こんにちは。DSOC R&Dの糟谷勇児です。
前回、名刺画像からのロゴ抽出技術の取り組みについて紹介させていただきました。
名刺画像からの企業ロゴ抽出技術 - Sansan Builders Box
今回は、抽出したロゴをどんな風に活用しているのか?ということで、
ロゴを活用した名刺ビューワー、ビジネスカードコレクションについて紹介したいと思います。
(画像の名刺・企業はすべてダミーデータです)
ビジネスカードコレクションは、名刺をPCやタブレットの画面で見るのに最適な形に再構成して、一覧で閲覧できる機能です。
自分の人脈を他の人に紹介したり、展示会やイベントでの出会いを上司に報告したりというような用途を想定して開発しました。
なぜ作ったか
私は、前職ではR&Dの中でも新規事業関係のテーマをやっていました。
そのため、ユーザーにその事業がニーズがあるかヒアリングをしていたのですが、その際上司に、「部署全員の人脈を集めてリストアップし、ヒアリングしたいときに参照できるようにせよ」と言われました。
そこで、Excelのシートに会社名と名前と役職などを部署のみんなで記載しましたが、
どうにも、このリストが更新されていくイメージが持てないのと、せっかくいい人を紹介しているのに全然ワクワクしない、アピールが弱いという課題感がありました。
そこで、ワクワクするようなチームの人脈リストが自動で更新されていくものを作りたいなと思っていました。
先述のロゴの抽出技術もそのアプリを作るためにアンダーザテーブルで始めました。
ちなみに日本の大企業が衰退した原因に、アンダーザテーブルの研究開発がしにくくなったからというのがしばしば挙げられます。
真実のほどはわかりませんが、アンダーザテーブルの研究開発は大事にしていきたいですね。
Sansan Labs
Sansanには研究開発中のコンセプトをβ段階でお客様に提供するテストプラットフォームSansan Labsがあります。
Sansan Labsの説明はリンク先に譲ります。
今回のビジネスカードコレクションはSansan Labsのコンテンツとして作ることとし、
デザイナーの方、開発者の方の協力でアプリとして完成させることができました。
後述する、役職を色の帯で表すアイデアはデザイナーの方から頂きましたし、ロゴはAWSのCloudFrontでURLを付与して配信していますが、私一人ではそこまでの構成は思いつけないので、チームの力を感じます。
ビジネスカードコレクション
名刺は、縦書きも横書きもありますし、形も様々です。
また、紙で見るのに最適化されているため、PCなどの画面で名刺画像を表示しようと思うと、小さな文字が見えなかったり、文字が見えるようにすると数枚しか表示できなかったりするという課題があります。
そこで、電子化した名刺を同一のフォーマットで見れるカード状の表現として再構成しました。
カードにはロゴと会社名、氏名、部署役職がテキストで記載されています。
また、見るのが楽しくなるよう、役割によって帯の色を変えて表示することにしました。
また、自分しか持っていない希少性の高い名刺にはリボンを付けました。
スマートフォンのゲームアプリのUIを参考にしつつ、落ち着いた感じに作りました。
デジタルなので、役職順や職種別などいろいろなビューで見ることができます。
ビジネスカードコレクションの反応
Sansan Labsはログを集計し、どのくらいの人が何回使っているかわかるようになっており、機能についてのフィードバックコメントも送れます。
他のコンテンツと比べてページビューが際立って多いということはないのですが、この機能を特に気に入ってくださっている方もいるようで、「素晴らしい機能」というメッセージもいただきました。
営業さん経由で、多数の名刺が一覧できるのはよいというありがたい意見もいただきました。
まだいろいろ不便ですし、本来やりたかった新規事業でのヒアリング用というような使い方には機能も足りていないのですが、この機能があるために、名刺取り込みが少しでも楽しくなっているなら幸いです。
おわりに
今回はロゴ抽出技術を応用した名刺ビューワーについて紹介しました。
Sansan Labsは比較的自由に新しいコンセプトをリリースすることができ、Sansanの自由で自主的なカルチャーを体現していると感じます。
そういった環境に興味のある方はぜひ、Sansanにジョインしていただければと思います。