Sansan Tech Blog

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【Sansanエンジニア インタビューシリーズ】第2回 Bill One アシスタント グループ マネジャー経堂編

Sansanエンジニア インタビューシリーズとして前回Bill Oneの開発責任者である大西をピックアップしましたが、今回は大西が Bill One Engineering Unit Smart 受領グループ アシスタント グループ マネジャーの経堂にインタビューしました。

本記事で使用している画像は撮影時のみマスクを外したものです。

大西:
経堂さん、入社から現在に至るまでの自己紹介をお願いします。


経堂:
パッケージソフトウェアのWebエンジニアを経て、2017年末にSansan株式会社に入社しました。SansanプロダクトのWebアプリケーションエンジニアに1年従事し、その後、新規事業開発室に異動してBill Oneの立ち上げに携わり、現在はアシスタントグループマネジャーとしてチーム・組織マネジメントの一端を担っています。


キャリアの迷い


大西:
Bill Oneへの異動を希望した理由を教えてください。


経堂:
Sansanに入社してから1年たった頃、友人の働くベンチャー企業に誘われました。ベンチャー企業では今以上のチャレンジがありそうだと感じ、このままSansanにいるか転職するかとても悩みました。事業を創るチャレンジをしたいと思っていたので、一人でなんでもやれるベンチャーで事業やプロダクトに対して近い距離で貢献し、直接影響を与える働き方に興味がありました。

そんな時に、新規事業であるBill Oneを立ち上げることを知りました。
Sansanはただ単にサービスを大きくすることだけを目標にしているのではなく、その先の業務体験や世の中の業務構造にまでアプローチしようとしているので、そういったバックグラウンドの中で立ち上げる新規事業に大きな可能性を感じ、自分のしたいチャレンジや楽しさもあると考えました。
そこで、Sansanに残り異動を希望することにしました。

Bill Oneの文化を通して感じた自身の変化


大西:
Bill Oneに異動した当初に感じたことは何かありましたか?


経堂:
特に開発文化が新しいと感じました。メンバーは少人数でしたが、みんなが事業に向き合って意見を言い合える環境だなと思いました。新しいことに挑戦できるところや風通しが良いところにわくわくしていました。


大西:
その環境にすんなり入れましたか?


経堂:
かなり苦戦しました(笑)
Bill Oneの文化は言語化されていますが、その体現に苦戦していたと思います。特に最初は”情報はオープンに共有する”という文化の中で、自分の考えや弱みをオープンにすることに難しさを感じていました。
例えば、「知らない」「わからない」を他の人に言えずに一人で抱え込んでしまっていました。当時はオフラインでポストイットを使って振り返りを行っていましたが、書いてみて「やっぱ違うな」と思ったらくしゃくしゃに丸めていたのですが、それを周りに「出してよ 笑」と突っ込まれることもありました。

文化にはすごく共感していた一方で、自分自身は弱みやわからないこと、悩みを人に伝えることがすごく苦手でした。


大西:
Bill Oneに異動してきてから、どのくらいでオープンにできましたか? 何かきっかけがあったのですか?


経堂:
振り返ってみると、弱みを見せることは周囲からマイナスな評価をもらうことだという思い込みが自分にはありました。そこを変えたのは、普段の環境と大西さんの辛抱強い1on1での支援が要素として大きかったと思います。

環境としては、周囲のメンバーから「新しいことに取り組んでいるのだから、わからないことが出てくるのは当たり前」「気軽に悩みを話して、解決して、事業を進めていくのが大事」という発言や声をかけてもらっていました。メンバーから自然と文化に根付いた発言を何度も聞き、自分も新しいメンバーに伝える中で変化があったと思います。

また、大西さんとの1on1で特に印象的だった言葉は、「変わるための支援で必要なことは何でも付き合うが、最終的に変わるのは自分の決意」という言葉でした。

自分の中でも変化を感じはじめたのは、Bill Oneの組織が大きくなってきたタイミングですね。仲間が増える中で「変わらなければ」と思えました。
以前はプロダクトや事業を創りたいと言っておきながら、自分が認められたいとか、自分が役に立ちたいという気持ちが勝っていた気がします。
周りのサポートもたくさんあったので、それに応えたいという思いも強かったです。


組織文化の継承

大西:
1年半くらいで急拡大した組織ですが、その中で経堂さんが感じたことはありますか?


経堂:
今のBill Oneの文化や風通しの良さがなくなってしまうのではないか、という不安がありました。
これまで維持されてきたのは、組織が大きくなるにつれて文化のあり方や取り組みを大西さんが変えてきたからであり、チームの状況に合わせて変化していかなければならないことを肌で感じていました。
組織が大きくなることで部長である大西さんとメンバーとの距離が遠くなると、このやり方のままでいいのだろうか? と感じるようになり、誰かが変化させ、浸透させるために何かをしなければならないのではないかと感じました。それは古いメンバーである自分がやらなければならないんじゃないか? やらなければ壊れてしまうのではないか? と思い始めていました。


大西:
なぜ、そんなに強く維持したいと思えたのですか?


経堂:
Bill Oneの文化が好きだったからですね。自分自身もたくさん支援してもらったし、悩みや不安を抱えている時に、どうやったら自立していけるのかを一緒に考えてもらったことがたくさんありました。インシデントが発生しても人を責めるのではなくて、仕組みや機能に向き合い、どうすれば良いサイクルに持っていけるのかを一緒に考えられたのは、Bill Oneの文化がうまく機能していたからだと思っています。また、自分と同じようにチャレンジできる機会をもらえて、自己成長し続けられているこの体験を、新しいメンバーにも経験してほしいと思いました。
Bill Oneの文化を気に入って信じて仲間になってもらえたのであれば、それを提供しなければならないと思っています。


Bill Oneでの経験とマネジャーへの挑戦


大西:
Bill Oneに異動してきてから経堂さんが変わったことはなんですか?


経堂:
人を巻き込んで進めた方が早い、事業のことを考えた時に物事は早く進めた方がいいという考えになったことです。
また、自己開示能力の低さはボトルネックになることを知り、本当に組織のことを考えるのであれば、そこを変えていかなければならないと思うようになりました。


大西:
一人でできることには限界があるので、周りを巻き込んで推進していかなければならないと考えが変化してきたということですか?


経堂:
そうですね。今は一人で何かをするのではなく多くのメンバーで一つの大きなことをできているので、転職するか迷った時にBill Oneを選択したことは正解だったと考えています。


大西:
そんな変化の中、マネジャーになったきっかけはなんですか?


経堂:
大西さんに背中を押されたことがきっかけです。


大西:
声をかけられた時どう思いましたか?


経堂:
自分には無理だと思う一方で自分がやらなければとも思いました。
自分はマネジメント経験もないですし、人の上に立ってリーダーシップを発揮できるようなスキルもないと思っていました。しかし、これから組織が大きくなったとしても今の文化を維持していきたいと思いましたし、そこにこだわりを持っている自分がマネジャーとして牽引していかなければならないと考えました。


大西:
実際マネジャーになってみてどうですか?


経堂:
難しいなと思います。
組織の成長スピードがすごく早く、新しい人も増えているので、それに合わせて自分も変わる必要があると思うんですね。
今のチームで確立させたものが次のチームやメンバーの中で通用するとは限らないので、常に進化し続けなければならないところに難しさを感じます。


大西:
マネジャーになる前も同じようなことは考えていました?


経堂:
考えていなかったです。もちろん、自分の開発範囲の中でいろんな工夫や新しいことへのチャレンジはしていましたが、今のチャレンジはチームに向いたもので、自発的にこうしたい、とかフィードバックからもっとこうしてみよう、など継続的なモチベーションが必要なのが違うところですね。


大西:
経堂さん自身が成長したポイントはなんですか?


経堂:
ネガティブ思考で完璧主義者なんです。強マッチの結果もそうでした。周りから悪く見られたくないという思いが自己開示の低さにつながっていたと感じます。

以前は自分の弱みを開示するのが怖かったけれど、直接的な指摘ではなく、コーチング形式の1on1での会話をくりかえすことで弱みに向き合い開示できるようになり、チームやプロダクトに還元できるようになったと感じています。

具体的には、プロジェクト単位で振り返った時に、この時点でアラートを上げられていればよかったという課題の裏に、じつは自分の弱みが隠れていたということがあり、1on1などで深ぼりや細かい振り返りをしてもらい、弱みに向き合えるように誘導してもらっていました。今では弱みが出てしまった時は、なぜ自己開示したくなかったんだろう? と自分自身で振り返ることができるようになりました。
自己開示をすることがプロジェクトやプロダクトの安全性やクオリティを高めることにつながることを実感し、するべきアクションができるようになったと思います。


今後実現していきたいこと

大西:
目指したいキャリアはありますか?


経堂:
人の成長に向き合いたいと考えています。組織文化を通じて自分自身が成長できたので、同じような体験をいろんな人に届けたいです。
高い実行力や技術力はあるけれど、自分の内面の弱さからくすぶっている人たちがたくさんいると思います。優秀だけど内面の弱さからチャレンジできない人にアプローチして環境を変えてあげてもっとうまく働けるように促していく、これも一つのエンジニアリングマネジャーの役割ですし、こういうエンジニアリングもあるんじゃないかなと思っています。


大西:
2年間苦戦したからこそアドバイスできることがあると思うので、それを踏まえてBill Oneの成長に向き合ってもらえたら嬉しいです。

最後に経堂さんにとって良いチーム、組織とは?


経堂:
メンバー全員で事業を創ることを優先しつつも、一人ひとりがチャレンジをして成長を実感できるチームです。それを目指したいと思っています。




執筆:VPoE室 組織デザイングループ 田中


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