はじめまして。 Sansan 事業部プロダクト開発部の神原と申します。去る 2018 年 11 月 10 日、 Sansan 社として初めて開催するものづくりカンファレンスである「Sansan Builders Box 2018」で Microsoft Azure × Microservices な Sansan の新プロダクト「Customer Intelligence」について発表しました。この記事はそのレポートです。
Sansan Builders Box 2018 とは
このブログそのものと名前が同じなのでややこしいですが、 Sansan 社が開催するものづくりカンファレンスの名前も Sansan Builders Box です。イベントそのものの紹介や当日の雰囲気は 【速報】カンファレンス「Sansan Builders Box」を開催しました - Sansan Builders Blog に写真がいっぱいなのでそちらをご覧いただくと良いかと思います。
ものづくりカンファレンスって何やねんという話なのですが、テーマを技術だけに絞りたくなかったという意図があります。プロダクトは、エンジニアだけでなく Product Manager やデザイナー、 Engineering Manager といった人たちも一緒になってつくっているのですから、 Sansan 社に在籍するそういった人たちは何を考えているのか、何に取り組んでいるのか、といったところに光を当てたかったのです。というのは私が運営チームの意図を勝手に想像しただけなので当たっているかどうかは分かりませんが、結果としてこの点においてユニークなイベントになったと感じています。
発表スライド
以下のような内容がテーマでした:
- Why Customer Intelligence?
- What's Customer Intelligence?
- Why Azure?
- Why Microservices?
振り返り
私の個人的な話になりますが、2014 年に Sansan 社に入社して以来、会社の看板プロダクトであり社名と同じ名を冠する法人向け名刺管理サービス「Sansan」のプロダクト開発を担当していましたが、 2017 年 11 月から Customer Intelligence のプロダクト開発に専念しています。 Customer Intelligence 担当になって 1 年経つわけですが、それについて公の場で話すのは初めてのことでした。また、 Sansan や Eight とは違って認知度がないプロダクトですから、プロダクトの根幹である
- なぜこのプロダクトを Sansan が作るのか (裏返すと「このプロダクトが解決したい顧客の課題は何か」)
- このプロダクトは何であるか
といったところをどうしても話す必要がありました。私にとって「なぜやるのか」は「どうやるのか」よりも重要な関心事であり、その点については少しは盛り込めたかなと思います。
一方でその結果、技術的な詳細をお話しできず、大味な内容になってしまいました。 Customer Intelligence は、ビジネスとしてまだまだこれからであり、故に「とにかく最速で MVP *1 提供を」モードでプロダクト開発を進めてきているので、設計や実装上のこだわりを敢えて捨てている部分も多いですが、同じ法人向けマルチテナントプロダクトとして Sansan が 10 年かけて積み上げた知見を最初から持っている、所謂「強くてニューゲーム」状態なので、随所に様々なテクニックやグッドプラクティスが駆使されています。そういった内容に触れられなかったのが心残りです。
Why Microservices? のパートは、私が昨年の AWS Dev Day Tokyo 2017 で話した「Sansan がメッセージング (Amazon SQS) でスケーラビリティを手に入れた話: using C# on Windows」の内容が前提知識として必要という端折りっぷりになりました。当日置いてけぼりを食らった方は、是非以下も合わせてご覧ください←
www.slideshare.net
なお、よく見ていくと厳密な意味での Microservices というわけではないような気がするアーキテクチャーですが、世の中的にも Microservices って元々の定義で語られているわけではないことも多いのでまぁいいかなと思っております。所謂 Microservices 「的なもの」と捉えていただけますと幸いです。要は
- 細かな worker をメッセージキューで繋ぐアーキテクチャーっていいものだよね
- 今どきであれば worker としてサーバーレス FaaS が使えるよね
という話であります。
まとめ
参加者の方々からは好意的な感想を数多くいただけているようで、社員のひとりとして嬉しい限りです。改善ポイントもしっかりと受け取っていますので、次回以降更に良くなっていくはずです!
Photo: 山平 敦史
*1:Minimum Viable Product の方