こんにちは。Sansan Builders Box 編集部の鈴木です。
Sansan に在籍している3人の「鈴木」が集まって対談ブログにしようという企画です。
初回のテーマは「チームビルディング」。Sansan のデザインマネジャーと Eight エンジニアマネジャーがそれぞれのチームづくりについて語る後編です。
前編はこちらからお読みください。
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○ 登場する鈴木たち
鈴木 康寛 (本文中:康)
Eight 事業部 CEM (Chief Engineering Manager)。Eight 開発チーム全体のマネジメントや、VPoE のオーダーのもと、エンジニアの成果向上と働きやすい環境づくりに取り組む。
鈴木 翔 (本文中:翔)
Sansan 事業部プロダクト開発部 デザインマネジャー。デザイン業務をやりながら、チームの目標管理やモチベーションアップの施策を考えるほか、事業部としてのデザイン的な意思決定にも携わる。
編集部の鈴木 (本文中:編)
Sansan Builders Box 編集部員。コーポレートブログmimi や Eight Blog にも現れる。ブランドコミュニケーション部所属。
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Eight エンジニアのチーム体制
康:Eight に関わっているエンジニアは50人くらいで、チームとしては6つ。ざっくりいうと、グローバル、個人向けサービス、法人向けサービス、モバイル、サポート開発、事業部の課題をエンジニアリングで支えるチーム、という感じ。自分は、個人向けサービスの開発のグループリーダー。かつ、CEMとしてエンジニア全体を見てます。
編:エンジニア全体を見るって、例えばどういうことをするんですか?
康:1 on 1したり、一人ひとりの変化を察して必要に応じてケアしたりとか。
翔:どうやって察するんですか?
康:難しいんですけど(笑)、2週間に1回のアンケートを実施してます。CEM体制になった時に、定量的にエンジニアの状態を察知するシステムが欲しいと思って。
翔:どんな内容なんですか?
康:Eight エンジニア版 の Values*1 を作って、それについて5段階で自己評価をしてもらってます。
編:Eight エンジニア版 Values って何があるんですか?
康:全部で4つで、「成長できている」「納得感を持って開発できている」「長期的な視点で開発できている」「集中できている」というのがその項目です。定期的にアンケートをとっていると、人によって回答の推移に特徴が出てくる。その理由などを 1 on 1 で聞いたり。
Eightエンジニアメンバーと鈴木(康)
編:1 on 1 は全員とするんですか?
康:それもあらかじめアンケートをとっていて、メンターが欲しい人を優先して定期的にやってます。なので人によって頻度はバラバラですね。今はEMの3人で分担しているけど、本当はチーム内で完結するのが理想です。個々の成長に向き合う時、同じチームなら技術的な観点や状況などの細かいところもわかるので。表面的なフォローにしたくないなぁと。一方で、同じチームだからこそ話せないこともあるかもしれないと思うので、そこに関しては自分のような立場の人間がいることは意味があると思う。1 on 1 をやるようになってそういう課題が見えてきたので、今後は体制を見直したいと思っていますね。
エンジニアはなろうと思えば「孤独」になれる
康:1 on 1 には効果があるなって思ってます。うまく言い表せないけど、エンジニアって孤独になろうと思えばすごく孤独になれるんですよね。
翔:名言出ましたね。
康:(笑)。本当にそうなんです。一人でも、決まっているものを作ることはできるし。でも、人間なんで、やる意味に迷いを持ったり、エンジニアとしてどう成長していくかに悩んでるメンバーも多い。会社に求められていることとはまたちがうところで、課題を感じてるんですよね。いいものを作る「技術」だけではなくて、長期的な視点でエンジニアとして「成長」していきたいとか。1 on 1 だと普段より踏み込んで本音ベースで話を聞けるので、どんなことを求めているかがわかり、それをもって、組織としてどうやってアレンジメントしていくかを考えてます。
編:本音で話すためには、信頼関係が必要ですよね。
康:それをまさに 1 on 1 で築いていっている感じです。最初に、なぜ 1 on 1 をやるかの目線合わせをして。
翔:なるほど。1 on 1 によって共通認識を持てるのは大きいですね。
康:そうですね。人に合わせてやり方も変えてます。一人ひとり求めていることも違うので。
プレーヤーであり続けることが、メンバーとの信頼関係を作る
翔:勉強になるなぁ。僕はチームメンバーに対してそんなに入り込んでいってないんですよね。そこまで組織的なチームじゃないこともあるかもしれません。僕はマネジメント専任じゃないから、信頼を得るためにというか「同じ釜の飯を食ってる感」がどれだけあるかが大事で、そういう意味でプレーヤーであり続けるという感じですね。
康:話を聞いていると、チームのメンバーが、役割を認識して自己組織化できている人たちなんだろうと思います。そういうチームだと、そういう形がいいですよね。
翔:そうですね。
康:Eight エンジニアは人数も多いし、その中にはジュニアメンバーも少なくないから、マネジメント方法に差が出ますね。
翔:確かに。Sansan のデザインチームはみんな自立していて、マネジメントしなくてもちゃんとできる人たちなんですよね。必ずしも自分の方が経験豊富というわけでもないですし。なので、バラバラでも成果を出せるけれど、それを最大化していくというところが自分の役割ですね。
康:理想的ですね。そういうチームを目指したいです。
チームとして目指すもの
翔:Sansan プロダクトのデザインチームのいいところは、同じ目線でプロダクトをよくすることに向き合えていることだと思う。問題意識が揃ってるというか。それでも少しはズレがあるから、例えば言葉の解釈とか。そういうことの微調整のためにワークショップをやりました。コンテンツとしては「お互いを知る」ということもやったし、デザインレビューをやってる中で課題になっている「レビュワーとしての目線のばらつき」をなくすためのすり合わせなどをやりました。その中の一つに「どういう人が Sansan を使うのか」ということがあるんですが、それを深く掘り下げてペルソナを定義したり。結論よりすり合わせの過程が大事なんで、かなり丁寧にやってます。ペルソナを立てる理由も人によってちがって、個性が見えます。やらなくてもいいかもしれないけど、そこをあえてやってやろうと。
カラーの微調整について相談を受ける鈴木(翔)
デザイン指針の成立
翔:目指しているのは「デザイン指針」の成立。Sansan プロダクトのデザインはこういうことを大事にしている、ということを誰もがわかるような形にしたい。それがあれば、新しいメンバーが入ってきてもすぐに伝えられるし、ブレない軸になるから。時間がかかるなぁと思いますけど。デザイナーとしても数字に向き合っていくことを意識していきたいんですが、これを深掘っていくとどうしてもユーザー体験とのぶつかりが生まれてきます。そこをチームとしてどう捉えて昇華していくかということを、指針に盛り込んでいきたいと思っています。さっき Eight エンジニア版 values の話がありましたけど、それはどうやって決めたんですか?
康:リーダー陣が集まって、2時間のMTGを4回くらいやりました。
翔:それをチームに展開した時の反応はどうでした?
康:割とすんなり受け入れられましたね。プロセスも結構丁寧に説明しました。興味ない人もいたかもしれないけど(笑)。
翔:抽象度が高くなるほど、無関心になりやすいというか、自分事にしづらいというか。そこのバランスが難しいですよね。
成長目標の明確化
康:現在のEight事業部では、EMっていう立場は、チームと少し外れたところでやっている活動になっていて、日々やっている業務との連動性がうまく表現できていないなと思っています。1 on 1 をやっても直近で活きることと長期的に価値があるものの意味付けが弱いなと。なので、具体的にやろうとしてるのは、エンジニアとしての成長目標の明確化です。それで、1 on 1 をその目標に対しての振り返りの場にしようと思っています。あとは、より現場の声を聞ける人として各チームに一人EMを置いて、チームフォーカスでマネジメントしていく体制にしていきたいなと思っていて、これは近いうちに実現させます。
次回の対談に向けて
翔:理想としては、今後もっと人を増やしていきたいと思っていて、大阪拠点にデザイナーを置きたいという話が出ていて。リモートでうまくやっていく方法を今後模索していかなきゃなと思ってます。
康:Eight はリモートメンバーがいるので、多少の知見があります。
翔:ぜひアドバイスを聞きたい(笑)。
編:ではそれを、次回の対談テーマにしましょう!
*1:Sansan株式会社の人格である「Sansanのカタチ」の構成要素