Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

Google主催のPlaytime 2019に参加してきました

Eight事業部Android開発チームの田村です。 2019年12月6日に開催されたGoogle主催のイベントPlaytime 2019へ参加してきました。

Playtimeとは

Google Playが扱うコンテンツの中から選ばれたベストオブ2019の発表を行うイベントで、Google主催で毎年開催されています。
イベント当日はベストオブ2019の発表に加え、Googleの最新情報やアプリの運用に関する情報を発信する場でもあり、Google Playのトップパートナー企業の経営層、アプリ事業責任者が招待され、会場を訪れます。本記事を書いている田村は、Google Playのトップパートナー企業の経営層でも、アプリ事業責任者でもないですが、興味があったので参加させてもらいました。

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イベントのコンテンツ

大きく分けると以下になります。

  • アプリセッション
  • ゲームセッション
  • デモエリア
  • インタラクティブセッション
  • ベスト オブ 2019

18時から始まるベストオブ2019の授賞式までの間に、アプリとゲームについてのセッションや、デモエリアでのGoogle製品の体験、Google のエキスパートとのインタラクティブセッションなどが行われるスケジュールです。 残念ながらPlaytime2019でのセッションの内容や写真は全て外部公開が禁止されているため、本記事でもそこには触れずにお伝えできる範囲でお伝えしていきます。

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【つながりに効く、ネットワーク研究小話】vol.12 強いつながりの条件

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Sansan DSOC研究員の前嶋です。「つながりに効く、ネットワーク研究小話」の第12回です。静電気が怖いので、オフィスでは放電のために靴を履かずに過ごしているのですが、気を抜くとすぐに”””バチッ”””ときます。とても悲しいです。おすすめの対策法があれば教えてください。

この連載の第1回目「切れやすいつながりの見つけ方」では、「橋渡し的なつながりは消失しやすい」という研究を紹介しましたが、今回は逆に、「強いつながりとは何か?」という問いに対して、現在のネットワーク研究で分かっていることを紹介しようと思います。

古典的な理解

社会学者のマーク・グラノヴェッターは、かの有名な「弱い紐帯の強さ」論文の中で、「強いつながり」の条件を4つ提示しています。曰く、つながりの強さは「時間」「感情的な強さ」「親密さ」「相互的サービス」という4つの要素の組み合わせから構成されます(Granovetter 1973)。ちなみに、なぜグラノヴェッターが「強いつながり」という概念を必要としたかについては、以下の拙稿を御覧ください。

bnl.media

グラノヴェッターによるこの整理は、データによって実証されたものというよりは、彼による直感的な整理であり、その妥当性は後続の研究に委ねられました。

つながりの強さの「要因」と「測定」

初めて「つながりの強さ」それ自体に焦点を当て、これを実証的に検討したのがMarsden and Campbell(1984)による研究です。

まず、強いつながりの条件を2つに区分する必要があります。1つ目は「要因(predictor)」=「どのような要素があればつながりは強くなるのか」という次元で、2つ目は「測定(indicator)」=「何を測ればつながりが強いと言えるのか」という次元です。彼らは、どのような要素が要因、あるいは測定となり得るのかを検討しました。

デトロイトで行われた大規模な社会調査データを分析した結果、「感情的な強さ」と「親密さ」は、つながりの強さを「測定」する要素として最も優れていることがわかりました。一方で、「要因」としては、隣人や同僚という関係性が弱い一方で、親族関係が強いことが分かっています。

この研究では実は他にも様々な結果が得られているのですが、エビデンスとしては弱いものです。というのも、つながりの強さと関連する変数同士は強く相関しているため、厳密な影響がわかりにくくなるためです。そのため、グラノヴェッターによる整理の妥当性については、今でも議論が続いています。

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DSOCでのDatadog活用について

本記事は、Datadog Advent Calender 2019の12/25(水)の記事です。

DSOC インフラエンジニアの赤羽です。

Datadog Advent Calenderということで、DSOCでのDatadog導入から活用までをお伝えしたいと思います。

Datadogの導入理由

マルチクラウドの監視設定作業の負荷を下げられる

弊社では元々AWSを使用していましたが、最近はGCPも使用しており、マルチクラウドを効率よく監視できるツールを探していました。
Datadogには、インテグレーションという機能があり、対応したサービスのメトリクスを自動でクローリングしてくれます。
AWS/GCPのかなりのサービスに対応しており、これを使えば監視の前段のメトリクスをとる部分の負荷を下げられ、よくあるお手製ツールでメトリクスを送るのがかなり減らせました。

APM、ログ監視などインフラ監視以外もできる

サービスが拡大するにつれ、色々とツールを導入していくこともあるかと思います。
そうなると、インフラ監視はこのツール、APMはあのツール・・・、と使うツールがたくさん増えすぎて、煩雑になることも多いかと思います。
Datadogではこれらの機能も有しており、まさしく監視をまとめられるのがよいところです。

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ユーザとプロダクトを語るワークショップイベント "Sansan User Lab vol.1"

Sansan PMOの尾部です。こちらはSansan Advent Calendar 2019 12月25日🎄の記事です。

先日ユーザの方とワークショップをしたのでご紹介します。私達もユーザの方も楽しく意味があるイベントにできました。 CSが企画するMeetupへの参加や1対1でのヒアリングは行っていますが、ワークショップ形式は初めてでした。

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1. 「You are not the user」プロダクト開発プロセスとユーザを意識するタイミング

Sansanはすべての社員が利用することで最も力を発揮しますが、一般的に名刺交換や外部との接点が多い営業や調達部門の方が、やはりコアユーザであることが多いサービスです。翻って、プロダクトを作っているメンバーはエンジニアやデザイナーが中心です。

私は「You are not the user」という言葉を大事にしています。 少しのユーザの言葉から多くのことを想像できる優秀なプロダクトマネージャーやデザイナー、エンジニアもいるかと思いますが、それは非常に稀だと思っています。個人的な意見ではありますが、「ユーザのことを分かっている」という自負はただの思いこみであることがほとんどで、怠慢にならないためにも「仮説はハズれる」と自分を疑って検証し続けたいと強く意識しています。

本題に入る前に、私がプロダクト開発において、ユーザを意識するタイミングをご紹介します。

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(前置きが長くなるので、スキップしたい方は「2. ワークショップイベント "Sansan User Lab" 」からお読みください)

① プロダクトバックログに積む前に、ユーザの課題は何なのかを調査します。

プロダクトマネージャーにはプロダクトバックログに積む前に心のバックログがあり、「ユーザはきっとこれに困っているのでは?」という仮説を持っているのですが、実際にユーザと会話しながらその仮説が確からしいか、それとも別にあるのかを確認していきます。

やり方としてはNPSや日々のフィードバックを元にすることもできますが、ユーザに直接ヒアリングすることが最も課題を的確に捉えやすいと考えています。理由は2つあります。1つはNPSやフィードバックのようにユーザが言語化できるものだけが課題とは限らず、こちらから引き出す必要があるから。もう一つはその場でプロダクトを操作する手元を見せてもらったり、その瞬間に考えていること、不安などをヒアリングし様々なカットで課題の背景を深堀りできるからです。

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AWS re:Invent 2019 にいってみた。(出発準備〜Midnight Madness)

こんにちは。
DSOC Infrastructure Groupの水谷です。*1
アクション映画やアホな映画(褒め言葉)を好んで見ています。amazon primeのおすすめがほぼ全てジェイソン・ステイサムになったのですが無視し続けていたら今度はセガールがやってきました。
今は http://heavy-trip-movie.com/ が楽しみです。

さて、今回はAWS re:Invent 2019の参加レポートになります。

初参加だったのですが、注意点やこうしたほうが良かったなぁっていう情報をちょいちょい挟みつついきます。
全体的にはre:Inventの発表を網羅するというより、DSOCのシステムの紹介も挟みつつre:Inventで発表された技術をどのように活用していくかを発信していこうと思います。
ただ・・・・・初日はただの旅行記です。

最後の投稿に全体のまとめと楽しみ方や持っていったほうが良いもの・要らないものを記載しますので次回行かれる方は参考にしてもらえると嬉しいです。

出発前

行き先がアメリカということで、ESTAの取得が必要です。
過去に見送りで成田にいった際、その場で申請してミスって却下されてるのを見たことがあるのでちゃんと事前にやっておこうと思います。この時はANAの方が大使館?と連絡を取ってくれてどうにか通過してました。航空会社すごい。
父親の名前のヨミが思い出せずGoogle先生の力を借りました。親の名前も教えてくれます。で、無事承認されました。*2
後で私の写真が出てきますが、2年前のパスポートの写真が今と違いすぎるのも若干不安がよぎります。

次は服ですね。
出発前日にネバダの気温はどんなもんじゃろかと、自宅のAlexaに聞いてみます。
6度とな。寒そうなのでダウンジャケットをスーツケースに入れていきます。
ミスりました・・・時差を全く考えてませんでした・・・ネバダの夜の気温でした。12月頭でもラスベガスの日中はそんなに寒くなかったです。
薄手のジャケットで十分です。
また、砂漠だし、傘はいらんじゃろって事で折りたたみ傘をもっていくのも止めました。→ 結構な雨が降りました。

最後の投稿に持っていったほうが良いものと要らないものをまとめようと思います。

ついでに、私、若干偏食気味なのでカップ麺とフリーズドライのお味噌汁も持っていきます。*3

*1:DSOCはSansanにおけるデータ統括部門です。

*2:人生いろいろあるんです。ついでに父親の名前、ヨミがわかりづらい漢字なのです

*3:帰国後不幸の始まりでした。後述します

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ナラティヴと向き合う

CTO の藤倉です。

先日、組織論・経営戦略論研究者であり埼玉大学大学院准教授の宇田川先生と、Biz/Zine という Web メディアで対談をさせていただきました。これは、その対談の後記です。

この対談企画は、宇田川先生の著書である『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』出版を記念して、宇田川先生が様々な方と対談をするというものの一つです。対談記事は前編と後編で公開されました。

bizzine.jp

bizzine.jp

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者:宇田川 元一
  • 出版社/メーカー: NewsPicksパブリッシング
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本

こちらの本には、経営学者として多くの経営者の方々と語り、そこで得られた宇田川先生の知見がふんだんに盛り込まれています。全編を通じて多くの気づきと示唆を与えてくれるのですが、私が考える本書の最大の功績は、人がそれぞれに持っている倫理観や組織文化などに基づく解釈の枠組みを「ナラティヴ」という言葉で言語化してくれたことだと思っています。言語化されることで多くの人と共通の認識が持てるようになり、議論の俎上に載せることができるようになりました。

そして、ナラティヴの溝に起因する問題を適応課題として捉え、課題解決に向き合う姿勢を示してくれます。つまり、これらは属人的で解決不可能なものではなく、正しいアプローチによって解決することが可能な課題であるということを意味するのです。(本書の中では撤退も重要だと説いており、全てが解決できる魔法の書ではないことも重要です)

この種の課題は、多くの方が組織の中で経験しているのではないかと思います。

もちろん私もそうです。これまでマネージャとしての職務を行う上で何度も直面し、その度に自分なりの対応方法を考えてきました。本を読み進めながら、これまでの経験を振り返り、自分がやってきたことの本質を知る。自分がしてきたことに名前が付いていて、整理された状態で理解できる。そんな体験を繰り返しました。

この本は、組織で働く全ての人にお勧めできます。周囲の方々との相互理解、合意形成に課題を感じ、それを解決したいという意欲が強い方には特にお勧めです。

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本当にあった京都のSansan

DSOC R&Dグループの小林幸司です。

Sansanの京都にある開発拠点 Sansan Innovation Lab(以下SIL) で勤務しています。

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SIL執務室。もとは台所の土間を板間に改装しています。
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SILイベント用スペース。たまに座椅子に座って作業することも
SILができて一年が過ぎました。京都の寒い冬、熱い夏を克服し、開発者がここで成果を上げ続けることが可能であることを実証できました。 これまでのSansanと京都、この一年のSansanと京都という視点で振り返っていきたいと思います。

これまでのSansanと京都

京都ラボ

Sansanが京都ラボを開設したのは2014年10月でした。 関西で転職先を探していた私は京都にオフィスを開設することを前提として2014年7月Sansanに入社しました。三か月間東京で単身赴任後、新設された京都ラボに移りました。

このときのオフィスはコワーキングスペースである share KARASUMA(現FVC Mesh KYOTO)でした。

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当初は一人でしたが、約一年後にもう一人開発者が加わって、この10平米のスペースで約四年間開発業務を行っていました。このころ京都では市内にシェアオフィスの開設が相次ぎ、スタートアップ企業や個人事業主の働き方の一形態として認知されつつありました。

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