こんにちは。技術本部 Mobile Application グループで キャリアプロフィール「Eight」 iOS 版の開発を行っている石田です。
さる 09/10(土)から 09/12(月)にかけて開催された iOSDC Japan 2022 に参加しましたので、遅ればせながらレポートをお届けします。
先日この Sansan Tech Blog で谷口からお知らせがありました通り、今年の iOSDC Japan には弊社から二名が登壇、一名がパンフレットに記事を執筆しました。
私自身はそのどちらでもありませんが、ニコ生上で流れた数多くの 888888
の裏側にはこんな参加者もいたんだな、ぐらいの気持ちでお読みいただけると幸いです。
一オンライン参加者の風景
今年は迷子による遅刻感染防止のため、オンライン参加としました。
開催中は
- iPad でニコ生を表示 + 逐一コメントしながら
- Mac で Slack に思いの丈を綴り
- Android で Twitter に稀につぶやく
だけで手一杯になってしまい、Discord には触れられずじまいでした。
(外部の方の目に触れることのない)Slack なら後で見返すのも便利ですし 社会性フィルタも不要ですが、どうしてもフィードバックとは対極にあるものなので、「参加者」を名乗るからには来年こそ増やすぞリアルフィードバック! という気持ちでいます。
印象に残ったトークや LT など
day0
ノートアプリのテキストエディタの解体新書 / かっくん(@fromkk)さん
かっくんさんのトークは、昨年の iOSDC Japan のものも虚を突かれる思いがして印象的だったのですが、今年も大変印象的でした。
普段当たり前に使っている(ユーザが無意識に期待している)機能をこまかく因数分解してまた組み上げ、実装していくのはとても大変そうだなと思う一方で、とてもわくわくする自分がいます。
文章を書くのは苦手だけど、この成果に触れられるなら使っちゃおうかな note。そんなことを考えました。
day1
アニメーションAPIのすべて / 岸川 克己(@k_katsumi)さん
アニメーションの微調整に悩んで何十回とアプリのビルドを繰り返した過去の自分と、いつかまたアニメーションを実装するであろう未来の自分に贈りたくなるトークでした。
そして、見れば見るほどに浮かんでくる疑問と、その種明かしについても得がたい経験でした。
day1 のオープニングの中で iOSDC のトークは「講義」ではなく「双方向コミュニケーション」
であるという説明がありましたが、その直後のトークでこの経験をできてとても良かった。すごいものにすごいと言える、惜しみない拍手を送ることを望まれているのは幸せなことだなと思いました。
レガシーなプロダクトからドメイン層を再設計する / 石井 潤さん、高橋 陽太郎さん
FatXxxx(今回は Presenter)という「あるある」から始まる、骨太なトークでした。
伝説は本当だったんだ! と呟きたくなるのが半分、「あるある」から始まるのだからその後の展開だって「あるある」なのだと気を引き締めるのが半分です。
トークに登場するのはすごい方ではあるけれど、そこでさすが◯◯さんだ! と切り離してしまうといざというときに自分に求められた職務を果たせなくなる。これは伝説ではなく他山の石なんだなと。
ときに終盤に登場する駅の概念について、路面電車などにある「◯◯駅前」駅の扱いはどうなるのかとても気になりました。職業病かもしれません。
day2
Xcode が遅い! とにかく遅い!! 遅い Xcode をなんとかする方法 / Yoshimasa Niwa(@niw)さん
Xcode は遅い。Swift で書くようになってから一層遅い。SwiftPM を使うとまたちょっと遅くなった気がする……けど、困ったら再起動でなんとかなるよねと思考停止していた状況だったので、このタイトルに矢も盾もたまらず飛びつきました。
Xcode が遅くなるメカニズムを紐解き、解決方法(ときにはバージョンアップで解決するという朗報)を教えてくださる良いトークでした。
LINE iOSのビルド環境の変遷 / Giuk Jung さん
day2 の 12:00 の枠は iOS のビルド環境に関するトークがふたつ重なっており、どちらに参加するか、しかしデザインシステムも気になる……と悩んでいましたが、@giginet さんのツイートに興味を引かれて見にいきました。
結果、話に違わぬ赤裸々ぶりでした。「LINE(株式会社さん)は良い会社です」全肯定です。
なお、すぐ上でご紹介した Xcode が遅い! とにかく遅い!! 遅い Xcode をなんとかする方法
から流れで閲覧することをお勧めしたいです。
鉄道アプリを支えるテクノロジー / Hiroshi Shikata(@dotrikun)さん
説明は不要です。かっこいい要素しかないです。
サポートiOSバージョンを定期的にあげる仕組みづくり / FromAtom(@FromAtom)さん
今年の iOSDC Japan には SwiftUI に関するトークが複数あり、頻出するのが「iOS 13」という単語でした。
新たなチャレンジだけでなく、アプリの品質やユーザの方の体験向上を見据えるほどにサポート対象の OS には頭を悩ませることになりますが、どこまでをサポートするか、その選択肢を言語化していただけたのはありがたかったです。
どこまでをサポートするべきか、今回は対象外とする際の文脈でしたが、本当は日々の施策を考える際にも意識すべきことだったなと、少し反省をする次第です。
iOSDC Japan 2022 のハイブリッド開催に寄せて
コロナ禍となってから2年半あまりが経過しました。
WHO がパンデミックの収束が視野に入ってきたと発表したとの報道もありますが、繰り返されてきた波が半年後には凪いでいるのか、それとも次が到達しているのか、個人的にはまだ見通しづらい状況にあると考えています。
カンファレンスへの参加を考える一人ひとりの方に、居住地や家族形態や考え方があり、オフライン | オンライン開催を望む理由があって、それはどちらも正しいのだと思っています。
今回、iOSDC Japan 2022 はハイブリッドで開催されましたが、それを企画し、実現するための労力は、オフライン | オンラインのいずれか片方で開催するときよりもはるかに大きなものであったと思います。
実行委員長の長谷川さまをはじめとするスタッフのみなさま、ご協賛くださったスポンサーのみなさまに、参加と選択の機会をくださったことに心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
そして登壇やパンフレットの記事で(私の)世界を広げてくださったみなさま、一緒に手を叩いてくださった参加者のみなさまも、ありがとうございました!
最後に
iOSDC Japan 2022 After Talk を開催します
来たる 10/05(水)の19時より、株式会社 Mobility Technologies さん、株式会社アンドパッドさんとの三社合同で iOSDC Japan 2022 の振り返りイベントを開催します。
各社エンジニアによる LT、iOSDC Japan 2022 を振り返るパネルディスカッションのほか、特別講演として 平田 敏之(@tarappo)氏にもご登壇いただきます。
iOSDC Japan 2022 に参加された方も参加されなかった方も、ともに楽しめるイベントとなっていますので、どうぞ connpass よりお気軽にご参加ください。
最後の最後に
iOSDC Japan 2022 の開催期間は終わってしまいましたが、ニコニコのプレミアム会員(もしくはタイムシフトを予約済みの方)なら 10/12(水)23:59 まで引き続き閲覧が可能、09/26(月)24:00 までフィードバックが可能です。
一説にはブログを書いてブログリンクに報告するまでが iOSDC Japan とも言われていますが、気になる発表を見切れていない私の iOSDC Japan 2022 はまだ続きますし、新しく公開されるブログを拝読して振り返る・追体験するという楽しみもありますね。
今しばらくこの余韻を楽しんでいきましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!