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オンラインイベントの配信方法(StreamYard・自動字幕活用編)

こんにちは。プロダクト戦略開発室の相場です。技術系イベント等を担当する非エンジニアで、最近は細々とAWSを勉強中です。

本記事は Sansan Advent Calendar 2020 18日目の記事です。

さて、今年は新型コロナウィルスの影響により、イベントがオンライン化されました。私自身これまでもオフライン主体のイベントを、専門の配信会社を入れて配信した経験はありましたが、実際に自分でツールを使ってイベントを配信することは初めてでした。自分なりにこの1年間で色々なツールや機材を調べたり、試して配信をしてきたので、今回は簡単にできるオンラインイベントの配信ツール・機材等をまとめてご紹介したいと思います。

配信ツール

Zoomは操作も簡単で、安定した配信が可能なため、勉強会の配信で使うことも多いですが、Zoom単体の使用では画面構成を選ぶことができず単調になりがちです。OBS等のエンコーダを使えばレイアウトの自由度は上がりますが、機材の準備が必要になり配信の難易度が上がります。そんな時に見つけたのが StreamYard です。ブラウザ上でスイッチャーを使うように画面の切替が可能で、人物やスライドの大きさを複数のパターンから選ぶことができ、YouTube Live等に接続して配信を行います。有料プラン(月額$20〜)ではオリジナルのバナーやロゴを入れることもできます。
StreamYardの詳しい使い方は下記など他にも多数の記事がありますので、こちらでは割愛します。
hashikake.jp

実際に使ってみて良かった点

  • 人物やスライドを配信画面に載せる権限がホストにある(意図しない画面の共有を防ぐことができる)
  • 管理画面に動画をアップロードしておくと、1クリックで動画を再生できる(音も同時に共有される)
  • YouTube Liveのコメント欄にきた質問/コメントを選択して画面に映すことができる

StreamYard上ではバーチャル背景をセットすることができません。またiPadやiPhoneではスライドを共有することができません。スピーカー側の操作は簡単ですが、StreamYardを使用したことのあるスピーカーは多くはないので、環境説明とあわせて、事前に接続テストができるとベターです。

配信機材

  • PC
  • マイク:コンデンサーマイク
  • カメラ:一眼レフ
  • 照明:LED ビデオライト

PCは配信用、視聴画面確認用等用途別に必要な台数を準備します。1つのPCを複数の用途で使用すると音声の問題などが起きやすくなります。(実際に視聴画面を切り忘れ、音声を共有したため、音声のループが起きてしまいました。)
またマイクやカメラはPC付属のものを使っても良いですが、照明有無により見え方が大きく異なるので、照明は用意することをオススメします。スタンド型の照明でなくても、PCに接続して使うタイプのリングライトは自宅用に一つ持っておくと便利です。

字幕ツール

海外スピーカー登壇の際は、事前収録 or ライブ、通訳あり or なし、字幕あり or なし等パターンがいくつかありますが、今回はライブ登壇での音声認識による自動キャプション(字幕)をつけた例をご紹介します。

UDトークを使用することも検討しましたが、使用する配信ツールにより、ホスト側で音声を認識させるとどうしても精度が落ちてしまうため、スピーカーにお願いしてスライドに字幕をつけていただくことにしました。字幕の精度も高く、費用もかからず、他にツールをインストールする必要もないので、とても手軽に利用することができます。

他に検討した方法についても少し触れたいと思います。
Youtube Liveで自動字幕がついたものを見かけたことがある方も多いと思いますが、チャンネル登録者が 1 万人以上の英語チャンネルを対象に提供が進められており、ハードルが高いです。
通訳を入れる場合は、Zoomの通訳機能を使うと、同じ画面で参加者が好みの言語を選んで視聴することができます。
今後試してみたいものは、ZoomとOtter.aiを使った自動字幕です。スライドに字幕をつけた場合、参加者側では字幕のON/OFFができませんが、Zoom+Otter.aiでは参加者側で字幕をON/OFFができるようなので、また別の機会に試してみたいと思います。

配信例

実際にこれらを組み合わせて配信したイベントの様子がこちらです。

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『レガシーコードからの脱却』の原著者であるDavid Bernstein氏をお呼びしたイベント「Builders Box - ON AIR」
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同イベント 別セッションの様子:翻訳者 原田騎郎氏と弊社CTO 藤倉との対談
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StreamYard ホスト画面

ホスト画面では配信画面下でスピーカーやスライドの入る大きさ等を1クリックで選ぶことができます。
また参加しているスピーカーやスライドの一覧も表示され、配信画面に載せるものを選択することができます。

講演の内容が気になる方はこちらにイベントレポートも掲載しているので、チェックしてみてください。

まとめ

この1年でオンラインイベントに関わるものが大きく進化しました。新しいツールが生まれ、新しい機能が追加され、配信する側も試行錯誤を繰り返して、一定のパターンはできてきていると思います。一方、参加する側もオンラインイベントに慣れ、飽きているのが現状です。どんな形になるにせよ、オンラインイベントはこれからも続いていくことは間違いないので、色々なツール等を取り入れつつ、参加したいと思わせるオンラインイベントを企画していきたいと思います。
また来年初めには社内に撮影スタジオができる予定なので、これまでとは違ったイベント配信ができるのが楽しみです。



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