Sansan Tech Blog

Sansanのものづくりを支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

マルチプロダクトのモバイルエンジニア同士での知見共有を促す Mobile Tech Talk

はじめに

技術本部 Sansan Engineering Unit Mobile Application Group の赤城です。 私たちのチームは、法人向け営業DXサービス「Sansan」のモバイルアプリ開発を主に担当しています。

一方、同じ会社でモバイルアプリを開発しているチームとして、名刺アプリ「Eight」のモバイルアプリ開発担当チームも在籍しています。 同じ会社ではあるものの、全く別の事業のプロダクト開発をしているため、普段の業務で関わる機会はそれほど多くありません。

同じ技術領域のエンジニアが同じ会社に在籍しているにもかかわらず、知見共有が進まないのは非常にもったいない機会損失です。 そこで、モバイルエンジニア同士での知見共有を目的としたイベント「Mobile Tech Talk」を昨年から定期開催しています。 現在まで約1年半、おおよそ2週間に1回のペースで継続しているMobile Tech Talkについて、立ち上げから現在の状況までを紹介します。

まずは会の目的・コンセプトを決める

ただ「知見共有したいので交流しましょう」という緩い会でも良いのですが、それだとどうしても交流に意欲的なメンバーのみの参加になってしまったり、自然消滅してしまうのではと考えました。 そこで、どのような目的で行う会なのかを明確にすることから始めました。

Eightのモバイルエンジニアと話し合い、最終的に下記の目的としました。

  • 当社のモバイル技術力を強化し、モバイルアプリ開発分野における競合優位性を獲得する
  • 当社所属のモバイルエンジニアの成長機会を提供し、エンゲージメントを向上させる

上記二つを達成するために、当社所属のモバイルエンジニア同士での「弱いつながり」を支援し、スキル向上機会を増やす

やや堅めな目的となりましたが、明確にしておくことで、軸がぶれずに開催形式を試行錯誤することができました。

具体的なコンテンツ

2024年初めから約1年半継続し、さまざまなコンテンツを実施してきました。 その中から、特に盛り上がった会を二つ紹介します。

LT会の実施

フリートピックでのLT(ライトニングトーク)会を実施しました。 社外の勉強会でもモバイルエンジニアは日々登壇していますが、進行中のプロジェクトに関する社外秘の情報も含めた知見共有は、どうしても社内のみでしか行うことができません。 例えば、Sansan MobileにおけるKotlin Multiplatform導入について、社外秘な事情も含めた課題点についての議論を行いました。

以前はオンライン開催も多かったですが、最近は、オフラインでの開催も行っています。

普段あまり話す機会のない他プロダクトのエンジニアとも直接会って交流でき、技術的な悩みや工夫をざっくばらんに共有できる場となりました。 議論の活発さが増したり、発表に対するリアクションがより鮮明に感じ取れたりすることで、よりつながりが生まれやすくなり、好評でした。

いくつか、社外向けにも公開できるようなLTもあったので、この場で共有します。ぜひ、雰囲気を知っていただけたらと思います。

社内共有ライブラリのハンズオン会の実施

Sansan、Eight双方のモバイルアプリには、「名刺撮影による名刺データ化」という共通の機能が存在します。 データ化を行いやすくするための事前処理として、名刺画像を矩形認識し切り取る処理をモバイルアプリ側で行っており、こちらは社内共通ライブラリを使っています。

しかし、双方のプロダクトとも名刺撮影画面への機能追加頻度がそれほど多くないことから、経験の浅いメンバーだと共通ライブラリを触る機会がそれほど多くありませんでした。 そこで、簡単なサンプルプロジェクトを作り、iOS版の社内ライブラリのハンズオン会を実施しました。

ハンズオン会に参加したエンジニアからは下記のような声がありました。

  • モブプロ形式とても良いと思います。やはりコーディングしてみることで学びの深さが違ってくる。
  • iOS側の社内ライブラリのI/FとAndroid側の社内ライブラリのI/Fの差分について知れた。iOSの方法も参考になる。

普段の業務からは少し外れたものの、一般的ではない社内固有の知見の共有から気づきを得られることは、社内勉強会ならではの良さだと感じました。

フィードバックのサイクルを回す

コンテンツやその他段取りについて、目的がきちんと達成できているか・ブラッシュアップさせる余地がないかを把握し、改善を繰り返していきたいと考えました。 そこで、会の開催後は必ずアンケートに回答してもらう形にしました。

アンケートでは、コンテンツの満足度や今後取り上げてほしいテーマ、運営面での改善点などを自由に記入してもらっています。 このフィードバックをもとに、次回以降の会の内容や進行方法を柔軟に見直すことで、より参加者にとって価値のある会に進化させていきました。

参加している各エンジニアが知見や気づきを得られたかをこの会では特に重視しており、その点もアンケートに含めていました。

各回の「知見や気づきを得られたか?」という問いに対する回答結果の推移がこちらです。

初回はスコアにバラつきがありましたが、都度改善点を見出して会をブラッシュアップし続けました。 結果、徐々に回答の平均スコアも上がっており、より有意義な会として進化していると考えられます。

各回に継続開催希望のアンケートも取っていました。そちらの回答結果の推移がこちらになっています。

こちらも、初回から平均スコアがだんだんと上がっていき、継続する度に高いスコアとなっていることが確認できました。 ありがたいことに、参加者の意欲も高く、持続可能性のある会にできたことが伺えます。

補足: 直近3回が100%と異常に高いスコアが出ていますが、参加を希望者のみにする変更を行なったためと思われます。

おわりに

Sansan / Eightのモバイルアプリ開発を進めていく仲間を募集中です! 選考評価なしで現場のエンジニアのリアルな声が聞けるカジュアル面談もありますので、ご興味のある方はぜひ面談だけでもお越しいただけたら幸いです。

open.talentio.com

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