Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

AI活用によりノンエンジニアが実装に参画し、双方向に役割を越境するチームへと発展した話

こんにちは!Digitization部の宮野隼吏です。

Digitization部所属ですが、エンジニアではありません。コードは1行も書けません。

そんな私がAIを活用してライトなUI/UX改善や機能実装をし始めた結果、チームでどんな変化が起きたかをお話しします。

3行サマリ

  • ノンエンジニアがCursorやDevin AIを活用して一部実装、ステージング検証までできるようになった
  • UAチームは、ノンエンジニアが実装し、エンジニアがプロダクトマネジメントもやる役割越境型チームになった
  • その結果、高速に検証を繰り返し、素早く価値を届けられるようになった


チームの現在地

私が所属するUAチームはエンジニア4名、ノンエンジニア2名で構成されています。

UA(Unified Authentication ― 統合認証基盤)という、データ化組織のオペレーション運営を効率化・標準化するアプリケーションを開発しています。具体的には、システムを利用するオペレータのアカウント管理や認証認可に加え、各データ化システムでの作業データを一元管理・加工し、迅速な意思決定を支えるデータプラットフォームの提供がミッションです。

従来の開発プロセスは一般的な分業型で、ノンエンジニアが要件を定義し、エンジニアが設計・実装・検証・リリースを一手に担っていました。

これがAI活用により、開発アイテムの性質によっては以下の役割分担が成立しています。

役割 担当範囲
ノンエンジニア 機能要件定義 → 実装 → 単体テスト → PR作成
エンジニア 結合テスト → リリース(+高難易度な設計や実装・要件定義)

現在に至るまでに2つのフェーズがありました。

フェーズ1:Devin AIによる自律的実装を試みた時期

検証開始当初は、ノンエンジニアがSlackで仕様要件をDevinに提供し、実装・単体テスト・プルリクまで完了してもらうことで、エンジニアが実装する手間を省くことを目指しました。

しかしながら、デプロイ前に想定通りの仕様が再現できているか確認できないため、Devinが実装 → エンジニアがstg環境へデプロイ → ノンエンジニアが仕様確認のプロセスとなっていました。

Devinが一発で想定通りの実装をしてくれればまだ良いのですが、何度も修正 → デプロイ → 仕様確認を繰り返す羽目になると、結果的にエンジニアが1から実装した方が早かった…という本末転倒な事態も起きました。


フェーズ2:Cursorによる「手触り感」を持った開発へ

現在はCursorをメインに活用しています。

実装後すぐにローカルでノンエンジニア自身で検証できるようになり、フェーズ1の課題が解消しました。

また、従来はデザインツールでモックをつくっていたため実際に実装されるものと差分がありましたが、エディタを利用することでアウトプット=モックとなり、生成物をそのまま反映できるようになったのも大きな変化でした。

> 自然言語で指示 → UI/UXチェック → 微調整

このクイックなサイクルで手戻りを最小限に抑えながら、理想を追えるようになりました。ローカルでの検証を経て、自力でstg環境へのデプロイ・機能横断テストまで実施した上でPRを出しています。これにより、エンジニア負荷を大幅に軽減できているという手応えがあります。

エンジニアの価値を最大化し、双方向に越境する

ノンエンジニアが小さな課題を自律して完遂できるようになったことで、エンジニアの時間はより本質的で難易度の高い領域へとシフトしています。

大規模なアーキテクチャ設計や、複雑に絡み合った既存ロジックに影響する機能改修など、エンジニアにしか解決できない課題にそのリソースを集中的に投下することで、チーム全体の生産性が向上しました。

ノンエンジニアが技術側に寄ったことだけが本質ではありません。

エンジニアもまた、ビジネス側へと深く踏み込んできています。

UAチームのエンジニアは、自らユーザー(オペレーション管理者)ヒアリングを行い、要件定義の段階から価値提供に参画しているからです。

これは、私たちがSansanのValues(行動指針)とは別に立てているチーム独自のValues「役割を超えて価値に向かう」を具現化した姿です。

  • ノンエンジニア: 設計や実装、内部構造を理解し、プロダクトに責任を持つ
  • エンジニア: ユーザーの課題を深く理解し、本質的な価値をともに考える

お互いが従来の役割を越境し、共通の言語でプロダクトに向き合うことで、意思決定の質とスピードが格段に向上しました。

最後に

ノンエンジニアが機能開発に寄与できる範囲はまだ限定的かもしれません。しかし、AIの性能が日進月歩で高まる今、重要なのは「今どこまでできるか」よりも「少しでもやってみる」姿勢だと考えています。

短期的にはROIが見えにくい局面もありますが、今この変化の波に乗らないことこそが最大のリスクであると考え、私たちは半ば強制的にAIツール活用を前提にすることを心がけています。

AIが生成したアウトプットをどう評価し、価値提供にどう繋げるか、私たち一人ひとりの意思と意図がこれまで以上に求められていると痛感する日々です。

一方で、この取り組みは完全にエンジニアの善意によって成立していることでもあります。

環境構築のためのドキュメント準備やフォロー、ノンエンジニアが取り組んだ実装を全体に影響が出ないように修正するなど、多くの負担がかかっていることも知っています。ノンエンジニアの成長のために、ネガティブな側面を何も言わず吸収してくれて本当に感謝しています。

UAチームはこれからも職能の壁を越えて、小さく早く学びながら、Digitization部に、Sansanに、そしてSansanユーザーの皆さまに本質的価値を届け続けていきます。

一緒に挑戦してくれる仲間を募集中です

私たちは、オペレーション企画ポジションで、ともに挑戦してくれる仲間を募集しています。

Sansanの様々なプロダクトを通じて価値提供できるDigitization部で、本質的な価値を一緒につくりませんか?Digitization部はエンジニアとノンエンジニアが混在するユニークな組織です。学びも多く、上記の通り様々な場面でエンジニアが支援してくれるので自分のアイデアを実現しやすい環境です。

まずはカジュアル面談でも大歓迎です。ご連絡をお待ちしています。

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