こんにちは。Sansan Tech Blog編集部です。
先日、技術本部のメンバーが集まり、各チームがどの業務でAIを活用しているのか、その実例を手元で体験しながら学ぶ社内イベント「お隣部署のAI体験会」を開きました。
LT会のように聞くだけでなく、触って確かめるのがこのイベントの特徴。モニターをのぞき込みながら「ここ、どうやってる?」と声をかけ合うやりとりがあちこちで起きていて、会場は終始にぎやかな雰囲気でした。
この記事では、当日の様子と各ブースの内容、そして参加者の声を紹介します。
- 「お隣部署のAI体験会」とは?
- 開発現場のAI実践をブースごとにご紹介
- 「Data EngineeringをAIで楽した」
- 「AI駆動開発専任チームの3ヶ月SDDを実験した話」
- 「私はそれをSpec Driven Vibe Development(SDVD)と呼ぶことにした」
- 「Bill OneにおけるAI Rules運用 & 個人的Tips」
- 「少人数チームでのAI活用 Auth Oneの場合」
- 「オンボーディング with AI から見えたプロダクト開発におけるAI活用」
- 参加者の声で見る、AI体験会の手応え
「お隣部署のAI体験会」とは?

会場は本社のセミナールーム。先生役のエンジニアは5名で、30分×2ラウンドのブース回遊形式でした。始まる前からあちこちで小さな輪ができていて、普段は別のプロダクトに関わるメンバー同士が名前で呼び合う場面も見られました。
画面越しではわかりにくい操作や判断の細かい部分を、直接質問しながら学べるのがこの会のポイントです。背景には、技術本部全体で進めている「AI活用による生産性向上」の取り組みがあります。

部署ごとにたまってきた知見を持ち寄り、明日からの開発に生かせるヒントを共有することを目的に開催しました。
開発現場のAI実践をブースごとにご紹介
ここからは、各チームがどのようにAIを取り入れ、開発プロセスを変えているのかを紹介します。ツール選定の工夫から、設計やレビューの進め方、チームごとの課題と解決まで。実際のプロダクト開発の現場でAIがどう動いているのか、そのリアルをのぞいてみます。
「Data EngineeringをAIで楽した」

Claude CodeとDevinを併用し、データ連携のリードタイムを短縮した実践が語られました。ペースレイヤリングの考え方を応用し、変更頻度や影響範囲を基準にAI導入の優先度を判断する手法を紹介。さらに、BigQuery操作を支援する「MCP Toolbox for Databases」の活用事例と課題を共有し、今後は社内データ基板「Colossus」のメタデータ整備による「分析の民主化」を目指す方針が示されました。
「AI駆動開発専任チームの3ヶ月SDDを実験した話」

仕様を言葉と図で整理してからAIに実装を任せるスタイルが紹介されました。中〜大規模の開発でも、前提をそろえることで生成と修正の往復が落ち着くという実感が共有されました。設計ドキュメントを必要十分に保ち、変更時の更新範囲を明確にしておく運用例も紹介。レビューでは、設計の意図を守れているかを短時間で判断するために図を活用している点が印象的でした。
「私はそれをSpec Driven Vibe Development(SDVD)と呼ぶことにした」

要件整理から仕様化、Issue化、実装、レビューまでを一気通貫でつなぐアプローチが紹介されました。プロンプトに細部を詰め込みすぎず、外部ドキュメントに思考を残してチームで共有できる形にする工夫が語られました。小さなPRで素早く回し、AIと人のレビューを組み合わせて品質を上げる実践例として紹介されました。
「Bill OneにおけるAI Rules運用 & 個人的Tips」

ルールと個別ルールを組み合わせ、必要な情報だけを読ませることで、無駄な探索を減らす工夫を実践。このルール設計をベースに、Bill OneでのAI駆動開発の流れをモブプログラミング形式で実演しました。AIが生成を担い、人が品質と合意を確認するという役割分担により、大規模なコードベースでも再現性を保つ運用ノウハウが共有されました。
「少人数チームでのAI活用 Auth Oneの場合」

社内共通の認証基盤「Auth One」チームでは、GoとConnect RPCを用いて少人数で開発を進めています。PRの約半数をAI生成とし、設計からテストまでAIを併走させる体制を紹介。protoからコードを生成し、自然言語ではなくコードでAIに前提を伝える工夫が特徴です。設計変更時の対応などにおける改善の工夫も共有しつつ、Notebook LMやCodeRabbitの効果的な活用例が示されました。結論は「AIの得意を活かし、人は設計でリードする」でした。
「オンボーディング with AI から見えたプロダクト開発におけるAI活用」

新プロダクト立ち上げの現場で、AIをドキュメント作成や議事録まとめ、一次レビューなどに使う事例が紹介されました。特徴的だったのは「AIが動きやすい環境を整えること」に重点を置いている点です。タスクごとに「どこまでAIに任せて、どこから人が判断するか」を明示しており、チーム全体の習熟度をそろえる工夫が印象的でした。
参加者の声で見る、AI体験会の手応え

アンケートでは、「目の前で手を動かす様子を見られて理解が深まった」という声が多く寄せられました。
「他チームの取り組みを解像度高く理解できた」「Bill Oneの進め方を自チームでも試したくなった」といったコメントもあり、やり方のリアルに触れたことが刺激になったようです。
また、「外部の勉強会より自社の文脈で学べた」「導入後の運用イメージまでつかめた」といった声もありました。運営面では「双方向の時間をもう少し長くしてほしい」「最初に全体像があると体験の焦点を合わせやすい」といった意見も。
印象的だったのは、「思っていたよりAI活用が進んでいて、前向きな危機感を持てた」という感想。テーブルを囲んで話すスタイルについても、「顔と名前がつながった」「懇親会だけの参加でも他部署の方と話せて有意義だった」といった声があり、学びと交流の両面で価値を感じてもらえたようです。
今回の体験会は、部署をまたいでAI活用の知見を共有する試みでした。最後は懇親会も行い、技術の話題はもちろん、「次はこんなテーマでやってみたい」「自分たちのブースも出してみたい」といった声があがり、自然と次回への期待が生まれていました。
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