Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

CTO藤倉と新VPoE西場に聞く、これからのチャレンジ


※撮影時のみマスクを外しています


こんにちは、技術ブランディンググループの金子です。

サイトや求人情報だけでは伝わりにくい、Sansanエンジニアの考え方やキャラクターをお伝えする「Sansanエンジニア インタビュー シリーズ」の第3弾。

今回は、2022年2月1日より新たにVPoE(VP of Engineering)として西場 正浩が就任したことを受け、CTO 藤倉VPoE 西場 の両名に話を聞きました。

Sansan技術組織の ”いま” と、二人が目指す今後とは?



成長を加速させるためのギアチェンジ


──藤倉さん、西場さん、よろしくお願いします!早速、まずは藤倉さんに聞きたいと思います。今回新たな体制となりましたね。改めて、Sansanのプロダクトや技術組織の状況について教えてください。


藤倉:
これまで当社は「Sansan」「Eight」「Bill One」と、それぞれの事業やプロダクトの立ち上げに丁寧に向き合って成長を重ねてきました。一方で、創業から15年目となるタイミングのいま、これまで通りのやり方ではリニアな成長に落ちついてしまうのではないかとも感じるようになりました。

そこで、もう一段 二段とギアチェンジして加速度を上げていくために、それぞれのプロダクトで個々に戦うフェーズは終え、”オールSansan” として面で戦おうという新たな局面に入りました。

昨年の7月1日より、営業もプロダクトも開発も、いわゆる機能別組織と言われるような組織体制に変化させ、事業の成長スピードを効率的に上げていこうとしています。私たちの部署は「技術本部」として、全社の技術やデータ戦略に向き合っています。



──ちょうどその組織変更のタイミングで西場さんも入社しましたね。最初からVPoEを担ってもらう想定だったんですか?


藤倉:
いや、ぜんぜん。(笑)


西場:
選考の途中で「VPoE」という単語は1回も出てないですよ。(笑)


藤倉:
最初は、一緒に働きたいなと思ったから声かけたっていうだけ。何ができるのかなとか、我々組織側の要求と本人のやり方がマッチするかどうかも話せばいいじゃんと思ってたくらいで。

僕としてはもともと、技術本部になってからCTO兼VPoEとは言っているけど ”組織ごと” に向き合う時間が多すぎて、どうにかせねばという状況にあったんです。その中でマネジメントをやりたいという西場さんの意向と組織のニーズと状況がマッチしたので、西場さんにだったらVPoEを任せられるということで。



──西場さんは最初にVPoEの話を聞いたときどうでした?


西場:
僕は入社してから研究開発部のマネジメントをしていたんですけど、グループマネジャー陣が優秀で、割とすぐにやることなくなってきていて。次に何をやろうかなと、研究開発の技術を使って新しいビジネスを立ち上げるとかを推進できないかな、なんて考えていました。

ちょうどその頃にVPoEという話をもらって、もともと組織マネジメントがやりたくてSansanに来たことと、BizDevは僕より得意な人がいるかもしれないけど組織マネジメントってみんなやりたがらないし、新しいチャレンジも楽しそうだなと思いましたね。



“あるべきマネジャー像” は人それぞれ


──マネジメントっていろいろな手法があると思うんですが、これまで西場さんが取り組んできたのはどのようなことですか?


西場:
これまでやったのは「OKRをきちんと設定すること」と「1on1でみんなの意見を聞いて解決すべき課題を見つけること」ですかね。僕は突拍子もない新しいアイデアで何かをやったというわけではなくて、みんなで解決するための旗振りをしているだけ。実際に物事を解決しているのはリーダー陣です。

一つ新しかったことがあるとすれば、僕が「理想のマネジャー像」を定めていないことですかね。だから研究開発部のグループマネジャー陣は、みんな自分の強みを活かして組織をリードしています。

ピープルマネジメントが好きじゃないならやらなくて良いようにするし、テックリード系の人にはプロジェクトを減らしたり、逆にプロジェクトマネジメントが得意な人にプロジェクトを寄せたり。



──マネジャーがやるべき役割を”型”として押し付けるのではなく、それぞれの特性・強みを活かして、その組織を率いるために背中を押すということですね?


西場:
そうそう。VPoEとして面白そうだなと思ってるのはそこで、これまではやっぱりミッションへの共感とかカルチャーフィットの面が重要だったと思うんですけど、この人数になってきたら多分、カルチャーフィットだけでなくカルチャーアドもやってかなきゃいけないフェーズなんです。
いま、過去に ”こうあるべき” と思っていたマネジャー像を全部再構築して、マネジャーが楽しく働けるように、自由に労働を定義してまわっています。



──「強みを活かして」という話が出ましたけど、藤倉さんから見て西場さんの強みってどんなところに感じますか?


藤倉:
いろんな発言の裏に、今までのキャリアを通じて多分何度も深く考えてきたんだろうなと思わせるような、確からしさというか確信があるなと感じています。様々なことを考えたうえで、今の自分が取り得る、この環境、この状況における、最適な方法を示している気がしていて。PdMの経験もあるので、ヒアリングや体験の大切さを組織マネジメントにも活かしているようにも思いますね。

あと、西場さんが進む方向に一緒に行くと、きっと良いことがあるだろうと思えるのが強いんじゃないかな。そう思わせる力が強い。



思う存分技術に向き合い、経営や事業をリードする


──藤倉さんは今後CTO専任となりますが、どんなチャンレンジに向き合っていきたいと思っていますか?


藤倉:
僕はやっぱり技術がすっごい好きなんです。これからは西場さんが採用も含めて組織づくりにコミットしますって言ってくれてるので、もうあとはプロジェクト立ち上げ放題じゃないですか、僕は。(笑)

冒頭で話した、”オールSansan” として面で戦おうという会社の方針に対して、技術的にはいつでも戦える状態を作りたい。事業側がこうしたいって言ったときに、「もうそれできてますけど」って言えるようにしたいですよね。開発とか技術で、経営や事業をちゃんとリードするために今やらなきゃいけないこと、やりたいことは山ほどあって、それらを片っ端からやっていきたいなと思ってます。直近では全社横断のデータ分析基盤構築プロジェクトに取り組もうとしていますね。

あと個人的な話をすると僕は大学は機械科でして、もともとハードウェアの人なんですが、今の事業の中でソフトウェアと人力だけではどうにもならないと感じる部分があるんですね。そこにハードウェアの力が加わったりしたら面白いんじゃないかなと勝手に妄想したりもしています。

これまではVPoEとして組織や評価の問題とかを優先することもあり、なかなか技術だけに集中するのが難しかったんですが、これからは思う存分技術に向き合えると思うと楽しくて仕方ないですね。



──今度は逆に、西場さんから見た藤倉さんの強みはどんなところでしょう?


西場:
藤倉さんはメンタル面も体力面もタフですよね。例えば僕は組織マネジメントでつらい選択をすることはあんまりないんですよ。白黒つけないというか。

その点、技術マネジメントってもっと難しいと感じていて、例えば技術負債の解消と機能拡張の判断とか。星取表を埋めて競争に勝つために今は機能拡張をしたいというビジネス側と、でもそうは言っても数年後を考えたらここを直さずに拡張すると死にますよと技術側は言っている...みたいなケースもある。そこに正解なんてない中で意思決定しなきゃいけなくて、どちらかの意見しか通らないわけですよ。状況によってはね。

僕の場合はそういう問題を今のところ抱えてないですし、みんなにどう思う?って聞いて終わっちゃうタイプなので。技術的な知識と経験を活かして、責任をもって様々な判断をしていくCTOという役割とチャレンジには、やっぱり藤倉さんの強みが活きるんだろうなと思っています。



強みを活かしたチャレンジを重ね、グローバルで戦えるテック企業に


──強力なCTOとVPoEのタッグで更に進化する技術本部のこれからがとても楽しみですが、最後に、今のSansanだからこそ技術者として楽しめることとして、どんな点が挙げられると思いますか?


藤倉:
「グローバル」というのは一つのキーワードかなと思います。僕がSansanに入って丸13年が経過して今14年目に入ってるんですけど、やっとスタートラインに立ったなという気がしています。ずっと「グローバルで戦えるテクノロジー企業にしたい」と言い続けていてきたんですが、この数年で実現できなかったらまずいと言えるところまで、良くも悪くも事業成長できたので。

これまでを振り返ると、お陰様で規模も順当に右肩上がりにきていて、それに伴って物事の難易度も上がっているし、動く金額やインパクトも大きくなってきている。もちろんそれだけが楽しさを示すパラメータではないけれど、常にアップデートされてきているし、今だから感じられる楽しさと言えると思います。

この組織のフェーズだからこそ、日本や世界に対してエンジニア1人1人が与えられるインパクトが大きいというか、レバレッジを効かせることができると思います。



西場:
いろんなフェーズのプロダクトがある中でのCTOの動きを見ることができるっていうのも、面白い要素の一つになるかもですね。ひょっとしたら将来、藤倉さんが立ち上げるプロジェクトについて回る人っていうのもあるかもしれない。

あと僕が面白いと感じるのは、当社は長い歴史をもつものから新しいものまでいろんなプロダクトがあるし、いろんな技術スタックを使っているところ。だから面白さの幅がいろんな軸であるわけです。それを自分のキャリアとか嗜好性に基づいて選べる。いろんなチャレンジがいっぱいあるってことは、それだけ自分に合うものを探せるし、選べるような状況になるということですからね。

CTOとVPoEが分かれるのも、組織が大きくなったからできること。人数が多くなったからこそ、役割分担というか、得意不得意を加味した組織が作れるんですよ。それは現場のマネジメントにおいてもそうで、今までは割と全方位的にしっかりやれるマネジャーが求められてたけど、今はそれだけじゃない。それぞれの強みを生かしたマネジメントで運営していけるような状況、規模感、フェーズにある。

その循環がうまくハマると、強みを活かして次の強みを作るという連鎖が生まれる。そうすると新たな見本ができたり刺激になったりして、更に強い組織になっていけると思っています。



編集後記


Sansanでは、当社が目指す未来に向けて一緒にチャレンジする仲間を募集しています。
募集中のポジション詳細はこちらからどうぞ。
jp.corp-sansan.com


また2/28(月)には、今回話を聞いた西場とエムスリーVPoE 山崎氏との対談イベントを予定しています。
「エンジニアのチャレンジをどうマネジメントするか」というテーマで、両社のVPoEがどのような考えで組織づくりをしているのかを語りますので、よろしければぜひご参加ください。
sansan.connpass.com

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