CTO の 藤倉 です。
ここ数年、スタートアップ界隈では国外の学生さんを新卒エンジニアとして採用する企業が増えているように思います。また、国内のコミュニティや勉強会でも実際に外国出身の方に会うことも増えてきました。
当社の事業成長や、国外への展開を考えるに、開発チームとしても外国籍の新卒エンジニアを増やしていくべきなのではないかと思っています。
インドは、新卒エンジニア採用が盛り上がっている国として無視できないようなので、最近のインド人学生にはどんな人たちがいるのか、実際にお会いしてみたいと思いインドを視察してきました。
大学訪問
今回の訪印では、実際にインドの学生さんたちに会って話をして、彼らが学んでいることやエンジニアスキル、人柄などを体感することを目的としました。学生さんに会うのであれば大学を直撃しようということで、優秀な学生さんが多いと言われている三校を訪問しました。
それぞれの学校では、大学側にも協力をしてもらって学生さんを集めてもらいました。その前提として、大学側からは、一般的な日本での就業についてとか、Sansan という会社の紹介を多くの学生向けにしてほしいと依頼されました。私としてもより多くの学生さんに出会えるのであればと思い、大人数に向けたプレゼンテーションと、そこから数を絞った少数の学生さんと座談会をするという二本立ての予定を組んでもらうことにしました。
初日に訪問をしたのは New Horizon College of Engineering という大学です。ここは、New Horizon Educational Institution の中でもエンジニアリングに特化した学部を持ち、情報工学やコンピューターサイエンスだけでなく、機械工学や自動車工学なども扱っています。大学に到着して、プレゼンテーションの準備をしましょうと、大学関係者の方に案内してもらい、驚きました。私が想像していた以上に大きな会場と、参加学生の数です。
およそ 300 名くらいの学生が集まっているよ、とのことでした。いわゆる講堂にあたる場所のようです。インド人学生の規模の大きさと、彼らの日本での就業に対する興味の強さを感じます。ここでは大学の方が生徒の皆さんにイベントの趣旨の説明と、合わせて私を歓迎するセレモニーをしてくださり、その後、一時間程度のプレゼンをしました。休憩を挟み、30 名程度の学生さんとの座談会です。
学校では情報工学やプログラミングの基礎から、プロジェクトベースのカリキュラムを行い、実際のソフトウェアを開発する経験をしているとのこと。また、一部の学生は授業だけでは飽き足らず、友達と数名のチームを組んで自主的に開発しているなど、学習に対する意欲も高いようです。この辺りは総じて、日本の大学生と大きな差はないように思いました。開発をしているものも、ブロックチェーンのフレームワークを自分で開発してスマートコントラクトのような架空のサービスを作っていたり、機械学習を使ってオンラインゲームの勝率に関わる決定因子を分析してみたりと様々です。新しい技術に触れてみたいという好奇心をもって身近なものを題材に開発している様も、どこの国でも変わらないのだなぁと、親近感を覚えます。
他にも Jain University や BMS College of Engineering という大学で同様の企画を実施していただきました。最終的には、総勢 500 名以上にプレゼンをして、80 名くらいと個別に話をすることができました。
インドの就職事情
今回の訪印で出会った学生さんたちは、みんな熱意を持ってソフトウェア開発を学んでいました。日本で同じくらいの熱量をもった大勢の学生さんに会おうと思ったらかなり大変だろうと思います。インドの人口が日本の 10 倍以上いるからなのか、規模においては日本を圧倒しているようです。その彼らが、アメリカや日本をはじめとして、外国での就業を強く希望しています。彼らは先進的な国の中で、モダンなソフトウェア開発を経験したいと思っているのです。そのためには、プログラミング技術だけではなく、設計やテスト、開発プロセスに至るまで興味を持って日々勉強しています。
この状況は、同じエンジニアとして頼もしく感じます。インド人学生のみならず、世界各国の学生にとってチャンスが広がる時代になってきているのは良いことです。それと同時に、日本の学生にとっては、世界中の優秀な人材が就職活動のライバルになり、厳しい競争を強いられるとも言えます。