Sansan Builders Box

Sansanのものづくりを支える技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信

テクノロジのゆくえ

CTO の 藤倉 です。

3 月 14 日、15 日に渡り、弊社主催のカンファレンスである Sansan Innovation Project 2019(以下 SIP)が開催されました。SIP は 2016 年から毎年開催されていますが、4 回目となる今年は初の 2 日間ということで、規模も内容もこれまでを超える盛大なものになりました。SIP では様々な分野の第一線で活躍されている方々をスピーカーに迎えています。今年もテクノロジに関するセッションが多く用意され、その中のいくつかを担当させてもらいました。

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2F-1 『これからの技術の進化』

二日目のランチセッションに、アマゾンウェブサービスジャパンの技術統括責任者をされている岡嵜さんとの対談をさせていただきました。このセッションでは、過去、現在、未来と話題を時系列で大きく三つに分けて、それぞれのタイミングにおける技術について話をしました。さすが、あの AWS の技術統括責任者をされている方だけあって、岡嵜さんからは非常に示唆に富むお話を聞くことができました。登壇者ではありましたが、私自身も大変勉強になりました。

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この記事では、このセッションでの内容やそこからの気づきを書きたいと思います。

クラウドを振り返る

まずは過去。AWS が創業したのが 2006 年です。そしてちょうど今から 10 年前である 2009 年は、EC2 や S3、ELB、RDS など、Web アプリケーションを作るための主要なサービスが出揃っていました。そして待望の東京リージョンが開設されたのが 2011 年です。一方、Sansan は 2007 年に創業しました。当時はサービスのローンチにクラウドを利用するという発想がなく、当たり前のようにデータセンターを借りてオンプレミスでサービスを運用していました。

当時を思い起こすと、世の中では、そもそもクラウドを利用することの是非が議論されていたように思います。主な論点は経済的な問題とセキュリティでした。従量課金制ではコストが事前に決定できない、オンプレミスに対して運用コストが高い、セキュリティに不安がある、などなど。クラウドがまだ新しい技術であったこともあり、議論は活発でした。

現在これだけクラウドサービスが使われていることを考えると、上記のような議論は尽くされ、あとはユーザ企業のポリシーによって利用可否が判断できるようになっているということでしょうか。

現在

今日のクラウドサービスは、そのサービス数と内容が驚異的に進化しています。特に、先日リポートした AWS re:Invent を見ても、その規模には圧倒されるばかりです。

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re:Invent 2018 の会期中に発表された AWS の新サービスの数は 100 を超えており、中の方ですら追いつくのが大変だとのこと。私が特に注目したのは Ground Station や RoboMaker でした。

Ground Station は人工衛星からデータを取得するための地上局をフルマネージドサービスとして利用することができ、ハードウェアの運用を不要にするためのサービスです。また、RoboMaker は、ロボットのためのソフトウェア開発環境を提供し、開発からテスト、デプロイをするためのサービスです。

元々は Web サービスを構築するために提供されていた AWS ですが、もはや Web テクノロジだけに留まりません。昨今は Web テクノロジとアナログな世界とを繋げるサービスにも注目されていますが、AWS を使えばあらゆるサービス開発の手間が省かれていきます。

これからのエンジニアリング

クラウドサービスの発展によって、我々開発者はアプリケーション開発に集中することができるようになりました。これは一体何を意味するのでしょう。

物理レイヤーから OS、フレームワークまでもがクラウドで用意され、ブラックボックス化されていきます。そのおかげで、開発者はユーザにとって価値ある機能を効率よく開発することができます。これはつまり、多くの開発者は直接的にユーザ価値になるものを作らなければ存在が認められない世の中になってきているとも言えます。かつてはサーバのアーキテクチャを知っていることに価値がありましたが、今ではその知識が活きることは稀です。

先進的なテクノロジについても変化しています。ガートナーのハイプサイクル等でも表現されている通り、新しい技術には黎明期や最盛期、減衰期があります。このサイクルがとても短くなっているように思います。ディープラーニングや IoT、AR といった新しい技術も、登場から程なくしてクラウドによって誰でも簡単に利用できるようになりました。

クラウドの進化に伴って、開発者も進化していかなければならないのです。

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