海外開発拠点設立準備室の 藤倉 です。
現在、Sansan 初の海外開発拠点として、フィリピンのセブ市でオフィスの設立準備を進めています。先日、プレスリリースでも発表しました。この記事では、なぜ海外拠点なのか、なぜセブなのか、なぜ今なのか、現在の状況はどうなっているのか、などなど書いてみたいと思います。
フィリピンのセブ市
セブ市はフィリピンのセブ州の州都です。日本では、ビーチリゾートとして有名なセブですが、セブ市にはビーチはありません(たぶん)。セブ市を中心としたセブ都市圏 ※(メトロ・セブ)で見れば、マニラに次ぐ第二の都市圏です。人口は 200 万人以上います。
※ 都市圏というのは、政府によって正式に認められた都市の範囲です。メトロ・マニラやメトロ・セブがあります。
有名なビーチリゾートはセブ島のすぐ横にあるマクタン島というところに密集しています。国際空港もマクタン島にあります。
セブ市の中でもオフィスビルが密集している場所がいくつかあります。特に BPO やコールセンター業務などを国外から請け負っている事業所が多いのが、ビジネスパークと IT パークです。当社のオフィスは現在ビジネスパークに構えています。
なぜ海外開発拠点?なぜセブ?
我々がなぜ、海外に開発拠点を作りたいのか。その理由はいくつかあります。
一つ目は、日本にこだわらず、一人でも多くの優秀なエンジニアに仲間になってもらいたいからです。日本でも引き続き採用活動は行っていきますが、これまで以上に素早く成長していくためには、日本にこだわる必要はないのではないかと思っています。また、当社のプロダクトは国外のユーザー企業様にもお使いいただいています。いろいろな国の方々に使ってもらうプロダクトが日本だけで開発されていることの方が不自然ではないでしょうか。
また、アジア地域での営業拠点として Sansan Global Pte. Ltd. がシンガポールにあります。ここで働いているメンバー経由で、営業現場の状況や、ユーザー様からの声を教えてもらっています。このメンバーと直接会話をして、プロダクトのあるべき姿を考えるとき、やはり英語で会話できることが重要です。アジア地域で英語を日常的に使う国に開発拠点を構えることができれば、英語を話すエンジニアに入社してもらいやすくなるだろうと考えました。そのため、フィリピンは有力な候補の一つとなりました。
そして、日本、シンガポールからの行き来がしやすいという点でもフィリピンは魅力的です。お互いの国をわずか数時間のフライトで訪ねることが可能です。
フィリピンの中でも、首都であるマニラにするか、セブにするか、という選択肢がありました。そこで、今年の三月に実際にフィリピンを訪問し、両方の都市を訪れました。マニラの印象は非常に洗練された都市で、規模も大きいです。人口が多く発展していることは良い点ですが、その反面、交通渋滞が非常に大きな問題にもなっています。一方、セブは第二の都市圏とは言っても、マニラに比べれば牧歌的な雰囲気が強いです。Sansan 初めての海外開発拠点を作るにあたり、現地のメンバーと一緒になって、拠点の成功や充実した開発をしっかりとやっていくことを想像したとき、マニラよりもセブの方がやりやすいだろうと感じました。
なぜ今なのか?
実は、海外開発拠点についての検討は 2019 年頃には始まっていました。当時、国外事業のささやかな手応えを感じ始めたところでもあり、その後も順調に成長するのであれば、そろそろ開発拠点のことも考えた方がいいだろうというタイミングだったのです。
どの地域がいいのか、どんなチームが作れるのか、予算はどのくらい必要か、などを考えました。また、過去や現在に、アジア地域で開発チームを立ち上げたことがある方々からお話を聞いたりもしました。そして、いざ現地に視察に行こうと計画したちょうどその時にパンデミックとなり、計画を一時中止せざるを得ない状況となってしまいました。
しかし、その後も国内外のコロナ禍の状況を観察しつづけ、計画の再開を模索していました。やっと今年、2022 年初めに渡航ができそうだということで、プロジェクトを再開しました。
セブ島オフィスのこれから
セブ島でのチームづくりは始まったばかりです。社員もまだ数名しかいません。これからは仲間を増やしていき、特に日本国外のユーザー様にご活用いただく機能の開発を中心に進めていこうと思っています。
あまりに急激に人数を増やすことで発生する問題は避けたいですが、できるだけ早く 100 名体制にすることを目指して頑張っていきます。