Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

エンパワーメント・リスニング〜Engineering Manager研修

こんにちは。VPoEの宍倉です。

今年の6月に今までの開発体制を見直し、新たにCTOとVPoEというポジションをつくりました。
組織改革の理由は後述しますが、今回は同時に新設したポジション、Engineering Managerに関する取り組みを紹介します。

Sansanには大きく5つの部門にエンジニアが在籍しています。事業を推進するSansan事業部プロダクト開発部とEight事業部、名刺データの入力と分析・活用を担当するDSOC、社内の情報セキュリティを専門に担当するCSIRT、社内のネットワークなどインフラ面をサポートするITIDがあります。

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Engineering Managerは各部門でエンジニア組織の支援を行い、エンゲージメント・生産性向上の役割を担います。Engineering Managerは、部門の業務を遂行する上で必要なエンジニアの組織づくりや、メンバーとのコミュケーションを行います。


先日、Engineering Manager育成の一環として、エンパワーメント・リスニングの研修を実施しました。開発現場では1 on 1を実施する機会が増えてきており、コミュニケーションスキルの向上が重要になっています。

エンパワーメント・リスニングとは、高いモチベーション、行動の質と量を引き出すために有効なコミュニケーション手法です。
次のプロセスを経て、話し手の中にある答えを導く手助けをします。

  • 聴き手が評価判断せずにそのまま受け取り、話し手にリフレクションする
  • 受け取った感情やニーズを話し手にフィードバックする
  • 「問い」で話し手の中にある答えを引き出す


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研修のメインはその場での1 on 1実施。
話し手が「気になっていること、聞いてほしいこと」を話し、聴き手がコミュニケーションを取ります。
話し手1人に対し順に聴き手を変えていき、数分間参加者の前で対話します。
その後、話し手はどんな体験だったか、聴き手は「聞く」ではなく「聴く」ことができていたか、を明確にしていき、最後に参加者で気づきを共有するというワークで進めます。

「聞く」は状況を正確に把握し、適切な判断、指示、アドバイスを仰ぐ際に効果的であり、業績報告等に有効な手段であるのに対し、「聴く」は理解してもらった体験を通し信頼を感じることで主体性を引き出すことができる手段であるとここでは定義しています。


今回は半年を掛けて実施する研修の一回目でしたが、わたし自身も気づきの多い会となりました。



最後に、冒頭で触れたCTO・VPoE体制をとった理由について。
もともと当社では、設立当初から直近まで開発組織に関するすべての取り決めを合議制で行ってきました。しかし会社の規模が大きくなるに伴い、その形式では意思決定のスピードを保ち続けるのが難しい部分も出てきました。それならば、意思決定を行う専任のメンバーがいる方が、今のSansanにはフィットしていると考えました。CTOが技術を支え、VPoEがエンジニア組織を支える体制です。

わたしのVPoEとしてのミッションのひとつは、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなどものづくりに携わるメンバーが生み出す価値を最大化することです。現場の課題を解決し、メンバーにとって働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

先日当社の技術顧問としてEngineering Manager育成にご協力いただいている安西さんと登壇したDevLOVEのイベントでも、今回紹介したようなコミュニケーション強化を含めた組織改善の取り組みをお話させていただきました。
こちらでレポートが公開されています。
devlove.doorkeeper.jp

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