Sansan Tech Blog

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プロダクトマネージャーは何と向き合っているのか - Sansan Builders Box 2018

こんにちは、Eight の Chief Product Manager を務めております。と申します。
今、京都にある Sansan Innovation Lab に向かう道中で執筆しています。現在新横浜を過ぎ、名古屋に向けて時速約280kmで走っています。

Sansan Innovation Lab は 、Sansan に所属するAI技術者が2名常駐する、京都の開発拠点としてオープンしました。また、外部の方も使用可能なイベントスペースを併設しています。近年盛り上がりを見せている京都のAI技術者や開発者、クリエイターのコミュニティをさらに活性化させ、イノベーションを生み出す拠点という面も併せ持った施設なのです。

さて、何故わたくしが向かっているのかというと、Eightのデザインメンバーが合宿をしており、最終日のディスカッションに参加するためです。
京都拠点以外の社員も滞在することができるので、集中して作業をしたいときなんかの合宿にも使えるわけです。

そんなわたくしですが、 Sansan Builders Box 2018 にて「プロダクトマネージャーは何と向き合っているのか」というお題で登壇しました。
当日に使用した資料はこちらになります。

speakerdeck.com


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イベントの参加者はエンジニア職の方が多いと思っていたのですが、思っていた以上にわたくしのセッションにもお集まり頂きました。意外とホットな領域の話なんだな、と思いました。

今回は、Sansan Builders Box 2018 で話した内容を簡単に紹介します。

プロダクトマネージャーは何と向き合っているのか

一言でプロダクトマネージャーとは何をするのか、と問われると、顧客満足度を最大化するためにプロダクトの価値を最大化すること、と思っています。最大化するための最大化です。

プロダクトの価値を最大化するためには、

  1. 新しい価値を創り出すこと (新機能開発など)
  2. 提供している価値を磨くこと、守ること (機能改善、品質担保など)
  3. プロダクトの価値をより多くの顧客に届けること (マーケティングなど)

の3つの要素があると思っています。

で、そのためにプロダクトマネージャーがやるべきことがいくつかあります。

  • 事業計画とプロダクト開発の計画のすり合わせ
  • プロダクト開発推進のための体制整備とチーム構築
  • 具体的なプロダクト仕様の作成とプロダクト開発の推進
  • 事業推進におけるKPI、プロダクト開発におけるKPI分析と改善施策の立案
  • 顧客からのフィードバックやバグの管理と改善計画の立案
  • プロダクトマーケテイングやサポートの方針のすり合わせ
  • etc

業務の現場ではこれらの一つ一つと向き合うことがプロダクトマネージャーの業務になるのかと思います。

頭を悩まされる仕様をまとめる作業

その中でも「仕様作成プロセス」をピックアップして話しました。
何故このテーマを選んだかというと、自分自身頭を悩ませていた業務だったからです。Eightは基本的には2週間のスプリント開発のリズムをベースに動いています。その中で仕様の揺れや緩さが及ぼすスピードへの影響はかなり大きいです。

限られた時間の中でまとめようとすると、逆に漏れがあり、後手後手になる、開発速度が落ちる、というような悪循環に陥ってしまうこともありました。
そうこうしながらも、試行錯誤しながらプロセス改善をしてきているので、今わたくしが意識しているフレームを共有することで、何かお役に立つことが出来るかなと思いました。

大切なのは好循環なフィードバック

仕様決定する人 = プロダクトマネージャー、という役割分担がある中で、プロダクトマネージャーに作業や判断が集中してしまうことはよくあることだと思いますし、それは自然なことだと思います。

ただ、その中においてもプロダクトマネージャーは、各メンバーとの合意形成のタイミングとそれらのコミュニケーションにおいて、好循環なフィードバックを効かせながら仕様を構築していくこと、を意識することが大切と考えています。

例えば、各方面へのレビューはいわゆる承認プロセスの要素もありますが、フィードバックプロセスでもあります。また、職種や社内での立場に応じて合意を取るタイミングや論点とすべき仕様の粒度も異なってきます。これらのコミュニケーション設計が非常に大切です。
そして、各ステップにおいてテキストやワイヤーフレームベースのコミュニケーションは、すれ違いが起きやすいし、不明瞭な個所も自然と多くなってしまうので、具体的な画面をベースにして話をすることも大切です。

職種や立場は異なるが、色んなメンバーが関与しながら一つのものを作り上げています。
そのため、一つ一つのコミュニケーションのタイミングをうまく使い、プロダクト仕様の作成を推進していくと、色々な角度の声が反映された質の高いものが出来上がります。

時間軸の話は今回触れていませんが、上で話をしているプロセスを実現するためには、今動いているプロジェクトより大体1~3ヶ月先に向けて準備する感覚で動くと良いかと思います。なので、先に向けての準備と短期的プロダクト開発と、うまくバランスの取れたタスクマネジメントを心がける必要があると思います。

プロダクトマネージャーが中心となり、速く、質の高い仕様を作ることが出来れば、プロダクト開発のスピードと品質に繋がり、結果としてプロダクトの価値を最大化することに繋がるはずです。

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