こんにちは。Sansan プロダクト開発部 奥野です。
8/2に当社のSansan Innovation Lab (以下 SIL)にて、「これからの開発チームのあり方を考える」と題して勉強会を開催しました。
今回の勉強会では、オムロン株式会社、株式会社リブセンスより登壇者をお招きしました。 さらに弊社 Sansan からも登壇し、3社からの事例発表となりました。
当日の京都は、最高気温がなんと37.9度まで上がりました。 とてつもない熱気のなか、19名の方にお集まりいただきました。
このブログを何度もご覧いただいている方はご存知かと思いますが、SIL は京都の古民家をリノベーションしてオフィスとして利用しています。
京町家に詰め込まれた、涼しさを呼び込む先人の知恵の結晶…そしてオフィスエアコンの二段構え。室内はガンガンに冷えきっていました。快適です!
エンジニアが実践した働き方改革の紹介
まずはじめに、オムロン株式会社の羽山さんからの発表です。
社内で取り組まれている「The OMRON Global Awards(TOGA)」という企業理念実践活動のなかから、エンジニアが実践した働き方改革について紹介いただきました。
今回は、社内で開催された活動報告会を録画したビデオを投影いただきました。 現場主導で推進してこられた働き方改革の活動について「イノベーションのための働き方改革の実践1,000日」と題した事例の紹介でした。
ビデオの中では、実際に活動を推進されていたエンジニアの方が熱く報告されており、改革を実践してきた当事者だからこその言葉の重みが伝わってきました。
働き方改革に向けての挑戦にあたって、意識の壁、風土の壁、葛藤の壁という3つの壁で困難さを表現されており、
なかでも前例も正解もない中で活動を続けていく不安と葛藤を表した葛藤の壁は印象的でした。
「共感が行動に変わるまでひたすら活動を続ける」という真正面からの向き合い方は見習わないといけないと思いました。
また、活動報告を受けてのマネージャ層からの講評もありました。 マネージャ層も職場活動を受けて学び、気づきを得て、署名入りの行動宣言を提示したという成果もあったということで、非常に熱のこもった講評でした。
従業員数が数万人規模の全社で、熱量高く、こういう取り組みがなされているのが驚きでした。
リブセンスでの機械学習システム開発・運用と研究・開発アシスタントの取り組み
次に、株式会社リブセンスの田中さんからの発表です。
「研究・開発アシスタント」として学生アルバイトを雇うにあたっての業務設計の工夫について紹介いただきました。
学生アルバイトには時間の制約、業務範囲の制約という2つの制約があるとのこと。
学業優先のため、業務時間の変動が発生したり、時期によっては長期不在が発生したりするという時間の制約。 そして、Webアプリ開発経験に不慣れであったり、職務権限上依頼できない作業が存在したりするという業務範囲の制約。 これらの制約にどのように対応しているかについて紹介されました。
例えば、時間の制約に対しては、個別タスクを割り当ててるのではなく、プロジェクトとして背景やゴールを明文化して業務依頼することで、 学生アルバイトが各自のペースで、各自の判断で業務を進められるようにする。 業務範囲の制約については、1プロジェクトで開発するコンポーネントを1つに絞ることで、必要となるスキルを限定する。 そういった業務設計を行うことで、学生アルバイトの生産性向上を実現しているとのことです。
色々な制約がある学生アルバイトに対しては、単純で簡易なタスクを割り振るといった方向に得てして落ち着きがちですが、
リブセンスさんでは学生アルバイトの業務内容は「成果が出るかわからないが、挑戦する価値があること」だそうです。
学生アルバイトがいなくなったら「新機能開発や技術的チャレンジに取り組む機会が減る」と言い切ってしまえるところまで開発運用の設計がなされていることに感心しました。
リブセンスさんで働くことに対して、学生アルバイトの満足度も高いのではないかと思いました。
壁を越えるチームを目指して
最後に、弊社 Sansan 中村から発表です。
関西支店のエンジニアチーム(MAIDO)が現在抱えている課題と、それに向けての取り組みについて話しました。 私自身も同じ MAIDO チームのメンバーであり当事者にあたるので、落ち着かない気持ちで聞いていました。
関西支店で立ち上げた開発チームにおける、立ち上げ当初から現在に至るまで歴史を紹介し、 合わせてエンゲージメントスコア*1の推移、チームで発生した変化についても見ていきました。
変化を受けてエンゲージメントスコアは低下し続け、チームの課題が顕在化していきました。中村は、課題として「環境変化に弱い」「過度な部分最適」をあげています。 それらの壁を乗り越えるために、全体最適の目線を持つこと、その上で自分たちの文化も大事にすることの必要性を挙げ、個々が活動の領域や視野をチームの外にも向けていくことが大事だと述べました。
自分とは違う観点でチーム分析をしていたので、フムフムと感心しながら一人の聴衆として聞いてました。
これらの課題に対してチームとして向き合い始めたところです。 まず第一歩として、自分たちが何を大事にしているかの棚卸しをしました。今後、壁を超えるためのアクションを決めて動き出していきたいと思っています。
懇親会
すべての発表が終わると、お寿司を囲んでの懇親会となりました。「まるで法事のよう」と。
登壇された羽山さんがハイボールを振る舞ってくださいました。なんでもハイボールを振る舞うために勉強会を渡り歩いているとか。
本日は登壇してくださった羽山様がその場で作ったハイボールを振舞ってくださっています。#33SIL pic.twitter.com/F68yIlHfNN
— 【公式】Sansan (@SansanJapan) 2019年8月2日
何名かの方とお話させていただきましたが、組織のあり方、組織論についてはみなさん興味がお有りのようでした。 そういった勉強会のニーズは高そうなので、今後も行っていきたいと思います。
また、京都開催にも関わらず、大阪から来ていただいている方も多く、関西支店(大阪の西梅田にあります)での勉強会開催も歓迎いただけそうです。
懇親会終了の21時30分まで、なんと出席者全員が欠けることなく歓談を楽しんでいただけました。
最後に
今回は京都のSILでの勉強会でしたが、関西支店でも勉強会を開催していきます。 関西支店は先日リニューアルし、広く開放的なオフィスに生まれ変わりましたので、ご期待いただければと思います。
*1:Sansan では wevox というサービスを活用してエンゲージメントを可視化しています