Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

急速に拡大するBill Oneエンジニア組織を支えるオンボーディングの取り組みと改善

技術本部 Bill One Engineering Unitの喜久川です。

Bill Oneエンジニア組織のオンボーディングを有志のチームで改善しています。 私が2021年9月にBill Oneに参画した時点の人数は21人でした。 2022年8月現在50名強にも増えています。 この急速で拡大する組織の中でBill One開発のオンボーディングでは何を行なっているか、今後何に取り組みたいかという点をお話ししようと思います。 ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

"オンボーディングとは何か"を捉える

この単語は、On board(船や飛行機に乗っている)という意味から派生しています。新しく乗船した乗組員への必要なサポートと適応の支援、プロセスを作る施策と解釈しています。新入社員に対してだけではなく、既存社員へのアプローチも重要であることも大事な点です。

オンボーディングを重要視する理由

最重要なことはエンゲージメントを向上させてパフォーマンスを最大化することなのですが、分解してみるとたくさんの注力するポイントがあります。 オンボーディングを施行する側が注力するポイントとして具体的に以下があります。

  • 業務知識や必要なスキルを円滑に習得させること

  • 組織の理念や文化などを理解、浸透させ体現できるようにすること

  • 広い人間関係を構築させること

  • プロダクトに貢献できるパフォーマンスを発揮させること

  • 成長を実感させること

これらを通して組織になじんでいるという感覚を如何に強く感じてもらうかが重要です。 オンボーディングを受ける側は、これらのポイントを土台とした施策を通して、アンラーニングや適応を意識してなじむことに注力してもらう必要があります。

オンボーディングの内容を分解する

どういった施策を取るのか?という点を紹介します。 オンボーディングの施策を考えるに当たっては、施策の内容を分解して理解しておく必要があります。

インフォーム行動

インフォーム行動とは、情報や道具を提供することです。 具体的には環境を構築するためのドキュメント類や、コミュニケーション環境、組織のルールや規約など、働く上で必要なもの全てと認識してもらえると良いかと思います。 受ける側の適応を考慮して提供する情報を考え、多くの時間を要する行動かと思います。

ウェルカム行動

ウェルカム行動とは、その名の通り迎え入れ歓迎することです。 具体的には新入社員との顔合わせや歓迎会などです。これは人間関係を構築するに当たって、強く作用します。 また、チームで仕事をすることが基本なので「一緒に働く人がどんな人なのか?」を知るために、お互いにとって有意義な行動です。

ガイド行動

新入社員に対してのガイド役(指南役)を提供することです。 新入社員が組織に適応する際、多くの課題を抱えています。一人で適応するというのは非常に難しいために身近に相談できるガイド役は非常に重要です。 メンタリングや課題解決サポートのための新入社員とガイド役のコミュニケーションを構築できるとスムーズな適応ができます。

Bill One開発のオンボーディング

ここまで「オンボーディングとは何か?」「どういったことをするのか?」を紹介しました。それを踏まえてBill One開発のオンボーディングでは何を重要視しているのかを紹介します。

オンボーディングにおいて大事にしていること

特に大事にしていることはコミュニケーションです。できるだけ気軽にコミュニケーションを行える状態になることを目指してオンボーディングを考えています。 以下の記事にもあるように、コミュニケーションから生まれる知見や知識の発見、そして体験の機会を自己成長の糧にするという流れを意識しています。

また、オンボーディングを終えた後に、前職と同じパフォーマンスで開発ができている状態になっていることも期待しています。

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オンボーディングの流れ

詳細に書くとかなり長くなってしまうため、大きな流れと補足事項で紹介したいと思います。個人ごとに進みが違ったり、沿わない形でオンボーディングが走ることがありますが、大抵こんな感じの流れです。 (ガイド行動は全てに対して関わってきますので省きました。)

オンボーディングの流れ

まず人事研修を終え、Bill One開発に参画してもらうタイミングでWelcome朝会*1というイベントが発生します。そのあとはTODOチェックリストを基にBill Oneというプロダクトや、開発方針などを知ってもらうような動画やドキュメントを参照してもらいます。そしてその後プロダクトに参画します。

大きな流れで見るとあまり突出したものはないのですが、Bill One開発ななはち*2や、PdMタイム*3など、人によってはあまり体験したことがないようなイベントも発生します。また、オンボーディング視点ではないですが、スプリントイベントにも参画したりするので、画像の内容よりも濃い過ごし方になると思います。あとランチや飲み会なども発生します。

これは蛇足なのですが、どうしてもWelcome感を出したくTODOチェックリストにこういった文言記載して足掻いています。些細なことなのですが、Bill One感が出てて良いなと思います。(言語化不可)

welcome message

これからの取り組み

ここまで現状のオンボーディングで大切にしていることや、実際の大きな流れを紹介しました。ですが、まだまだ書き切れないほどの改善事項があります。

  • 適切な情報を適切なタイミングで渡せるか?

  • より良いオンボーディングにつなげるためのFeedbackループをどう構築するか?

  • オンラインオフライン関わらず、どう効果的にコミュニケーションをとる基盤を作るか?

  • グローバルなメンバーが増え、それに即した施策をどう構築するか?

  • オンボーディングを行う側へ、効率的な作業のプロセスをどう構築するか?

など...。

Bill One開発は全体的に改善への取り組み意欲が高く、オンボーディングに関しても例外ではありません。数カ月後にはガラッと変わっていることもあると思います。 オンボーディングをする側も受ける側も、より効果的で効率的なものに変えていき、組織が拡大してもそれを維持する変化に追随すること。そして何よりなじめているという状況を作り出せることを大事にしたいと思っています。

まとめ

道半ばな活動ではありますが、この取り組みを実らせ、Bill Oneへ参画してよかったと思えるようなオンボーディングを考えて実施していきたいと思います。 また、この記事を読んでオンボーディングに興味を持っていただいたり、自社のオンボーディングを振り返る機会になれば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

組織になじませる力ーーオンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ

*1:開発メンバー全員が集まり、顔を合わせて自己紹介やチーム紹介などをして認知してもらうイベント

*2:自分が所属していないチームとの会話を30min * 3回行うイベント

*3:マネージャーとプロダクトのミッションやビジョンを共有するイベント

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