方とは友達になれそうです。是非ご連絡を。

4,5日ほども考えた末、食わず嫌いはやめ、Sansanとして私を選んでくれた厚意をありがたく受けようと思い、参加することにしました。 日々目先の業務に追われている中で、少しリフレッシュがてら、外の世界を知って、何かの参考にできればと考えました。

海外のテック系イベントは初めてですが、国際学会の経験はあります。その前回の学会発表がなかなか黒歴史だったのも渋る理由なのですが、テック系イベントなるものが学会とどう違うのかも観察したいと考えました。

旅の記録

うじうじと色々と書いたくせに、ですが、私はもともと旅行が大好きで、まずその点ではかなり楽しみました。

そして結論から申しますとイベント参加も有意義なものでした。

以下、今後サンフランシスコやシリコンバレー方面に行く方の何か参考になれば幸いです。

飛行機

以下の便で向かいました。私は札幌ラボにおりますので千歳からスタートです。

  • JAL 新千歳空港 17:00 - 羽田空港18:40
  • JAL 羽田空港 19:50 - サンフランシスコ国際空港 13:10 (9時間20分)

残念、千歳から直行便ではありませんね。ちなみに千歳からの直行便は中国・韓国・台湾や東南アジア方面に多数あり、アメリカだとハワイとグアムにはあります。

当社R&Dの東京以外に勤務する者は、毎月東京出張しています。ですから羽田への国内線は準備運動というところです。普段は節約のためAirDOまたはSkymarkを使用しており、JALに乗れるなんてもうそれだけでファーストクラス感覚です。

羽田についたら、国際線ターミナルに移動します。搭乗開始ちょうどくらいでぎりぎりの到着です。航空会社をそろえない場合は危険ですね。

re:Inventの記事に倣いまして機内食画像です。

昨年ドイツに行った際、中学の英語の教科書最初のフレーズ*1として名高い "Beef or chicken?" を聞いて舞い上がった後に "Beef!" と答えたら、ビーフはもうないと言われ、深い悲しみに包まれました(だったら聞くなよと)。結局往復全部ビーフが当たらず、それ以来ビーフに飢えていたのですが、さすがJAL様、ビーフが当たりました。

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往路機内食1

2食目(朝食?)はラーメンというか油そばのような、斬新なものが出てきました。この蔦というお店は、その後サンフランシスコのイベント会場そばで見かけました。これも美味でした。

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往路機内食2

あと、食後にハーゲンダッツが配られたのもすごいです、JAL様。

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ハーゲンダッツ

サンフランシスコ到着

入国審査で2時間くらい並び、すっかりやつれてしまいました。

空港を出たところの写真です。Uber専用の乗降場があり、多くの車と人でごった返しています。完全に不可欠なインフラとなっているのが驚きでした。今回の旅でも、私たち一行の移動はすべてUberで、7回ほど利用しました。また、日本車ばかり走っているのも驚きです。Uberでもその後1度もアメ車に当たらず、大体TOYOTAでした。

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サンフランシスコ国際空港を出たところ

ホテルです。レトロで雰囲気がありますね。1912年築だそうです。

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ホテル 外観
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ホテル ロビー

re:Invent組は全室スイートルームとか書いてましたね。こちらはなかなか古くて、寝るしかないような部屋でしたが、充分です。負け惜しみではありませんよ。

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ホテル 客室

チェックインのため会場へ

会場Moscone Centerへは1.5kmほどで、歩いていきました。

ホテルを出発してからなんとなく物騒な雰囲気を感じたのですが、こちらの土地勘がある我らがCTO氏によると、サンフランシスコで最も治安が悪いとされるテンダーロイン地区の近くを歩いていたようです。 日中は危険を感じることはありませんが、夜は気をつけたほうが良さそうです。

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Marker Street

会場近くになると、高層ビルも立ち並び、現代的な都会感が増します。ぐっと治安も改善します(体感)。 写真にCTO氏が写っております。日本だと非常に目立ちますが、サンフランシスコだと溶け込んでいるような気がします。 f:id:sansan_shima:20190420081014j:plain

ところで今回私は出発前に1秒も英語を勉強せず、大した余裕っぷりです。代わりに(?)やっていたのはPS4のウォッチドッグス2です。サンフランシスコ周辺が舞台のオープンワールドなゲームで、現地に来てみて、町並みの再現度の高さに驚きました。イメージをつかむのに良いかもしれません。 f:id:sansan_shima:20190420081234j:plain

会場です。非常に大きい建物です。チェックインをします。

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Moscone Center

チェックイン会場は長蛇の列でした。空港でも並んだのにここでも並んで、並んでばかりの日です。この日はチェックインだけで帰り、セッションは翌日からです。

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チェックイン

その日の晩はピザ。アメリカといえばピザと思ってのことでしたが、よくよく見ればRoman Styleということで普通に本場イタリア風な店でした。大きさでアメリカンを感じたので満足です。

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Roman Style Italian

イベント当日

Keynote初日の状況

翌日。非常に混み、座れないかも・・・という噂をどこかで耳にしたため、1時間前に着くように出ました。結局、確かに混んではいたのですが、席は悠々空いていました。Keynote開始後に来たとしても余裕そうでした。ただし前のほうは色々と予約席があったりするのか、空きがあまりありません。

Keynote限定で、日本語・韓国語・中国語の同時翻訳が聞ける受信機をもらうことができるので、束の間の気楽な時間です。

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Keynote手前

Keynoteが始まりました。ピチャイCEOのお話からです。本人の姿は小さくは見えましたが、結局大半はサンフランシスコまできたのに画面で見ていました。

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Keynote (ピチャイさん)

初日のKeynoteはこちらから視聴できます。 www.youtube.com

新サービスの発表がAnthos筆頭にいくつかあり、都度拍手が巻き起こります。Googleの聴衆は冷静なようで、歓声が上がるほどの熱狂的な盛り上がりまでにはなりませんでした。

実際にGCPを活用している様々な企業のスピーカーを呼んで、代わる代わるGoogle CloudのKurian CEOと対談するのが印象的でした。その企業は世界的な大企業だったり、(私が不勉強なのかもしれませんが)存じ上げないけどアメリカ国内の大企業だったりしました。各企業が、GCPの活用でこんな風にビジネスが変わったよ、といったことを説明していきます。エンタープライズ向けのクラウドで後手に回っているとよく言われるGoogle Cloudが巻き返そうとしている強い意志を、会場の誰しも感じたと思います。

会場はとても空調が効いて涼しく、暑がりな私には快適で、目が冴えたまま最後まで聞けました。大柄なアメリカ人はきっと暑がりなようですね。日本のイベント会場や職場もこうあってほしいものです。

Keynote初日について感想

内容全般、各所からまとめ記事が出ていますので私が拙いことを書くまでもないのですが、1つ挙げればマルチクラウドが一大テーマだと言えます。まさにSansan DSOCが取り組んでいることです。当社では異種クラウド間でのマルチクラウドですが、それにとどまらずGoogleではオンプレミスも対象としています。マイグレーション(移行)や、オンプレミスとGCPという状態で稼働できる仕組みといった紹介がありました。

AWSやAzureとしてはこのマルチクラウドの攻勢にどう対応していくのでしょうか、とても興味があります。

ところで既に、ハイブリッドクラウドと題して各社しのぎを削っており、 AWS OutpostsAzure Stack HCI といったものがそれに当たります。これらはオンプレミスと特定の1つのクラウドでの相互運用を狙っている製品のようです。

aws.amazon.com

azure.microsoft.com

Anthosによるマルチクラウドはさらに先を行くもので、前述のように異種クラウド間の相互運用をもサポートするという違いがありそうです。

AWS一強の現在としては、素人考えではAWSにとってマルチクラウドは厄介で阻止したい話に思えます。発表があったAnthosその他の技術により、どのクラウドで動かしても大差ないという時代がもし来れば、なにで勝負になるのでしょうか。

技術面での個性は当然ありますが、思想の面も大きく左右するかもしれません。AWSは顧客が求めるものをとにかく提供する姿勢を感じ、使っていて痒い所に手が届く印象があります。老舗なので積み上げた年数の差かもしれません。対してGCPは、Googleの持つ強い思想があって、みんなついてこい、という印象です。うまく乗っかれば大変な力を発揮しそうです。

私個人としては、Googleの姿勢には好感が持てますし自然な流れで、来年のNextイベントの頃にはマルチクラウドがかなり進展しているのではないかと思います。

各企業のブース

Keynote終了後はセッションを各々聞きに行きます。セッションは学校の時間割のように限界まで詰め込むこともできますが、わざと若干は空けて、合間の時間であちこち探検しました。

様々な企業がブースを出しています。大企業や有名なサービスの会社もあれば、聞いたことがないスタートアップ企業も多数で、体感ではその割合は3:7くらいです。

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ブース

ゆっくり、興味ありげに歩いていれば向こうから声をかけてくれます。英語は厳しいものの、画面を見せられながら聞けば結構わかります。なんとなく・・・

ブースの中には景品をくれるところもあります。ライトセイバー? のようなおもちゃをもらってしまったところもあります。 しかしこのDensifyというサービス、聞いてみると結構興味深いものでした。VMインスタンスの利用度合いを分析して最適な構成の提案をしてくれるなど、クラウド環境のリソース全般に関しての最適化を行うとのことでした。

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Densifyセイバー

www.densify.com

ほかにもDSOCで利用中のインフラの監視システムDatadogのブースでは、もれなくTシャツを配るほか、抽選でNintendo Switchを配っていました。ただ全体としては、物を配っていそうなブースはそんなにありませんでした。re:Inventなど他のイベントでは山のように景品が集まると聞きますが。

ブースの近くだったと思いますが、TPU v3のサンプルがありました。液体冷却なのでその管が特徴的です。先代v2はとても背の高いヒートシンクが付いていました。それが背が低くなることでラックにたくさん収まるのでしょうね。Googleにはさすがインフラ機器の面で圧倒されます。

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TPU

ランチ

ランチをふるまう場所は多数あり、逆にどうすればありつけるのか最初は悩みます。お昼が近くなると会場でサラダを抱えて歩く人が見られるようになり、それどこでもらったの? と聞きたくなります。コミュ障ですからもちろん聞けません。 一番メインだったらしいのが、会場Moscone Centerに隣接するYerba Buena Gardensという場所です。

人が密集していて、てんやわんやです。そこらへんに座って食べます。高層ビルが迫ってくる感じがあります。

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Yerba Buena Gardens

ひたすらサラダを食べていましたが、入っている肉が案外ダメージを与えてきます。充分でした。

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ランチはひたすらサラダ

Palace Hotel

会場はKeynoteが行われたMoscone Centerのほかに、Palace Hotelという場所もあります。歩いて10分程度です。

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Moscone Center - Palace Hotel

セッションの取り方によっては、MosconeとPalace Hotelを行ったり来たりになり、なかなか面倒です。Moscone側は入場の度にボディチェックが必要なので、セッションの間の空き時間が30分くらいあったとしても案外余裕がありません。早めの行動が重要です。

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Palace Hotel内部

その他Nextの風景

最初はおっかなびっくりでしたが、だんだんとこうして見えてくる人々がお国は違えど同じエンジニアの同士と思えてきます。

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Moscone South 地下を望む

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Moscone South 2Fから1Fを望む

1日の終わり

帰り道に偶然ダイソーを発見しまして、Cloud Nextイベントに引けを取らないほど驚きました。中には日本のダイソーと何も変わらない、日本語の書かれた商品でいっぱいです。

私は以後連日ここで「お〜いお茶」を買い続けました。

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生命線DAISO

ほかにも日本の店・商品は探せばいくつかあり、日本式を通してこの地で生きようと思ってもなんとかなりそうな感触を得ました。

その後も大澤と2人で晩御飯を探すためさまよって、結局デパート地下のフードコートで、なんとなくアメリカンでかつ高くなさそうなのにしました。食べ物自体は普通に食べられるサイズですが、飲み物がとにかく大きいですね。

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フードコートで晩御飯

次回

次回は、セッション聴講に関することや、その後サンフランシスコを離れMountain ViewのGoogle Cloud本社にお邪魔したときについて書きます。終わってみての振り返りもそちらに。乞うご期待。

*1:諸説あり

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