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【Google Cloud Next 25】Gemini Cloud Assistで実現するクラウド運用の効率化

こんにちは、Strategic Products Engineering Unit SRE Groupの辻田です。

2025年4月にラスベガスで開催されたGoogle Cloud Next 25にて、Gemini Cloud Assist が発表されました。このツールは、クラウドの設計から運用、トラブルシューティング、最適化まで、幅広いタスクをAIがサポートしてくれます。​現在プレビュー版として利用可能です。

本記事では、Gemini Cloud Assistの概要と、実際に使ってみた感想を紹介します。

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Gemini Cloud Assistとは?

cloud.google.com

Gemini Cloud Assist は、Google Cloud コンソールに統合されたAIアシスタントです。​自然言語での対話を通じて、クラウドリソースの設計、デプロイ、管理、トラブルシューティング、パフォーマンスとコストの最適化など、さまざまなクラウド関連タスクを支援します。さらに​このAIは、ユーザーのクラウド環境を理解し、コンテキストに応じたパーソナライズされたガイダンスが可能です。

主な機能とできること

  • 目標主導型の設計支援: 希望する設計結果を伝えると、ニーズに合わせたアーキテクチャ構成を生成し、その提案の理由も説明します。​
  • ガイド付き操作とトラブルシューティング: 問題を診断し、根本原因を特定、解決策を推奨し、インシデントの迅速な解決を支援します。​
  • パフォーマンスとコストの最適化: リソースの使用状況を分析し、パフォーマンス向上やコスト削減のための提案をします。​
  • セキュリティーとコンプライアンスの支援: セキュリティー構成の管理やコンプライアンス要件への対応をサポートします。

Application Design Centerとの連携

Gemini Cloud Assist は、Application Design Centerと連携することで、アプリケーションの設計とデプロイメントをさらに効率化できます。​Application Design Centerは、Google Cloud上でアプリケーションのインフラストラクチャを設計、共有、デプロイするためのツールで、ビジュアルなキャンバススタイルのインターフェースを提供します。​これにより、プラットフォーム管理者や開発者は、アプリケーションの設計、デプロイを簡素化し、セキュリティー、信頼性、ベストプラクティスに沿った開発が可能になります。​

Gemini Cloud AssistとApplication Design Centerを組み合わせることで、自然言語での要件定義からTerraformによるインフラストラクチャのコード化、さらには組み込みまたは個別のデプロイメントパイプラインへのデプロイまで、一連のプロセスを効率的に進めることができます。​

使い方

Cloud Assistパネル

まずはAPIを有効化して、Google Cloud コンソールの「Ask Gemini」から自然言語で質問を投げかけてみます。

  1. Gemini Cloud Assist の有効化: Google Cloud プロジェクトで Gemini for Google Cloud APIを有効にします。​これは、Google Cloudコンソールの[Gemini Cloud Assist]ページから行えます。​
  2. Cloud Assist パネルの利用: Google Cloud コンソールのツールバーでGeminiアイコンをクリックし、Cloud Assist パネルを開きます。​ここで、自然言語で質問やリクエストを入力できます。​検索窓の「Ask Gemini」からも質問できます。

プロジェクトの内Cloud Storage数を聞いてみたらずばり正解を教えてくれました。

Coldline Storageに変えるべきバケットを聞いてみたら、アドバイスをくれました。これでも随分助かりますが、今後のアップデートで具体的なバケットとその理由を教えてくれるようになると、さらに便利になりそうです。

Cloud Assist Investigations

次に、トラブルシューティングの機能を試してみます。GKEのとあるPodでわざとエラーを起こして、Gemini Cloud Assistに診断してもらいます。

エラーログのエントリーに Investigate ボタンが現れました。これをクリックすると、エラー分析が始まり、調査結果が表示されます。関連するログやイベント、仮説と推奨される修正案が表示されます。

さらにはサポートへの問い合わせもできてしまいます。サポートチケットの作成は必要情報の記入が大変ですが、必要な情報が自動で埋め込まれた状態でチケットが作成されるため、手間が大幅に削減されるはずです。

まとめ

自分のプロジェクトのコンテキストを理解した上で、自然言語での質問に対して適切なアドバイスをしてくれるのは、作業を大幅に効率化してくれると感じました。​特に、トラブルシューティングの機能が強力で、関連のあるログやイベントを自動で収集して仮説を立ててくれるのは非常に便利そうです。

今回はチャットでの相談とトラブルシュートの機能を試してみましたが、Application Design Centerとの連携や、パフォーマンスとコストの最適化も試してみたいです。触ってみたらまたブログで紹介しようと思います。

最後に、Gemini Cloud Assistはクラウド運用の複雑さを軽減する強力なツールです。​AIの力を借りて、設計から運用、最適化までのプロセスをスムーズに進めることができます。​ぜひ一度、これらのツールを試して、その効果を実感してみてください。​

おまけ

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お昼ごはん

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