Sansan Builders Box

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顧客データHub開発の裏側(前編)

CTO藤倉です。今年3月、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の新機能「顧客データHub」を発表しました。

これは、Sansanがこれまで蓄積してきた技術とノウハウを応用したテクノロジーで、独自の「名寄せエンジン」を用いて社内のあらゆる顧客データを統合できる機能です。

今回は、顧客データHubの開発を牽引したエンジニアである千田智己に話を聞きました。前中後編の3回に分けて紹介します。

前編では、彼の人となりや過去に担当したプロジェクトについて聞いていきたいと思います。

インタビュイー
千田智己:Sansan事業部 プロダクト開発部 エンジニア。(SIerを経て、2013年6月にSansan株式会社に入社。以来、法人向けサービスSansanの開発に携わる。)


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「0から作って世に出すことの面白さ」に気がついた

藤倉:まずは千田さん自身について聞きたいんだけど、Sansanを選んだ経緯から話してもらっていい?

千田:Sansanに入ったのは、ちょうど6年前くらいですね。当時は「世の中の課題を解いている会社がいい」と考えて転職活動をしていました。

藤倉:そう思ったきっかけって何だったの?

千田:前職で最後に経験した証券会社のシステム開発プロジェクトが、自分にとってすごく面白いものだったんです。前職ではSIに勤めていて、いろいろな案件に携わったんですが、証券会社のプロジェクトで初めて一般の方々が使うサービスを作りました。「自分が作ったものが、世の中の役に立つっていいな」とそのとき感じたんです。

それから、会社選びのもうひとつの基準として「自分自身で新しいサービスを作ってみたい」とも思っていました。そう考えるようになったきっかけも証券会社のシステム開発です。
そのプロジェクトではJavaを使うことだけが決まっていて、設計方針やアーキテクチャなどは自由に決めることができました。自分で方針を決めてプロジェクトを進めていく経験をしたことで「0から何かを作って世に出すのはこんなに面白いのか」と気づいたんです。

そういった基準で転職先を調べていたとき、エージェントが紹介してくれた企業のなかにSansanがありました。

藤倉:千田さんとの一次面接はけっこう印象に残ってる。

千田:(取締役の)常楽さんと藤倉さんが一次面接で話してくれましたよね。ほとんどは常楽さんがしゃべっていて、藤倉さんからはたった1つだけ「いままで触ったなかで、一番いいと思ったフレームワークは何?」って聞かれたのが印象に残っています。いい質問だなと思って。

藤倉:その質問したの覚えてないな(笑)。でも、面接が始まってすぐの段階で「この人はめちゃくちゃ優秀だ」と確信できたんだよね。開始から数十秒でそう思った。常楽さんの質問に対して、めちゃくちゃセンスある回答をしているなと。

技術選定における千田さんなりの軸がちゃんとあったし、かつ僕と同じような水準の理解をしてくれていた。だから絶対に採用しようって決めていたけど、何も質問しないのもアレだから、当時の自分はエンジニアの価値観が表れやすい質問をしたんじゃないかな。


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藤倉:千田さんの性格についても聞いていきたい。千田さんは、昔からずっと「難しい仕事の方が燃える」っていうタイプだよね。

千田:負けず嫌いなんですよ(笑)。

藤倉:他のみんなが「どうしよう」と言っちゃうような場面でも、千田さんは「それ、俺できるわ」と言って実際にやっちゃうことが多いよね。千田さんとはたまに一緒にボルダリングをやるけど、ボルダリングにも性格がそのまま出ていると思う。他の人ができない課題を解いているときが、一番面白いでしょう。

千田:面白いです。でも、ボルダリングはそうも都合よくいかないことの方が多いですけど(笑)。

藤倉:それと意外なのが、千田さんって座学は嫌いであまりやらないんだよね。

千田:嫌いですね。目的のない勉強が好きじゃないんです。技術についての知識は、仕事を通じて覚えていきます。仕事で壁にぶち当たったときに、それを乗り越えることを目的にいろいろな調査をして学んでいくことが多いかな。目的意識があってはじめて、勉強に手をつける感じです。

藤倉:でも一度やりだしたら、集中力がすごい。課題を乗り越えるために、尋常じゃなく努力をしているんだと思う。

千田:やっているときは意地ですね。自分がやると言ったなら、責任を持ってやるスタンスなので。

藤倉:そのスタンスだから、スキルも伸びるんだろうね。メンバーを千田さんに鍛えてもらう「千田塾」*1の経験者はめちゃくちゃ成長するけれど、それは一緒に働く人のスキルが千田さんの水準に引き上げられるからだと思う。

千田:メンバーが出したPull Requestにコメント100個とかつけることもあるので、教えられている側は大変だと思いますけどね(笑)。

エンジニアとしての責任

藤倉:千田さんの「できます」という言葉にはめちゃくちゃ信用があるよね。「できます」と言って、できなかったことがない。これは千田さんの長所だと思う。

千田:「できるかもしれない」みたいな曖昧な返事をすることはまずないですね。そして、「できる」と返事をしたときは必ずやり切ると決めてます。顧客データHubプロジェクトの初期フェーズでも、(代表取締役の)寺田さんに質問されたときは「できる」「できない」をはっきり答えるようにしていました。

藤倉:できる可能性がクリアになっていないと、頑なに「わからないです」って言うよね。寺田さんがどんなに「できるっしょ」って言っても「いや、わからないです」と返すじゃない(笑)。めちゃくちゃ千田さんらしいと思う。

千田:深く考えずに「できる」と言って、プロジェクトが大変なことになるのが嫌なんです。エンジニアとして、自分の考えや発言に責任を持ちたいじゃないですか。

藤倉:千田さんがSansanにいてくれてよかったと思うのが、まさにその部分なんだよね。僕はSansanの初期の頃からいて技術的な方針決定やマネジメントに携わってきたけど、自分自身も完璧なエンジニアではないから、判断が正しかったのか迷うことも正直ある。

そんなとき、千田さんが「いいと思う」と言ってくれると「だよね」と安心できるような信頼感があって。技術的な判断に対して正直な意見を言ってくれるのは、本当にありがたいことだと思う。

中編後編


interview:中薗昴
photo:ブランドコミュニケーション部 高橋淳

*1:千田と同じチームになった期待のルーキーが、千田の愛のあるスパルタ指導を受ける会。千田塾を経験したメンバーは、その後に大きな飛躍を遂げるという噂。

© Sansan, Inc.