Sansan Builders Box

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1/10 TECH PLAY イベント参加レポ

こんにちは。SansanでEightのEMをしている鈴木康寛です。 昨年まではCEMとして活動していましたがEightの体制が変わり、よりチームに近い領域で活動していくことになりました。今年もよろしくお願いいたします。 ということで、新年一発目の記事です。

techplay.jp

1/10にTECH PLAYさんで開催された、エンジニア組織デザインに関するイベントに参加してきました。そのレポートとなります。 弊社からは、Sansanプロダクト開発部のエンジニア組織と日々向き合っている谷内が登壇したのでその応援も兼ねて行ってまいりました。

イベントのコンセプトとしては、異なる組織規模で直面するエンジニア組織の課題にフォーカスし、10名・50名・100名規模の組織フェーズにいる3社がそれぞれに直面しているハードシングスについて発表し、参加者と共に咀嚼するというものです。

思想を伝搬する機会を組織内で増やす

トップバッターはオクトでVPoEをされている下司さんの発表でした。

建設業の施工管理のためのサービスである、&ANDPADの開発組織の変遷と課題解決について話されていました。 2018年から2019年にかけてエンジニアの数が急増した事を受けて、直面した組織課題に立ち向かってきたこれまでの取り組みがメイントピックだったと思います。

このフェーズはEightの開発組織においての経験から、私自身も共感できるところが多く、特に「個」から「組織」への変化のタイミングで課題が噴出するのは、組織規模が大きくなる中では避けては通れないのだと再認識しました。 このフェーズは事業拡大のタイミングと重なることも多く、また立ち上げ当初から積み上がってきた技術的負債に関する問題が表面化する時期でもあること、また立ち上げ当初のメンバーと新規参入してきたメンバーとの暗黙知の差が大きく、育成やコミュニケーションにコストがかかるタイミングでもあります。

そのため、これまでスピード感をもって自身の成果を順調に出してきた古参メンバーにとってはストレスを感じやすい時期でもあるかと思います。これは古参メンバーにとってもチャレンジであり、ここで発生する課題を新規メンバーと一緒に解決しつつ、スケールできる組織に変容できるかが次なる組織フェーズを迎えるための大きな鍵になるなと思いました。

オクトさんが実践されていることで、思想を伝搬する機会を組織内で増やす というのがとても素晴らしいなと思いました。最もプロダクトを知っているCTOが先頭に立ち、そこにメンバーが協力してプロダクトの思想と歴史についてメンバーに知ってもらう機会を増やすというものです。 こういう施策は抽象的なテーマになりがちなので、そもそものプロダクトや事業ビジョンへの共感やカルチャーマッチが前提にある開発メンバーがそろっている、かつ、進め方も丁寧にされた結果、浸透が実感できる状態がつくれたのだと思いました。素晴らしいですね。

Live Direct

続いて、空のCPOをされている田仲さんの発表です。

空さんはホテルの収益改善のために、ホテル側に料金の値付けをサポートするためのサービスMagicPriceを提供している会社さんです。 不躾ながら、私自身このサービスの事を存じ上げなかったのですが、ホテルの経営を支える肝の部分に寄り添う素晴らしいサービスだと感じました。

その空さんが会社の価値基準であるコアバリューとして最も重要だと掲げるのが Live Direct というワードだそうです。 遠慮や忖度を止めて、本質志向で話し、行動していこうというものです。また、そこには過去にとらわれず、常に今と向き合って本質的に正しいものが何かを追求することも大事だと述べています。

Googleによる、成果の上げられているチームに共通して寄与している要素を調べたプロジェクト「Project Aristotle」によって提唱され、世の中にも一気に浸透した印象のある 心理的安全性 という言葉はその日本語訳から解釈が誤解されやすい言葉だと感じていますが、このLive Directという言葉はそのニュアンスをよりリアルに表しているワーディングだと感じました。

チームのメンバー同士が互いの強みを尊重して、互いに信頼し合える状況をつくり、そこから本音を言い合える環境にすることで、より質の高い判断や成果を生み出せるようにしていくためのコアバリューとして私も参考にさせてもらおうと思いました。

真摯に組織と向き合う

最後に弊社Sansanの谷内の発表です。 谷内はSansanのプロダクト開発部にてEngineering Managementグループのメンバーとして活躍しています。

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Sansanは従業員規模で600名を超え、プロダクト開発部の人数は100名規模になっています。 この規模の組織においては、谷内のように組織だけにフォーカスして課題解決を行うことをミッションとして担うメンバーが必要になり、谷内はそこで日々課題解決に向き合っています。

今現在取り組んでいるものとして、キャリアマネージャー制度というものを導入し、キャリアマネージャーが各エンジニアに対して育成を行うことで、個々がより力を発揮できる環境を作っていこうという取り組みです。 キャリアマネージャーがカウンセリーであるエンジニアと1on1を行い、個々が抱える問題に対処し、今後のキャリアを一緒に考え、そこでの取り組みが評価に結びつくようなトライを行なっています。また、この組み合わせはチーム横断で行なっており、ナナメの視点でフィードバックを行えるような構造になっています。

多くの問題は直属のマネージャーとメンバーという関係性の中で消化できるものが望ましいですが、そのアプローチで行き詰まってしまうことも少なからずあるため、それらに対処していくためにはこのナナメの関係構築が重要になってきます。

また、キャリアマネージャーがコーチングスキルを身に付けるなど、テクニカルスキルの獲得も行い、組織に所属するメンバーと真摯に向き合える状態をマネージャー自身も成長しながら作り上げていく姿勢を大事にしています。

姿勢とは「あり方」という言葉でも表現でき、大規模な組織において大切にしたいことです。 エンジニア組織は役割やパーソナリティが異なる多様なメンバーで構成されています。そこに所属するメンバーが他者を受容しつつ、組織として成果を上げていくために、そして困難を乗り越えるために、自分をまず理解し、他者を知り、協働していける組織づくりができる土台として、一人ひとりが組織の一員として どうあるか を考え、それを体現できるかがポイントになります。

今回発表させていただいたものと同様のテーマについて、弊社のイベントであるSansan Builders Boxで谷内が登壇した資料がありますので、こちらもご参考になればと思います。

speakerdeck.com

おわりに

今回他社さんの事例を含めて、異なるフェーズにて組織が直面するハードシングスについて改めて理解を深めることが出来ました。

自身がこれまでEightの開発組織において直面したことと同じような悩み*1はプロダクトや会社が違っても起こりうるのだなあと痛感し、再度身を引き締めるとともに、組織の状況に応じて事前に問題の芽をどう摘み取っていけばいいかを、改めて私自身も考えてみようと思います。


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*1:EOF2019にて私が登壇させていただいた資料があるのでご興味がある方は御覧ください。

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