Sansan Tech Blog

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Vol.02 組織として、定期的に品質向上と改善に向けた取り組みをどのように推進しているか

Bill One 開発 Unit ブログリレー2024の第2弾になります!

なお、本記事はSansan Advent Calendar 2024の4日目の記事です。

こんにちは。技術本部 Bill One Engineering UnitのCore Business APグループでエンジニアをしている藤岡です。2024年9月にSansanへ転職し、まだ3カ月と短い期間ではありますが、その中でBill Oneのエンジニア組織が一丸となってサービスの品質向上に取り組む様子を何度も目にしました。私自身が感じたBill Oneのエンジニア組織が品質向上と改善に向けた取り組みをどのようにしているかを共有したいと思います。

Bill Oneとは

本題へ入る前に、Bill Oneをご存じでない方もいらっしゃると思うので簡単に紹介します。

Bill OneはBtoB SaaSとして提供されるインボイス管理サービスで、「請求書受領から、月次決算を加速する」というタグラインのもと、請求書業務のオンライン化と効率化を目指しています。 このサービスを通じて、企業の意思決定スピードの向上を支援しています。

請求書という機密性の高い情報を取り扱うため、Bill Oneサービス全体で高い品質とセキュリティが求められています。エンジニア組織はその課題に正面から取り組むため、さまざまな仕組みやプロセスを導入しています。

品質向上と改善の具体的な取り組み

Bill Oneでは、サービス全体の品質向上を目指して、2つの重要な取り組みを定期的に実施しています。

1. アップデートウィーク

アップデートウィークは、ライブラリやフレームワークを定期的にアップデートするための施策です。

Bill Oneは複数のマイクロサービス*1で構成されており、各サービスには専任の担当領域を持つエンジニアが配置されています。*2 各マイクロサービスではさまざまなライブラリやフレームワークを利用しています。これらのライブラリやフレームワークは定期的にアップデートが行われており、セキュリティの脆弱性の修正や新機能の追加などが行われています。このアップデートをBill Oneサービスに組み込むことはサービス全体の品質向上につながるため、毎月1回、アップデートウィークを設けて実施しています。 すべてのマイクロサービスを対象としているため、次のプロセスを通じてアップデートウィークの向上を図っています。

  • 自動検知と判断: Dependabot*3を活用して各ライブラリやフレームワークのアップデートを検知。領域担当がアップデート実施の可否を判断します。
  • テストの徹底: アップデート後、整備されたユニットテストを実行して問題がないかを確認します。
  • リグレッションテスト: QAチームも協力し、本番リリース前にリグレッションテストを実施します。

アップデートには破壊的変更が含まれる場合もありますが、確立されたテスト体制があるため、安心して取り組むことが可能です。

2. エンハンスウィーク

エンハンスウィークは、四半期ごとに「1週間を普段の開発では優先度が上がりづらい作業に充てる」ことを目的として実施されるお祭りみたいな施策です。*4

技術的に興味のあることの深掘りや運用改善など、なんでも自由にやっていい週なのですが、Bill Oneはサービスローンチしてから約4年半が経過し、サービスの拡大に伴って開発初期には想定できなかった課題や技術的負債が積み上がっています。このため、エンハンスウィークで何らかの品質向上や改善に向き合っている人が多い印象です。 最終日には成果を共有し、組織全体でナレッジを蓄積しています。

エンハンスウィークを通じてサービスや組織が着実に進化していると感じます。

なぜこうした施策が実施できているのか?

アップデートウィークやエンハンスウィークは、品質向上や改善において重要ですが、実施期間中は機能開発が一時的に停滞する可能性があります。それでもこの取り組みが実現できている背景には、企業文化がきちんと根付いているからではないかと感じています。

Sansanには「Sansanのカタチ」という行動指針があります。行動指針なので品質向上や改善といった施策に直接関係しているわけではありませんが、何か指標を決めたり判断したりしないといけないときに組織や社員がこれを強く意識して行動しています。

さらに、Bill Oneのエンジニアは、開発以外も含めて自らの意見を持ち、実現に向けた行動を起こせるメンバーが多いことも施策がうまく実施できている要因の1つだと感じています。

まとめ

Bill Oneのエンジニア組織がどのように品質向上と改善に向けた取り組みを推進しているかを紹介しました。こうした継続的な取り組みを支える文化と仕組みが、サービスの信頼性と成長を支えています。

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Bill One 開発 Unit ブログリレー2024はまだまだ続きます!
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*1:この記事を書いている時点で総数は60を超えています。

*2:アーキテクチャ設計についてより詳しく知りたい方は、4年で17倍に成長したエンジニア組織を支えるアーキテクチャの過去と未来 - Speaker Deckをご覧ください。

*3:アップデートウィークとは直接的な関係はありませんが、ブログリレーVol.08でBill Oneのセキュリティアップデート検知にDependabotを活用している記事が公開される予定です。ご期待ください。

*4:元々は「Bill Oneをローンチした日を記念して、毎月定期的に運用改善とかやりましょう」ということで始まったものが今の形式になったようです。

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