Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

新卒データアナリストの9ヶ月

こんにちは、CPO (Cheif Product Officer) 室でデータアナリストをしている佐々木です。

私は今年の 4 月に新卒で Sansan のデータ統括部門である DSOC(Data Strategy and Operation Center)*1 に配属され、10 月の異動により現在は CPO 室に所属しています。実は Sansan がデータアナリストを新卒で採用したのは私の入社した年が初めての試みでした。
今回は、新卒データアナリストとして入社してからの 9 ヶ月間の振り返りを書いていきたいと思います。

CPO 室のご紹介

まず簡単に現在所属している CPO 室がどんなところかを紹介します。CPO 室の業務については先日 CPO 室の新卒同期の佐藤が書いています。
buildersbox.corp-sansan.com

要約すると、CPO 室は

  • プロダクトについて中長期目線で考え、あるべき姿を提案する
  • あるべき姿が定まった時に、現状とのギャップを把握し、その差を埋める

という 2 つの大きな役割を担っている部署です。

その仕事内容は、プロダクト戦略の策定から、既存機能の改善、新規施策の提案と評価、KPI設計、分析基盤作り、ユーザ調査*2 など多岐にわたります。

軽く現在の業務を紹介したところで、入社当初から振り返りたいと思います。

*1:https://sansan-dsoc.com/research/

*2:弊社では NPS という顧客ロイヤリティ指標に本気で向き合っています。https://buildersbox.corp-sansan.com/entry/2019/08/06/113748

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管理者がSansanスマートフォンアプリの端末パスコードロックを必須化出来るようになりました

こんにちは!Sansan事業部プロダクト開発部所属の赤城です。SansanのAndroidアプリ開発を担当しております。

2019年12月上旬から、管理者が端末パスコードロックを必須化する機能が使えるようになりました! 今回はこの機能について、実装するに至った背景から実際の使い方、そしてAndroidアプリ開発時の裏話を紹介させて頂きたいと思います。

背景

Sansanスマートフォンアプリには、パスコードロックの機能があります。これは、スマートフォン自体のパスコードロックとは別に、Sansanアプリを起動するたびに4桁の認証コードの入力を求める機能です。正しい認証コードを入力しない限りアプリを使用できないため、仮に「端末を紛失し、第三者に端末のロックを突破された」「端末のロックを解除して放置した隙にスマートフォンを操作された」等の事象が起こってしまった際にも、Sansanアプリ内の情報が第三者に漏れることを防ぐための機能です。

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パスコードロック時の動き

今までのSansanスマートフォンアプリにおいては、上記のパスコードロックの設定は利用者個人に委ねられていました。 その性質上、一部のユーザー様から下記のような要望をいただいていました。

  • セキュリティに関する施策の一環でパスコード設定をマストにすることを検討しており、管理者側で一斉にONにできるようにしたい

  • スマホアプリのパスコード設定について、管理者側で設定の必須/不要を選んで、強制的に設定させたい

上記の背景から、 個人のセキュリティ意識に依存せず、企業のセキュリティポリシーとしてパスコード設定を利用できるようにする仕組み として、管理者がパスコードロックを必須化できる機能を開発するに至りました。

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2020 年のテーマは進化

新年明けましておめでとうございます。
CTO の藤倉です。

みなさま、2020 年の新年はいかがお過ごしでしょうか。今回の年末年始は 9 連休という稀に見る大型連休となり、日頃の疲れをゆっくりと癒した方、長期の旅行をされた方、最大の寝正月を過ごされた方(私はこれ)などいらっしゃるのではないかと思います。

お休みもあけたところで、2019 年を振り返り、2020 年に成し遂げたいことを書いてみたいと思います。

2019 年の振り返り

以下の記事は 2019 年の年初に書いたものです。

buildersbox.corp-sansan.com

改めて読み返し、会社として、できたこととできなかったことがあります。一方、自分自身の成果という観点で言えば 40 点程度だったかなと思います。惨憺たるものです。

私個人の昨年の振り返りとして反省するのは、会社の状況や周囲で巻き起こる出来事を意識しすぎるあまりに目線が足下に行きすぎ、ボトムアップ的な思考の割合を増やしすぎたことにあります。CTO の任を全うするためには、全てとは言わないものの、視点を未来に置いて創造していく姿勢が大切であると痛感した一年でした。CTO 就任からまずは基礎固めとしてボトムアップで進めたものが形になるのと並行して、会社や事業の状況を認識し、それに伴って自らの目線と時間の使い方を未来志向に調和させていくべきであったと振り返ります。

2020 年に向けて

学びを得るためには過去の振り返りは重要ですが、くよくよしてばかりいる暇などありません。元気よく 2020 年に向けて想いを馳せていきましょう。

昨年、特に後半に私自身が感じていたのは Sansan という会社が出せるスピードの変化です。6 月には上場をしました。エンジニアの数も増えて、事業の幅も広がりつつあります。組織としての成熟度も一段レベルが上がりました。何かこう、Sansan という会社のエンジンのサイズが一回りも二回りも大きくなったような感覚です。アクセルを踏むと、それはもう強い力で前進します。

この会社で CTO としての役割を担うには、私自身が進化し、この高性能なエンジンをしっかりと乗りこなさなければなりません。

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Rubyコミュニティを企業の中の一人として盛り上げる

Eight事業部 Engineering Group 兼 CTO室の南谷です。

私は普段から様々な Rubyコミュニティに顔を出したり運営に携わったりして巷の Rubyist たちと交流しているのですが、その楽しい時間はスポンサー企業に支えられていたりします。

私はコミュニティ支援にとても意義を感じており、自分自身でも様々なコミュニティをお手伝いするほか、所属する Sansan でもその幅を増やせるよう活動してきました*1。そのことがCTO室での役割でもあります。
この記事ではそういった背景の中で、今年 Sansan が行った Rubyコミュニティへのサポートをまとめたいと思います。

*1:会社と方針が合うことが前提ですが

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Google主催のPlaytime 2019に参加してきました

Eight事業部Android開発チームの田村です。 2019年12月6日に開催されたGoogle主催のイベントPlaytime 2019へ参加してきました。

Playtimeとは

Google Playが扱うコンテンツの中から選ばれたベストオブ2019の発表を行うイベントで、Google主催で毎年開催されています。
イベント当日はベストオブ2019の発表に加え、Googleの最新情報やアプリの運用に関する情報を発信する場でもあり、Google Playのトップパートナー企業の経営層、アプリ事業責任者が招待され、会場を訪れます。本記事を書いている田村は、Google Playのトップパートナー企業の経営層でも、アプリ事業責任者でもないですが、興味があったので参加させてもらいました。

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イベントのコンテンツ

大きく分けると以下になります。

  • アプリセッション
  • ゲームセッション
  • デモエリア
  • インタラクティブセッション
  • ベスト オブ 2019

18時から始まるベストオブ2019の授賞式までの間に、アプリとゲームについてのセッションや、デモエリアでのGoogle製品の体験、Google のエキスパートとのインタラクティブセッションなどが行われるスケジュールです。 残念ながらPlaytime2019でのセッションの内容や写真は全て外部公開が禁止されているため、本記事でもそこには触れずにお伝えできる範囲でお伝えしていきます。

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【つながりに効く、ネットワーク研究小話】vol.12 強いつながりの条件

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Sansan DSOC研究員の前嶋です。「つながりに効く、ネットワーク研究小話」の第12回です。静電気が怖いので、オフィスでは放電のために靴を履かずに過ごしているのですが、気を抜くとすぐに”””バチッ”””ときます。とても悲しいです。おすすめの対策法があれば教えてください。

この連載の第1回目「切れやすいつながりの見つけ方」では、「橋渡し的なつながりは消失しやすい」という研究を紹介しましたが、今回は逆に、「強いつながりとは何か?」という問いに対して、現在のネットワーク研究で分かっていることを紹介しようと思います。

古典的な理解

社会学者のマーク・グラノヴェッターは、かの有名な「弱い紐帯の強さ」論文の中で、「強いつながり」の条件を4つ提示しています。曰く、つながりの強さは「時間」「感情的な強さ」「親密さ」「相互的サービス」という4つの要素の組み合わせから構成されます(Granovetter 1973)。ちなみに、なぜグラノヴェッターが「強いつながり」という概念を必要としたかについては、以下の拙稿を御覧ください。

bnl.media

グラノヴェッターによるこの整理は、データによって実証されたものというよりは、彼による直感的な整理であり、その妥当性は後続の研究に委ねられました。

つながりの強さの「要因」と「測定」

初めて「つながりの強さ」それ自体に焦点を当て、これを実証的に検討したのがMarsden and Campbell(1984)による研究です。

まず、強いつながりの条件を2つに区分する必要があります。1つ目は「要因(predictor)」=「どのような要素があればつながりは強くなるのか」という次元で、2つ目は「測定(indicator)」=「何を測ればつながりが強いと言えるのか」という次元です。彼らは、どのような要素が要因、あるいは測定となり得るのかを検討しました。

デトロイトで行われた大規模な社会調査データを分析した結果、「感情的な強さ」と「親密さ」は、つながりの強さを「測定」する要素として最も優れていることがわかりました。一方で、「要因」としては、隣人や同僚という関係性が弱い一方で、親族関係が強いことが分かっています。

この研究では実は他にも様々な結果が得られているのですが、エビデンスとしては弱いものです。というのも、つながりの強さと関連する変数同士は強く相関しているため、厳密な影響がわかりにくくなるためです。そのため、グラノヴェッターによる整理の妥当性については、今でも議論が続いています。

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DSOCでのDatadog活用について

本記事は、Datadog Advent Calender 2019の12/25(水)の記事です。

DSOC インフラエンジニアの赤羽です。

Datadog Advent Calenderということで、DSOCでのDatadog導入から活用までをお伝えしたいと思います。

Datadogの導入理由

マルチクラウドの監視設定作業の負荷を下げられる

弊社では元々AWSを使用していましたが、最近はGCPも使用しており、マルチクラウドを効率よく監視できるツールを探していました。
Datadogには、インテグレーションという機能があり、対応したサービスのメトリクスを自動でクローリングしてくれます。
AWS/GCPのかなりのサービスに対応しており、これを使えば監視の前段のメトリクスをとる部分の負荷を下げられ、よくあるお手製ツールでメトリクスを送るのがかなり減らせました。

APM、ログ監視などインフラ監視以外もできる

サービスが拡大するにつれ、色々とツールを導入していくこともあるかと思います。
そうなると、インフラ監視はこのツール、APMはあのツール・・・、と使うツールがたくさん増えすぎて、煩雑になることも多いかと思います。
Datadogではこれらの機能も有しており、まさしく監視をまとめられるのがよいところです。

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