Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

多国籍なチームでプロジェクトを進める上で大事なこと

こんにちは。Sansan事業部プロダクト開発部の組織デザイングループに所属している平松です。
普段はプロダクト開発部で組織運営をやっているのですが、その傍らでSansanのグローバル展開におけるWebマーケティングのサポートも行っています。今回、グローバル向けのWebサイトをリニューアルするプロジェクトにプロジェクトマネジメント担当として入り、プロジェクトを進めた中での気付きを共有できればと思っています。

グローバル向けWebサイトのリニューアル

Sansanは日本だけではなくグローバル展開も行っており、今は特にシンガポールを中心にビジネスを展開しています。*1

現在のグローバル向けWebサイトは3年ほど前に大幅なリニューアルをしてからは、細かな改修がメインとなっていました。その間、プロダクトも進化し、海外でSansanを使ってくださるお客様も増えました。Sansanの価値をより伝えていくためには、このタイミングでもう一度リニューアルし、価値が伝わるより良いコンテンツを作ろう、そしてもう一段ビジネスを加速しようという思いからリニューアルプロジェクトが始まりました。

多様なメンバーが集まるプロジェクト

プロジェクトメンバーは、見て分かる通り多国籍なメンバー(カッコ内は国籍です)で構成されています。

  • 現地法人責任者(日本)
  • シニアマーケティングマネージャー(シンガポール)
  • マーケティングマネージャー(シンガポール)
  • デザイナー(イギリス)
  • コンテンツエディター(アメリカ)
  • プロジェクトマネジメント(日本/私)

そして、業務を行っている場所も、現地法人責任者・マーケティングメンバーはシンガポール、デザイナー・コンテンツエディター・私は日本と離れており、プロジェクトのやりとりは基本的にテキストかオンラインミーティングで行われます。国籍が違うメンバー間でのリモートによるプロジェクト進行は、普段のプロジェクトとは違った大変さがありました。

スケジュール遅れの原因

実は、リニューアルの当初の予定は2019年11月でした。以前からリニューアルしたい欲求はあり、関係者で鋭意進めていたのですが、いくつかの問題があってうまく進んでいませんでした。

  • コンテンツ構成がなかなか決まらなかった
    • 構成を議論していくうちに方向性が変わったり、いろいろな意見が出てまとまらなくなってしまったりと、一番最初に決めなくてはならないものがなかなか決まりませんでした。
  • コンテンツエディターやデザイナーのリソース調整ができていなかった
    • コンテンツエディターとデザイナーはこのプロジェクト以外にも業務を抱えていましたが、他との優先度調整ができていない状態でした。
  • 全体像を把握して進められていなかった
    • メンバーは自分の担当分野には責任を持って取り組んでいましたが、途中プロジェクト推進者が変わるなどあり、プロジェクト全体を把握して推進していく役割がチーム内にありませんでした。

他にも細かな問題はありましたが、主にこの3つがスケジュールを遅らせる原因でした。これを立て直すべく、プロジェクト全体をマネジメントするポジションが必要となり、サポートに入ることになりました。

大事なのは可視化と共通認識を持つこと

さまざまな考えを持つメンバーが集まるプロジェクトをマネジメントする立場として意識したことは以下の4つです。

  1. プロジェクトを進める上でいちばん大事なことを決める
  2. 最終決定者を決める
  3. スケジュールを可視化する
  4. 上記を関係者全員で認識する

1. プロジェクトを進める上でいちばん大事なことを決める

Webサイトをリニューアルする場合、いくつかの重要な要素があります。リリース日、新規コンテンツの設置、デザインクオリティ…、大事にしたいことによって進め方が変わってきます。今回の場合は「リリース日の死守」が一番重要なことでした。一方で、せっかくのリニューアルだからと、盛り込みたいコンテンツが満載…、このままではリリース日に間に合いません。そこでフェーズを区切り、第1フェーズでWebサイトに必ず設置したいコンテンツをリリースし、第2フェーズで残りのコンテンツをリリースすることにしました。

2. 最終決定者を決める

多様な考え方を持つメンバーが集まるプロジェクトでは、これは特に大事です。異なる文化背景を持ったメンバーは、皆それぞれの考えがあるので、意見がぶつかることも多々あります。そういった場合、どうやって決めるのかを予めメンバー間で話しておくことが必要だと考えました。今回は最終決定者*2を決め、意見が分かれた時は最終決定者の意思に従うことにしました。

3. スケジュールを可視化する

「何日までにこのタスクを終わらせよう」など、テキストや口頭でやり取りするとデッドラインに対する感度が落ちると個人的に考えています。視覚的にわかるようにする*3ことで、タスクの進捗状況がチーム全員に共有されますし、自分達の今いる位置がわかります。スピードを上げるべきなのか、予定通り進んでいるのか、プロジェクトを進めていく上で大切な感覚だと思います。

4. 上記を関係者全員で認識する

最後に、上記3つを全員で認識合わせしました。同じ目的に向かって進んでいくメンバーの認識が違ってしまうと、うまくいくものもうまくいきません。なんとなくで流してしまわず、メンバー間できちんと会話しておくこと、また上記を意識できるようにミーティング議事録等で言及するのも良いと思います。今回のプロジェクトは週次ミーティングがあったので、リリース日まで後何日、各自の宿題などを議事録と一緒に共有していました。

無事第1弾をリリースしました!

こうしてプロジェクトが進み、先日無事にWebサイトのリニューアル第1弾が完了しました!左が以前のもの、右が新しいWebサイトです。

以前のSansanグローバルWebサイトSansan グローバルWebサイト
新旧グローバルWebサイト


だいぶ雰囲気も変わりましたが、よりわかりやすく、グローバルマーケットに合わせた形のWebサイトになりました。(新しいSansanのWebサイトを見たい方はぜひ!)

イラストを使ったり、モーションを適宜入れたり、動画コンテンツを入れたりすることで訴求力を強め、訪問者にとって分かりやすいWebサイトになるよう心がけました。また、視覚的なアクセントとリズムを入れるため、セリフ体とサンセリフ体を両方使っていることも特徴的です。第2弾はSansanの活用をイメージしてもらえるようなコンテンツを拡充する予定です。

さいごに

今回はグローバルWebサイトのリニューアルプロジェクトでの気付きでしたが、他のプロジェクトマネジメントでも応用が効く部分も多いです。世の中にはプロジェクトマネジメントの先輩がたくさんいると思うので、こういうやり方も良いよ!おすすめだよ!というものがあればぜひ共有していただけると嬉しいです。



buildersbox.corp-sansan.com
buildersbox.corp-sansan.com

*1:日本以外に名刺交換の文化なんてあるの?とよく聞かれますが、結論から言うとあります!以前弊社でシンガポールビジネスマンにアンケートを取ったところ、回答者の内40%の人が月20枚交換するという回答がありました。アジア圏は人と人とのつながりを大切にしてビジネスを進める文化があるので、その中で名刺は大きな役割を果たしています。ただ、日本の「本人のように丁寧に扱う」という姿勢があるかというと、その点は考え方の違いがあるように思います。

*2:現地法人責任者が最終決定者になりました

*3:タスクとスケジュールの管理はTrelloとスプレッドシートでやりました。Trelloにプラグインを入れてガントチャートを使うこともできますが、今回はチームが一番やりやすい方法を取りました。

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