Sansan Tech Blog

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イベント「アジャイル開発における、さまざまな立場でのリーダーシップ」

こんにちは。技術本部 Bill One Engineering Unit *1の大道です。

世間は運動会シーズンですね。子供に負けず大人も元気を出してやっていきましょう。

ということで、先日Sansan主催で「アジャイル開発における、さまざまな立場でのリーダーシップ」というイベントを開催しました。おかげさまで多くの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。ご参加いただいた方、ご登壇いただいた方、イベントの運営にご協力いただいた方、みなさま本当にありがとうございました。

今回は、私も登壇したこのイベントについて書いていきます。
sansan.connpass.com

概要

「アジャイル開発」をテーマに、さまざまな立場から3名の登壇者が、実践から得た知見をLT形式で共有しました。イベント後半では登壇者同士でいくつかの議題についてディスカッションも行いました。

LTの内容

「1on1から始める組織作り」:株式会社ヌーラボ プロジェクトマネージャー / 中道 一志

ご自身のリーダー論や、ヌーラボに参画した6月からこれまでに実践した1on1に関するお話をいただきました。アジャイル開発におけるリーダーとは纏持ちであり、そうなるためにまずは皆が皆のことを知る必要があり、1on1で実践していくという流れでした。2ヶ月続けた1on1では、メンバーのことが好きになり采配のイメージが湧いたことが一番の収穫ということでした。
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個人的に印象に残ったところは、1on1をしてみた結果が共通の課題を見つけるというところより、メンバーを好きになって仕事がしやすくなった、というお話ですね。「信頼を築けたかどうかはわからないが、メンバーを好きになった」というところはすごく納得で、チーム作りの第一歩としてこの結果はとても重要だなと感じました。まずはメンバーのことを好きになるって大切だと思います。

「越境による、価値を届ける自律的なチームづくり」: 株式会社マネーフォワード プロダクトマネジャー / 坂口 拓嗣

坂口さんからは、プロダクトの成長につれてPOがボトルネックになっていることに課題を感じ、エンジニアがPO領域へ越境しているというお話をいただきました。その中で、エピックディスカバリのプロセスから参画するエンジニアとして、「epic大臣」というポジションを設けリードしていくという流れでした。これによりドメイン知識がチームへ共有されて自走できる状態になるというメリットも得られるということです。
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ユーザー志向のチームを目指すために、エンジニアがPO領域へ越境しているというお話は、とても良い取り組みだなと思う反面、エンジニア大変では?と思っていましたが、そこも考えられているようで、エピックごとに責務を調整するなどで領域の適正化を行い、負担の軽減にも努めているとのことでした。さすが!と思わず言ってしまいました。

「必要なのはリードであってリーダーではない」:Sansan株式会社 エンジニア / 大道 龍平

最後に私からお話しした「必要なのはリードであってリーダーではない」ですが、これは・・・言うことは無いですね、概要だけ。Bill Oneで私がチャレンジしたリードの経験と失敗のお話をさせていただきました。
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アジャイル開発の経験のなかった私が、チームのリードにチャレンジしていろいろな失敗や苦労を経験をしたわけですが、一つだけここでお伝えしたいことがあるとすると、「チーム全体で頑張ろうぜ!」ですね。チームが向き合う課題などは全員で取り組むことが重要だと思っています。

ディスカッション

イベントの後半では登壇者3名によるディスカッションを行いました。テーマは以下の2つです。

ディスカッションテーマ1:アジャイル開発で苦労したこと

チームの人数が増えていくと、段々と議論がしづらくなって苦労したという話がありました。これの対策として少人数のチーム体制を敷くようになるのですが、今度はチーム間の情報共有が希薄になってしまう課題が出るので、そこをどうするか。坂口さんが実際行なっている取り組みとして、「チーム間1on1」を実施しているそうです。

ディスカッションテーマ2:アジャイル開発のリーダーに必要な資質

中道さんから「決める、そして動くこと」だというお話がありました。「決める」というところはプロダクトに関するところで、方向性を決めることに近いかなと思いました。LTの方でも纏持ちの例があったので、やはりリーダーとしては組織の旗(方向性)を作り、掲げることが重要なのでは、というところになりました。

振り返り

開催に向けた想い

私がとあるイベントに参加した時に、アジャイル開発がうまくいかなくて悩んでいる人が多いなー、という印象を受けました。その多くは、今はウォーターフォールでの開発を行なっていて、アジャイル開発に移行したいけど失敗した、というものでした。そこで、アジャイル開発に関わる方々に向けて、自分と同じ立場や異なる立場からのさまざまな視点を得て学びになってほしい、と思い立って開催しました。

開催の準備

実はこのようなイベントを企画して実施するのは、私としても初の経験でした。LTの登壇は社内での経験があるものの、外部に向けたLTはほとんど経験がなかったですし、ましてやイベントの企画から携わったことはありませんでした。これもチャレンジだ!と踏み切ってイベントの開催を決意したわけですが、自分の登壇だけでも準備が必死な中、全体の司会もやってみないかという流れになり、これを引き受けました。これもチャレンジだ!と未経験の司会を練習する中、さらにディスカッションのファシリテーターもやってみないかということで、これも引き受けました。よし、もう全部がチャレンジだ!と心も決まって準備を進めることになりました。大変でしたが、外部の方も含めたファシリテーションをする機会は貴重でとても良い経験になりました!そんな中でも練習に付き合ってくれたり、準備、運営を手伝ってくれた同僚には感謝しかないです。みなさんありがとうございました!

イベントの反応

そんなこんなで開催した本イベントですが、約230名の申し込みがあり、当日も多くの方にご参加いただきました。また、質疑応答のコーナーでもたくさんの質問をいただき、登壇者、参加者も含めてとても盛り上がりました。Twitterの方でも、ハッシュタグ 「#33Tech_agile_talk」でたくさんの投稿がありました。一緒に盛り上げてくださった方々、本当にありがとうございます。今回のように異なる立場の登壇者で構成され、ディスカッションも行うような形式に対して好評をいただいた部分もありました。ぜひ、今後のイベント運営にも役立てていこうと思います。

全体の感想

開催を思い立ってから、開催の準備、そして開催と、とても貴重で大きな経験を得ることができました。イベントの中でも普段お話しすることができないような方のお話も聞けましたし、さらにディスカッションまでさせてもらって、本当に大きな学びがありました。その学びとしては大きく2つで、イベントの実施に関するものと、アジャイル開発のリーダーシップに関するものです。

一つ目にイベントの実施に関するものとしては、成功に向かって重要なのは多くの人を巻き込んで進めることだったなと感じたことです。イベントを成功させるために協力していただいた方々は、もう立派なチームになっていました。またその人たち全員がリードであったのが良かったかなと思います。登壇リード、運営リード、発表準備リード、素晴らしい自走チームでした。

二つ目にアジャイル開発のリーダーシップに関するものとしては、成功に向かって重要なのは多くの人を巻き込んで進めることだったなと感じたことです*2。チームメンバーを巻き込んで1on1もするし、越境もする、何かを成すためにチーム全員で動くということは非常に重要だなと、そのためにリードも必要になってくるのだと原点に戻れた気持ちになりました。

本当にやって良かった!また機会を作って、皆さんにお役に立てるお話をしたり、聞いたり、ディスカッションしたりしていきたいなと思います!

*1:Bill One 開発エンジニア 紹介資料 - Speaker Deck

*2:おっと、イベントの実施もアジャイル開発も、チームとして何かを成し遂げようとしている、という意味では一緒なんですね。

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